映画「プレデター」はディズニープラスのスターで配信中

公開から38年…若かりし頃の“シュワちゃん”が主演「プレデター」語り継ぎたいシリーズの“原点にして頂点” 最新作では初のアニメ化

2025.06.07 11:10
映画「プレデター」はディズニープラスのスターで配信中

高度な科学技術を駆使した武器を持つ、宇宙で最も危険な戦士・プレデターと人類の攻防を描く「プレデター」シリーズ。1987年に公開された第1作から数えて38年の間、クロスオーバー作品も含め7作品が製作され、世界中でカルト的人気を誇っている。第1作では、「ターミネーター」(1984年)や「コマンドー」(1985年)、「ゴリラ」(1986年)などで既にアクション俳優として人気を博していたアーノルド・シュワルツェネッガーが主演を務めた。そして6月6日から8作目としてシリーズ初のアニメーション作品となる新作「プレデター:最凶頂上決戦」が配信開始されたということで、シリーズの原点「プレデター」を独自のレビューで紹介する。(以下、ネタバレを含みます)

“シュワちゃん”演じるダッチらが見えない敵と戦う

「プレデター」という文字を目にするだけで人類の勇敢さ、団結力、熱気のほとばしりを瞬時に思い浮かべるファンもいるはずだ。英単語のプレデター(predator)は、「捕食者」「天敵」といった意味を持つ。映画の中では「高度な科学技術を駆使した武器を持つ危険な地球外生命体」のことを示す。こんな面倒なものがわざわざ地球におりてきて迷惑をかけるのは本当に困ってしまうが、攻防自体は手に汗を握らせる、実にエキサイティングなものだ。

そんな「プレデター」シリーズの第1弾にあたるSFアクション映画「プレデター」は、「ノーマッズ」(1986年)で監督デビューしたばかりのジョン・マクティアナン監督がメガホンをとり、日本でも知名度の高いシュワルツェネッガーが主演を務めた。のちのカリフォルニア州知事が、役者として頂点を極めようとしていた時期の精悍な姿を目にすることができる。

舞台は、中央アメリカの「架空の国」バル・ベルデ共和国にあるジャングル。アラン・ダッチ・シェイファー少佐(シュワルツェネッガー)率いる特殊コマンド部隊は、ゲリラに捕まった政府の要人を救出するという目的の下に集まった。5人の男を招集したのは、ダッチの旧友で今はCIAで働くディロン(カール・ウェザース)。

物語の開始からさほど間を置かないうちに、ダッチとディロンの間で齟齬が生じる。その理由については、第1弾の核に相当すると思うのであえて割愛するが、ディロンは目的完遂のために、そして「最強のメンバー」を集めるためにウソまでつく必要があった。だがダッチ目線では、これから大事に取り組もうというときにいきなりウソかよ、という気分ではあったろう。

彼らはゲリラ戦の生き残りであるアンナ(エルピディア・カリロ)を捕らえ、道案内役として「活用」する。いきなり現れた大男たちと即座に打ち解けられるわけなど当然ながらないのだが、この女性ゲリラはまた、プレデターの第一発見者であった。ここに彼女と男たちは「プレデターと戦う」目的を共有することになる。四肢と一対の目を持ち、身長も人間と変わらないとはいえ、何を仕掛けてくるのかは予想がつかない。

だがこの謎の生物には「武器を持たない者は殺さない(=武器を持つ奴は殺す)」という、凶暴なんだか優しいんだかよく分からない習性があった。加えて、光学迷彩を駆使して姿をくらますことができ、プラズマキャノンを駆使して人間にダメージを与えることができる。

サーモグラフィーもスリリング!

映画の随所に飛び出す「サーモグラフィー」の図も、すこぶるスリリングだ。ちょっと調べたところ、1950年代の大昔から軍事分野では赤外線サーモグラフィーが使われていたようだが、映画でここまでガッツリ、サーモグラフィーがフィーチャーされたことはかつてなかったのではないか。ジャングルなのにサーモグラフィー、そのあたりの対比もこの映画の新鮮さ、近未来的印象につながっている――そう私には感じられたし、とにかくこれから先の未来まで語り継ぎたい作品だ。

その証拠に、公開から35年たった今でもSNSやレビューサイトなどには「シリーズ化される名作というのがよく分かるくらい面白い」「なんかもう途中からクセになってきた…笑」「未知の敵への緊張感溢れる間の使い方たまんねえ!」「シリーズの原点にして頂点」といった声が寄せられているところからも明らかだ。

シリーズは以後、「プレデター2」(1990年)、「プレデターズ」(2010年)という続編、クロスオーバー作品に位置づけられる「エイリアンVS.プレデター」(2004年)や「AVP2 エイリアンズVS.プレデター」(2007年)と広がり、2018年には1987年版に役者として登場していたシェーン・ブラック監督作品「ザ・プレデター」が公開され、2022年にはネイティブ・アメリカン最強部族の女性ナル(アンバー・ミッドサンダー)が登場する「プレデター:ザ・プレイ」が配信された。

そして6月6日からは「プレデター:最凶頂上決戦」というシリーズ初のアニメーション映画が、前述の「プレデター:ザ・プレイ」と同様にディズニープラスのスターで独占配信。過去の「実写もの」とは一味も二味も異なる、だが変わらない興奮を届けてくれるはずだ。しかもこれまで明かされることのなかった、時代と国を跨ぐプレデターと人類の戦いが描かれているという。

それだけでもわくわくする気持ちを抑えきれなくなるのは皆さんも同じかと思うが、前のめりの姿勢で見ようとする前に、「すでに明かされている事柄」を旧作でたっぷりと振り返りつつ、新作アニメで「これまで明かされることのなかった」部分に踏み込んでいくのもまた、いい映画鑑賞の一つの道といえるかもしれない。

さらに2025年11月7日(金)には、シリーズ史上初めてプレデターを敵ではなく主人公として描く最新章「プレデター:バッドランド」の劇場公開も決まっている。まさに“プレデターは永久に不滅”だ。

◆文=原田和典

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