お受験は自己満? 子どものため? 韓国に見るお受験事情を解説
受験は、子ども本人だけでなく親にとっても重大なイベントです。特に日本は昔から「学歴社会」といわれるほど学歴が人生を大きく左右するものだと信じられており、実際に一定の学歴がないと就けない職もあります。しかし、お受験は本当に子どものためになるものなのでしょうか?今回は、韓国の実態を参考に、受験の捉え方について考察します。
韓国のお受験事情
日本以上のお受験大国である韓国。
韓国では激しい受験戦争を比喩するように「塾通い地獄」という言葉が生まれ、受験のレベルが年々高まっています。
受験戦争が激化する中、大学入試の超難問である「キラー問題」なるものまで誕生し、これらを排除するために韓国政府が介入する事態に。
実は韓国には「一度失敗したら終わり」という社会風潮があり、受験で失敗した子は敗北者の看板を一生背負って生きていかなければならない
──と言うと大げさに聞こえるかもしれませんが、実際に失敗が許されない社会風潮があるといいます。
実際、2017年の韓国日報によると、韓国ではすべての年齢層における自死率が低下しています。
しかし、10代の自死率だけが大幅に上昇するという異常事態が報告されており、政府の対策が急がれる厳しい現状があらわに。
なぜ10代の自死率だけが大幅に上昇しているのか?
答えは明白で、受験戦争で生き残るために、それこそ兵隊のように毎日勉強勉強勉強勉強勉強…… の繰り返しで病んでしまうためです。
失敗を許さない韓国の社会体質が影響しているのも容易に想像でき、厳しすぎる社会に生きにくさを感じた韓国の人々は、次から次へと国籍を捨てて外国へ移民しているのだとか。
祖国を捨てる韓国の人々の中には、自分が生まれ育った国を「地獄」と表現する人も。
さて、韓国の厳しい受験戦争や、子どもたちの自殺については、ずいぶんと前から問題視されていました。
韓国統計庁によると、OECD(経済協力開発機構)加盟国38カ国のうち、自殺率がもっとも高い国は韓国という結果に。
2020年代の若者の自死率は、2010年代の3倍にも達するという結果報告もあります。
子どもの未来を作るどころか、過度な受験対策は子どもの命を奪ってしまう可能性があることを示唆する結果となりました。
参考文献:現代ビジネス「韓国のスヌン「受験戦争」の地獄…「競争の無限ループ」がなくならないワケ」
受験の必要性とは
お受験は果たして本当に子どものためになるのか、それともならないのか。明白な答えを出すのは困難です。
なぜなら、受験の是非はYesかNoで決められるものではなく、バランスが大切だからです。
たとえば韓国のように、お受験という呪いで子どもの自由を拘束するのは、子どものQOLを下げるばかりか、自死を選択させるほど追いつめてしまう可能性が高い罪深い行為です。
一方、受験をしなければ就けない職を夢見ていたり、目標としていたりする子に、お受験は避けられない道でもあります。
「受験をしなければ就けない職」には、たとえば医師や士業、教師や大学教授、研究職、国家公務員、建築士や薬剤師などが挙げられます。
つまり、受験そのものが問題なのではなく、受験にのぞむ子に対する「親の態度」や「親の方針」に問題の根っこがあるのです。
失敗を許さない親が作る地獄
失敗が許されない韓国では、受験のプレッシャーやストレスから自死を選択する10代が増加しています。
「地獄」とさえ形容される韓国社会を作っているのは、紛れもなく「受験の失敗を許さない社会の体質」にあり、そんな社会に属する親たちの厳しい指導にあります。
そんな韓国社会をロールするかのように、我が子の受験での失敗は許すまじと厳しく管理し、受験勉強という呪いをかける親は、まさに「地獄」を作る韓国社会そのもの。
愛する我が子のためにという親心が、いつしか子の寿命を縮めてしまう原因になるかもしれないことを早めに自覚しておかないと、取り返しのつかない結果を招いてしまうかもしれません。
子どもの受験と向き合う親の心得
専門職に就いている筆者の何人かの友人は、実は勉強があまり好きではありません。
ある人は「子どもの頃から勉強が嫌いだったけど、好きなことに関する勉強はいつも楽しかった」と言い、ある人は「中学卒業までは勉強が好きだったけど、その後の親の厳しい指導がトラウマとなり挫折した」と言う人も。
さて、受験で子どものQOLを低下させないために、親はいくつかの注意点を意識しなければなりません。
一つは「子どもの意思を尊重する」ことです。
やりたくもない勉強を無理やりやらせるのは、それこそ地獄を生む親そのもの。受験にどれだけの温度感でのぞむか、あるいはのぞまないかは、親でなく当事者である子ども自身に委ねましょう。
次に挙げられるのが「過度な期待やプレッシャーを押し付けない」ことです。
親であればこそ、我が子には受験で成功して幸せな道を歩んでほしいと願うもの。
しかし、その期待が暴走してしまうと、親の期待に沿う行動を我が子に強く求めるようになり、プレッシャーを与える結果に。
失敗もまた人生です。何より失敗は、成功では得られない多くの学びを与えてくれます。
失敗に寛容になり、むしろピンチをチャンスと捉えられるような柔軟な思考で、地獄と形容されるような環境を作らないことが大切です。
最後に挙げられるのが「公私のバランスを大切にする」ことです。
睡眠時間を削ってまで勉強してもモチベーションが下がる一方ですし、むしろしっかり睡眠をとった方が、勉強した内容が脳に保存されやすいことが研究により明らかになっています。
大人も、一日中ぶっ続けで働いてもパフォーマンスが落ちますよね。
勉強するときは勉強する、休むときは休む、遊ぶときは遊ぶといった具合に、生活をバランス良く管理することで、パフォーマンスを向上させやすくなります。
何より、本人の負担やストレスが軽減され、勉強そのものにポジティブな印象を持ちやすくなります。
受験だけに限らず、人生の課題に取り組む際にもっとも大切なのが、この「ポジティブな感情」です。
少しでも勉強ができるようになって欲しい──という気持ちから、子どもにはできるだけ多くの時間を勉強に割いてもらいたくなる気持ちはわかります。
しかし、子どもに対するその要求は、実際には子どものモチベーションを下げるだけでなく、パフォーマンスをも下げてしまう悪手なのです。
親の欲や期待は二の次に、まずは子どもの意思や気持ちを尊重してあげましょう。
受験は親と子どもが共に向き合うべき課題
韓国のお受験事情を参考にすると、受験が子どもに与える影響は単に学歴や将来の職業選択に留まらず、心理的な負担や社会的なプレッシャーにまで及ぶことがわかります。
特に、失敗を許さない厳しい親の態度や社会の風潮が、子どもたちに大きな負担を強いている現実は無視できません。
受験そのものが問題ではなく、受験に対する親の接し方や態度が子どものQOLを左右するのです。
子どもの意思を尊重し、過度な期待やプレッシャーを与えず、公私のバランスを大切にすることが、受験をポジティブな体験に変える鍵です。
親が子どもと対話を重ね、失敗にも寛容な環境を作ることで、受験は単なる試練ではなく、自己成長や目標達成に向けた一つのステップとなるでしょう。
子どもの未来を形作るために、子どもの声に耳を傾ける姿勢を忘れずにいたいですね。
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