たとえクズでも「悪い人ではない」と思うと別れられない……結婚・出産適齢期の女性の苦悩

たとえクズでも「悪い人ではない」と思うと別れられない……結婚・出産適齢期の女性の苦悩

2025.08.02 11:10

なぜ、私たちはクズとの恋を正当化してしまうのでしょうか。どんなに嫌なヤツ、ダメなヤツと思っていても、誰かに話す時には口をついて「でも、いいところもあって」と擁護してしまうもの。好きになってしまったクズを正当化してつなぎ止めてしまう“クズの沼”にハマり込んで抜け出せなくなるのは、女性の方が多いように感じるのは……果たして気のせいなのでしょうか。

20世紀のフランスの思想家・ボーヴォワールは「人は女に生まれるのではなく、女になるのだ」と語りました。社会全体から女性らしさを求められている女という生き物は、なぜ恋愛で、いつの間にか自分の意思や権利を放棄してしまうのでしょうか。

沼にハマり込んでいる時は、自分が立っている場所が沼だとは気づかないもの。だけど、その状態を長く続けていると、また新しい沼に、今度は両手を突っ込んでしまうこともあるようで……?

■30代で上京、華やかな街に身を投じた弊害とは

今回お話をお伺いしたのは、都内で働く35歳の会社員・真優さん。群馬県で育った真優さんは、30歳を過ぎてから、転職を機に上京しました。

「若い頃は、私は地元で生き、地元で死んでいくのだと思っていました。上京のきっかけは、20代の頃に長く付き合っていた彼氏との別れです。彼氏と別れた時に、家族や友人からもかなり心配されました。結婚願望も子どもが欲しい気持ちもあったけど、それと同じくらい、地元を出ての自立した暮らしにも興味がありました。このまま地元に残っても、周りにいるのは既婚の友人ばかり。新しい出会いもないので、上京することを決意しました」

心機一転、新天地での生活を始めた真優さん。ハローワークで新しいスキルを身につけ、未経験の業界に転職、新しい仕事は肌に合っていて、東京での生活の滑り出しは好調でした。

「地元から東京に出た友人はまだ未婚の子が多かったので、30代前半はかなり楽しかったです。私自身、彼氏がいないフリー状態も久しぶりだったので、週末は飲み歩いてタクシーで朝帰りすることも増えました。友人に勧められて、マッチングアプリにも登録しました。アプリ自体は地元でもやったことがあったのですが、東京は地元とは比べものにならないほどたくさんのイケメンやおしゃれ男子がいて、すっかりマチアプにハマってしまいました」

マッチングアプリでは、数年間で50人以上の男性に会ったという真優さん。北関東とは全く違う出会いを楽しんだ一方で、地元では味わうことのなかった“辛酸”も舐めることになったのだとか。

「最初は、マッチングアプリでの出会いにとてもワクワクしていました。もちろん、時々イメージと違う人に会ってしまうこともあったけど、外見やセンスがいい男性と仲良くなれた時には、シンプルにうれしかったです。だけど恋愛が上手くいったかというと、なかなか。イケメンと出会って、すぐに身体を許してしまうこともありましたが、付き合ってはもらえなかったり、私は付き合っているつもりだったけれど、相手には本命の女性がいたりしたこともありました」

マッチングアプリで出会う男性の中には、真優さんとの関係を“都合のいい遊び相手”と捉える男性もいましたが、その時真優さんは「これも人生経験」と、割り切っていたのだといいます。真優さんは諦めず、真剣交際してくれる男性をマッチングアプリで探し続けました。

■「結婚を先延ばしにする彼氏」は、悪い人ではない?

そして見事、33歳で真剣交際してくれる相手を見つけることができた真優さん。相手の男性は、真優さんが憧れたハイスペサラリーマン。現在は交際から2年が経ち、真優さんは35歳を迎えました。しかし、まだ相手の男性とは同棲もしていません。

「彼氏は仕事が忙しくて、土日もあまり時間を割いてもらえないんです。土日も職場の人との交流や、試験勉強に忙しい彼との時間を作るために、私は週の半分以上、彼氏の家で過ごすようになりました。彼氏もそのことは許してくれていますが、家で1人彼を待つ時間も長く、寂しいです。

それだけでなく、実は数回、彼氏の浮気も発覚しています。だけど2年付き合った今は、彼氏が完璧な人間ではないことを知っているし、私がいてあげないと彼氏は生きていけないのではないかと考えています。浮気は許して付き合い続けてきたので、ここ最近は私から彼氏に結婚の話しを振るようになりました。相手ももう38歳を迎えるので、いい頃合いだと思っているのですが……彼からははっきりとした返事をもらっていませんし、忙しい彼氏のペースに合わせていると、同棲の家探しもなかなか進まない状況です」

そんな折、真優さんは35歳を迎えました。もともとは子どもを持つことを考えていた真優さんは、誕生日以降、大きな不安を感じるようになったのです。

「35歳を迎える前からずっと、焦りはありました。だけど今は、一般的に“高齢出産”だと言われる35歳を過ぎた私を見ても、特に急ごうとはしない彼の態度に不安を感じるようになりました。本当に彼が私と結婚する気や、子どもを持つ気があるのか分からないんです。不安が爆発して感情的にケンカしても、時間が経てばまた彼は、忙しい日常に戻っていってしまいます」

女性関係にだらしない部分がありながらも、彼に都合よく時間を割いてくれる真優さんに甘えて、答えを出すことを先延ばしにしているようにも見える彼氏。真優さんは、周囲の友人からは「彼とは別れた方がいい」と言われることも多いそう。

■たとえグレーな関係になっても……一番怖いのは「35歳で彼氏なし」になること

彼との生活や将来に不安を感じ始めた真優さんですが、なかなか彼との別れを選択できずにいます。

「彼と別れたところで、私が35歳である事実は変わりませんし、この年齢で婚活することにも不安があります。それなら、彼と一緒にいてもいいのでは? と悩んでしまいます。だって、彼にはいいところもたくさんあるんです」

そんな折、真優さんにとある転機が訪れたのです。

「メッセージを送ってきたのは、マッチングアプリを始めたての時に知り合った男性でした。イケメンで仕事も安定していて、当時も付き合いたいとは思っていたのですが、グレーな関係のまま終わってしまったんです。久しぶりに電話することになって話を聞いてみると、相手は長く付き合った本命彼女と上手くいっていないのだそう。関係がマンネリしていて、セックスレスであることを教えてくれました。

その時“じゃあ私、今ならイケるのかな”って思っちゃったんです。当時も、身体の相性はすごくいいと言ってくれていましたし、相手も私を頼ってわざわざ連絡してくれたのだから、何か意味があるのかなと」

お互いに、付き合っている恋人がいる状態。別れてからではダメなのかと聞いてみると……。

「今度彼に久しぶりに会いますが、今すぐに彼氏と決着をつけてからでないと会えないとは思っていません。だけど、彼に会ったら今の気持ちを聞いてみたいし、私としては彼に乗り換えたい気持ちもあります。一番避けたいのは、この年齢でフリーの状態に戻ることなんです。結婚しているわけではないし、こういうグレーな関係があってもいいのではないでしょうか」

年齢や、真優さんに結婚願望があることを考えれば、恋人を失わないで済む状態をキープしたくなる気持ちは分かります。しかし今、彼に会うことで“どっちつかずの状況”になる可能性があることも、真優さんは理解しています。

「身体の相性がいいことを思い出せれば、セックスレスの彼女と別れてくれる可能性もあると、淡い期待を抱いている自分もいますが……また身体だけの関係になってしまう可能性もあります。でも、それならそれでいいんです。彼との関係があれば、私は彼氏との暮らしの寂しさも拭うことができるし。

もしグレーな関係になった時には、彼のことを好きになることはないと思います。一度傷つけられたのは事実なので、次は自分が損をしないような関係になれたらいいなとは思います。そうなれば私も彼氏とは別れないで済むかもしれません。彼氏だって、40歳を前にいつかは結婚を意識しないわけにはいられないはずです。彼氏も彼も、はっきりしないところはあるけど、悪い人ではないです」

しかし結婚まで時間がかかれば、妊娠や出産が困難になってくる可能性もあります。また、真優さんに「彼氏のことが好きだから結婚したいのですか?」と聞いてみると……真優さんは困った顔で「もう、分からないんですよね。ただ結婚がしたいだけなのかも」と答えてくれました。

あなたは真優さんの「愛のカタチ」を、どう考えますか?

(取材・文 久留米あぽろ)

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