「それ、意味ありますか?」意見を否定することが正しいと思っていた→代案を求められて気づいた、自分の中身のなさ
穴を見つけることだけが、得意だった
誰かが提案を投げるたびに、私の目は自然と粗を探していました。「それは違うと思う」「現実的じゃないですよね」。そう書き込むとき、どこか冷静で有能な自分を演じていたのかもしれません。否定することでチームに貢献していると、本気で信じていた部分もありました。しかし、「じゃあどうすればいいか」を自分の言葉で語ったことは、一度もなかったのです。
突きつけられた問い
ある日、流れてきた業務フローの改善案に対して、反射的にこう返していました。「それ、意味ありますか?」いつもと同じ、中身のない否定。
その直後、同僚からの返信が画面を光らせました。
「じゃあAさんの代案を聞かせてください。否定だけでは、チームとして前に進めないので」
まさか代案を求められるなんて。返事を打とうとして、何度も文字を消しました。書けるものが、何もなかったのです。
1週間、何も出てこなかった
その夜から本気で代案を考え始めました。資料を読み返し、他社の事例も調べました。けれど具体的な提案としてまとまる気配がない。1日が過ぎ、3日が過ぎ、5日目には資料を開くことすら苦しくなっていました。
そのうちに、他のメンバーが「私はその案、いいと思います」「一度試してみませんか」と前向きな発言が増えていき、ますます返信ができなくなりました。
否定するだけなら一瞬でできたのに、ゼロから何かを提案することはこんなにも難しい。私が簡単に否定してきた提案の一つひとつに、どれほどの労力が注がれていたのか、ようやく理解できた気がしました。
8日目、スタンプをひとつだけ送りました。代案も謝罪も形にできないまま、逃げたのです。全員が、その意味をわかっていたはずです。
そして...
この1週間は、私に必要な時間だったのだと思います。否定だけで場を支配していた自分には、中身がなかった。それをみんなの前で証明されたことは痛かったけれど、目をそらし続けるよりずっと誠実な結末でした。
今は、誰かの提案に反射的に粗を探すことをやめるよう意識しています。次に口を開くときは、壊す言葉ではなく、何かを積み上げる言葉を選びたいと思っています。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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