「休日はパパと遊ぶ日」と投稿する夫。その裏で私が撮った「ソファでスマホいじる夫」の写真を公開した結果
キラキラ投稿の裏側
休日になると、夫は決まってSNSに投稿をしていました。「今日はパパと遊ぶ日!」というコメントとともに、子どもを抱っこしたり、一緒に積み木で遊んだりする写真。コメント欄には「素敵なパパ!」「奥さん幸せだね」という言葉があふれ、夫はそれを嬉しそうに眺めていました。
けれど、それはほんの一瞬を切り取ったもの。写真を撮り終えると、夫はすぐにソファへ戻り、スマホに夢中になるのが常でした。子どもが「パパ遊ぼう」と声をかけても、「ちょっと待ってね」と返事をするばかり。実際に子どもの相手をしているのは、いつも私だったのです。
限界を迎えた日
ある休日のこと。夫はいつものようにSNS用の写真を撮ると、満足げにソファへ寝転がりました。その横で、私は一人で子どものおむつを替え、ご飯を食べさせ、ぐずる子どもをあやしていました。ふと夫を見ると、スマホの画面に集中したまま、こちらを見ようともしません。
その瞬間、私は黙ってスマホを取り出し、ソファでだらしなく寝転ぶ夫の姿を一枚撮りました。「これが本当の休日の風景だよ」と心の中でつぶやきながら、静かにその写真を保存したのです。
写真を公開したその後
翌日、私は夫のSNS投稿に対して、自分が撮った写真をコメント欄に添えました。「実際はこんな感じです」と一言添えて。自分が撮った写真をコメント欄に添えました。
コメントは瞬く間に広がりました。見知らぬ人からも「こういうパパ、周りにもいる」「奥さんの気持ち分かる」という共感の声が寄せられ、投稿は想定外の拡散を見せたのです。
帰宅するなり、夫は声を荒らげました。「人前で恥をかかせて、何がしたいんだ!」。私も言い返しました。「じゃあ聞くけど、今日子どもが何を食べたか知ってる? おむつ何回替えた? 夜泣きで何時に起きた?」
夫は何も答えられませんでした。
「あなたの"パパと遊ぶ日"は、カメラの前だけでしょう。私は毎日、誰にも見せない場所で子どもと向き合ってる。いいねも、コメントも、何もなくても」
長い沈黙の後、夫は崩れるようにソファに座りました。「...俺、父親やってるつもりだった」。その言葉を聞いて、私の目から涙がこぼれました。怒りではなく、ようやく届いたという安堵の涙でした。
そして...
あれから少しずつ、夫は変わり始めています。休日の朝、自分から子どもに「今日は何して遊ぶ?」と声をかける姿を見かけるようになりました。まだぎこちないところもありますが、それでも確かに前に進んでいるのを感じます。
SNSの投稿は減りましたが、その代わりに家族で過ごす時間が増えました。派手なアピールはなくても、隣で一緒に子どもと笑い合う夫の姿。それが私にとって、何より嬉しい変化です。完璧でなくていい。少しずつでも、家族として歩み寄れることが大切なのだと、今は思えるようになりました。
(30代女性・主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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