彼「サプライズでホテル取った」→チェックインで判明した"予約人数"に背筋が凍った
まちに待った「サプライズ旅行」
彼がサプライズ旅行を提案してくれたのは、交際1年の記念日を2週間後に控えた頃のことでした。「行き先は当日まで秘密」という彼の言葉に、私はまるで子どものようにワクワクしていたのを覚えています。
普段はあまりロマンチックなことをしないタイプの彼。それだけに、今回のサプライズには特別な思いが込められているのだろうと、勝手に想像を膨らませていました。新しいワンピースを買い、当日に備えてネイルも整えて。二人きりの甘い時間を夢見ながら、期待に胸を高鳴らせて当日を迎えたのです。
フロントで告げられた"3名"という言葉
当日、彼の車に乗って連れて来られたのは、山間の温泉リゾートホテルでした。エントランスをくぐり、彼がフロントで手続きを始めます。私は少し離れた場所でロビーの雰囲気を眺めていました。
その時、フロントスタッフの声がはっきりと聞こえてきたのです。「○○様、3名様でご予約ですね。もうお一方は後からいらっしゃいますか?」と。私と彼の二人旅のはずなのに、なぜ3名なのだろう。困惑する私をよそに、彼は「もうすぐ来ると思います」と平然と答えました。そして数分後、ロビーの入口に見覚えのある女性の姿が現れたのです。彼の母親でした。
目の前で繰り広げられた"親子の世界"
「遠かったでしょ、お母さん。疲れてない?」と駆け寄る彼を見て、私は言葉を失いました。母親は彼の顔を覗き込むと、「あなたこそ、運転疲れたでしょう。はい、お茶」とペットボトルを差し出し、さらにハンカチで彼の額を拭き始めたのです。
ロビーのソファに座ってからも、母親の世話は止まりませんでした。「上着脱いだほうがいいんじゃない?」「お昼ちゃんと食べたの?」と矢継ぎ早に声をかけ、彼もそれに嬉しそうに応じています。私が隣にいることなど、まるで忘れてしまったかのように。話しかけても「うん」「そうだね」と生返事ばかり。気づけば私は完全に蚊帳の外で、目の前では母と息子の親密な会話だけが続いていました。30分ほど経った頃、私の中で何かがぷつりと切れる音がしたのです。
そして...
私は静かに立ち上がり、彼にこう告げました。「私、帰るね」と。彼は驚いた顔で「え、なんで?」と聞き返してきましたが、その隣で母親が「あら、せっかく来たのに」と不思議そうにしているのを見て、もう何も言う気力がなくなりました。「二人で楽しんできて」とだけ言い残し、私はホテルを後にしたのです。
帰りの電車の中で、窓の外を眺めながらいろいろなことを考えました。悲しいというよりも、虚しさのほうが大きかったように思います。けれど同時に、あの場で気づけてよかったとも感じていました。私が横にいても目に入らない人と、この先一緒にいても幸せにはなれない。次に誰かと旅行に行くときは、隣にいる私をちゃんと見てくれる人がいい——そんな当たり前の願いを胸に、私は静かに、でも確かに新しい一歩を踏み出しています。
(20代女性・美容部員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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