映画「宝島」那覇中学校特別交流会より

妻夫木聡&広瀬すずら中学生に“平和と未来”へ思いを熱論「子供たちの素直な言葉に勇気をもらった」<宝島>

2025.06.08 19:40
映画「宝島」那覇中学校特別交流会より

妻夫木聡が主演を務め、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太らが出演する映画「宝島」が、9月19日(金)の全国公開に向けて6月7日から全国キャラバンを沖縄でスタート。翌8日は、妻夫木、広瀬、大友啓史監督が那覇市立那覇中学校を訪れて「宝島」特別交流会を実施し、映画の感想や未来に向けての大切な思いを生徒たちと語り合った。

妻夫木聡、サプライズ登場することを忘れて生徒に「明日ねー」

交流会では、事前に映画を鑑賞した生徒たちが妻夫木、広瀬、大友監督らに直接質問する「質問コーナー」や、キャストから生徒たちに質問するなど、温かく時に熱い思いを交わす時間に。

テレビの取材と聞いて集まった生徒たちは、妻夫木らがサプライズで登場すると驚きを隠せず、思わず声を上げる。生徒たちと話すことを楽しみにしていた妻夫木、広瀬、大友監督も、生徒たちを前に笑顔を見せた。

まずは、「映画を見た人、手をあげてください」という問いかけに、昨日のプレミア試写に招待された約20人が挙手。さらに、「映画が面白かった人は?」という問いには、鑑賞した生徒全員が力強く手を上げ、それを見た3人はうれしそうな表情で互い顔を見合わせた。

そんな中、妻夫木は「今日サプライズってことをすっかり忘れてて、昨日のプレミア会場で名刺を渡した際に、那覇中の生徒だと分かったから『明日ねー』と言ってしまった」と冒頭から謝罪して、場を和ませた。

歴史的事実を映画で見た生徒たちは…

次第に緊張も解け、交流会を楽しんでいる様子の生徒たちは、両親や祖父母から聞いていたアメリカ統治下への思いや、映画を見るまで知らなかった戦果アギヤーという存在について語る。話だけでしか聞いてなかった歴史的事実が映画になることで、極限状態の中でそうせざるを得なかった理不尽な思いや感情まで受け取れ、ただの事件ではなく日本にとっても大きな事件であること。また、今の恵まれた立場からそういうことを知ることの大切さ、伝えることの重要さについて語る生徒たちの姿に、登壇者は皆感心を通り越した尊敬と驚きのまなざしで、生徒たちが堂々と答える姿を温かい目で見つめながら交流会は進行した。

妻夫木は、生徒たちへ「知らない時代を描いた作品だが、時代の変化をどう感じましたか? 自分たちの未来がどうあるべきか?」という質問を投げかける。それに対し、生徒から「自分たちは生まれた時から当たり前に米軍基地があって、映画の中では当たり前ではなく、米軍に反発していたことを知り、戦争の憎しみとか悲しみが風化しつつあることを知り、これからの未来を作る若い世代がこういうことを知り、映画を見て実際にどんなことがあったかを知り、これからどうするべきかを考えることが大事だと思う」と回答が出ると、3人が顔を見合わせて頷き合う一幕も。

また、東京から移住してきたという生徒は「引っ越してきて沖縄の人たちの熱い思いに触れていたが、その理由がこういう背景があったからだと知ることができ、こういう先人たちの大切な思いをどうやって次につないでいくかも考えていかなければいけない」と、しっかりと思いを語った。

広瀬すずに演技についての質問も

さらに、生徒たちから登壇した3人への質問も。「沖縄の忘れてはいけない大切な物語はなんだと思いますか?」という質問に対し、大友監督は「ちゅらさん」から長く沖縄のことを考えてきた話や、一人一人価値観が違うことを語り、「映画としてメッセージを押し付けるようなことはしたくないと思った。『宝の島』の、この宝は何なのか?ということを皆さんの言葉で考えてもらいたいと思って作った」「この時代の人たちが、何を大切にしてきたのかを知ることは、何か参考になると思ったし、考えるきっかけになったら良いと思った。一人一人の宝が何なのか?を考えるきっかけになったら良いな」など、どういう思いで本作を作ったかを明かした。

続いて「演技力について、どうやってそこまで入り込める演技ができるのか?」と質問された広瀬は、「こんな大先輩の前で語ることは難しい」と恥かしそうに妻夫木を振り返りながらも、「役を演じるにあたり知らなかったことが多く、これが受け継がれていくために、映画というコンテンツを使って伝えていきたいと思いながら演じた。そして、また、その中で自分の中で生まれたものを大切に演じた」と、真摯に答えた。

続いて「さまざまな方言が出てきますが、難しかった言葉、残したいなと思った言葉は?」という質問に、妻夫木は感情を入れていくとアクセントが変わってしまうことがある難しさを語り、一番心に響いたせりふは「打ち返したら戦争じゃあらに」という永山瑛太が演じたオンのせりふを挙げ、「じゃあどうすれば良い?というのは分からないけど、これを考えるのが日本の未来につながるのではないか」と熱く語った。

妻夫木「“過去を描くことが未来への問いかけになる”と思って作ってきた」

最後のあいさつで、広瀬は「皆さんのすてきな言葉と真っすぐな目で見た作品の感想や、疑問を生の声で聞けたことに、今までの苦労が報われたこと」と感謝。

妻夫木は、「地元の子供たちと議論できるのがすごく楽しいし、素直な気持ちに触れて本当にうれしかった。“過去を描くことが未来への問いかけになる”と思って作ってきた。そして、死は終わりではなく、先人たちの思いは胸に刻まれている。僕たちはその思いを受けて精いっぱい生きていかなくてはいけないし、これからどう生きるべきなのか、お互いに手と手を取り合って考えていくきっかけになるような映画になったらうれしい」と、熱い思いを改めて伝えた。

最後に大友監督は「アメリカの統治された時代の物語だが、その時代を生きた人がどういうことを考え生きたのか?を調べて感じたことを伝えようと思って作った。この作品を見て、いろんなことを感じて、もしこの思いを伝えたいと思ってくれたなら、ぜひ広めてほしい。この作品に込めたメッセージを沖縄にとどまらず、日本全国、そして世界へ届けたいと語り、今日の子供たちの言葉に勇気づけられた」と感謝の言葉を送った。

最後に、参加した生徒全員と並んで記念撮影をし特別交流会は終了したが、前日に続き、この日も“宣伝アンバサダー”妻夫木による名刺配布会を急きょ実施。名刺を渡し握手を交わすなどして、さらに生徒たちからエネルギーを受け取った様子の妻夫木は、生徒たちとハグも交わすなど名残惜しそうに最後まで、熱い交流を交わしていた。

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