「彼女いない」と言ってた彼。私ともう一人の交際相手が偶然カフェで意気投合した結果
「彼女いないから」という言葉を信じて
彼と出会ったのは、友人の紹介がきっかけでした。穏やかな笑顔と優しい話し方に惹かれ、私はすぐに好意を抱くように。「彼女いないんだよね、よかったら連絡してもいい?」という彼の言葉を、疑う理由なんてありませんでした。
交際が始まってからも、彼は変わらず優しい人。ただ、少しずつ気になることが増えていったのも事実です。金曜の夜に連絡がつかないことが多い。日曜は「用事がある」と会えない週が続く。そんな小さな引っかかりを、私は「仕事が忙しいのだろう」と自分なりに納得させていたのです。
カフェで隣に座った女性
ある休日の午後、私は一人でお気に入りのカフェにいました。のんびり過ごしていたときのこと。隣の席に座っていた同い年くらいの女性と、ふとしたきっかけで会話が始まったのです。
彼女もどこか元気がない様子で、話しているうちに自然と恋愛の話題へ。「最近、彼氏との関係に悩んでいて」と打ち明ける彼女の言葉に、「私もなんです」と思わず返していました。不思議と波長が合い、初対面なのに昔からの友人のように話が弾んで。気がつけば2時間近くが経っていたのです。
まさか、同じ人だなんて
会話の中で、お互いの彼氏の話になりました。「週末に連絡がつかないことが多い」「会えない理由がいつも曖昧で」。彼女の言葉を聞きながら、私の心臓がどくんと鳴りました。あまりにも状況が似すぎている。
恐る恐るスマホの写真を見せ合ったとき、二人とも言葉を失いました。そこに写っていたのは、同じ笑顔の、同じ男性。驚きよりも先に「やっぱり」という気持ちが湧き上がってきたのは、心のどこかで気づいていたからかもしれません。彼女も私も、しばらく黙ったまま。でも不思議と、彼女に対する怒りは生まれませんでした。
そして...
私たちは顔を見合わせ、どちらからともなく静かに頷きました。そして「一緒に決着をつけよう」と、ある作戦を立てたのです。
私が彼に「カフェに来てほしい」とLINEを送ると、彼は「ちょうど暇だった、すぐ行くよ」と二つ返事。30分後、彼は軽い足取りで店に入ってきました。私を見つけて笑顔で近づいてくる彼。でも次の瞬間、その表情が凍りついたのがわかりました。
私の向かいに座っていた彼女が、にっこりと微笑んだのです。「はじめまして、じゃないよね?」
彼の顔がみるみる青ざめていくのを、私たちは静かに見つめていました。しどろもどろに言い訳を始める彼に、何も言う必要はありませんでした。「私たち、もう関わらないから。どうぞお幸せに」。そう告げて席を立つ私たちの背中に、彼が何か叫んでいましたが、振り返ることはありませんでした。
その後、あの日カフェで出会った彼女とは、今でも連絡を取り合う仲。辛い経験だったはずなのに、不思議と後悔はありません。むしろ、彼が私たちを引き合わせてくれたのだと、今では少しだけ感謝しているくらい。傷ついた分だけ、本当に大切にしたい人が誰なのか見えるようになった気がします。
あの出来事から関わるようになった彼女は、恋愛の相談をし合う頼もしい友人。人生って何がきっかけで変わるかわからないものですね。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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