

あなたがセフレになってしまう原因と対処法【ひとみしょうの余談ですみません】
マッチングアプリで出会おうと、職場で出会おうと、気づいたら「わたし彼からセフレの扱いを受けてる?」と思う人がいます。
その場合、「彼にちゃんと愛されたい」と葛藤しつつも、ずるずるとセフレの関係を続けてしまう人もいますね?彼もいつまでもセフレをキープしようとして「もう会うのを止めよう」と言わない……。
今回はセフレについて、みなさんと一緒に見ていきたいと思います。
淋しいからセフレを求める
セフレとは、淋しさが求めるものです。
あなたの心の中の淋しさがセフレを求めているのです。
相手の男も同じです。どんなに元気で明るい男であっても、じつは淋しいので、セフレを求めるのです。
あなたの乙女心が、セフレから「本命」に昇格できないだろうと思って哀しみに暮れても、なかなかセフレの彼との関係を断ち切ることができないのも、あなたが淋しいからです。
あなたは淋しいから「セフレでもまあいっか。セックスの相手をキープしておかないと気が狂いそうになるし」と思うのです。
相手の男も同じです。キープしている存在を持っているのと持っていないのとでは、淋しさに対する耐性が違ってくるのです。
誤解しないでいただきたいのは、セフレの関係を求める男は、女性を「モノ扱い」しているわけではないということです。
彼はあなた同様、「自分の」淋しさを消してくれる相手に対して感謝しています。
ただ、それは「自分の」淋しさを消す目的であって、自分のことをさておきあなたという女性に尽くしたいとか、女性のことを第一に考えるとか、そういうことではないので、女性から見たら、彼は欲望のためだけにわたしと会っているのでは?と思えるのです。
淋しさとはなにか?
淋しいからセックスする。淋しいからセフレをキープしておく。この場合の淋しさとはいったい何でしょうか?
キルケゴールという哲学者は「自分に絶望していること」と言います。
簡単に言い換えるなら、「この自分」を逃れて「理想の自分」になりたいと思う気持ちのこと。これをキルケゴールは絶望と呼びました。
人は自分を生きるしかありません。自分の外に逃れることはできません。自分が嫌で嫌でしかたないから別の自分になりたいと思っても、「この」自分を逃れることができない。その「できなさ」に苦しんでいる人もおられると思いますが、その苦しさが端的に絶望であり、なんか淋しいからセフレでもつくって定期的に淋しさを埋めてもらいたいという気持ちを生んでいるのです。
セフレと別れる方法
したがって、セフレという座を降りたいとか、セフレなどという言葉と無縁に暮らしたいと思えば、自分の絶望をどうにかするだけで可能です。
絶望している人は、絶望していない自立した人のことが苦手なので、やがて去ってゆくのです。
では、自分に絶望している状態を卒業しようと思えば、どうすればいいのでしょうか?
答えはいくつもありますが、ひとつには、自分の弱さを表に出すことです。
弱い自分を世間から隠したいと思うから、夜の暗がりにまぎれてコソコソとセフレに会ってしまうのです。あげくの果てに「事故る」のです。
弱さを表に出せる人は強い人です。
「わたし、なんか淋しくってさあ……」こんなことを言うと「淋しい子」と思われて恥ずかしい?
たしかに恥ずかしいかもしれませんね。
でも、実際には恥ずかしくもなんともありません。むしろ「すごい人」と言われます。
誰もが淋しさをひたすら隠して「まともなふり」をし、生き苦しい思いをしながら生きているなかで、「わたし淋しいんだよね」とさらっと言える人は、かっこいいのです。「強い」人なのです。
※参考 ひとみしょう『自分を愛する方法』玄文社(2020)
(ひとみしょう/作家・キルケゴール協会会員)
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