映画「宝島」完成報告会見に出席した妻夫木聡

妻夫木聡、旧知の永山瑛太に全幅の信頼「彼がいるっていうだけですごく心強い」

2025.05.05 20:19
映画「宝島」完成報告会見に出席した妻夫木聡

俳優の妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝が、5月5日に都内で開催された映画「宝島」完成報告会見に出席。メガホンをとった大友啓史監督と共に作品への思いや、会見に参加できなかった主要キャストの一人である永山瑛太について語った。

“沖縄がアメリカだった時代”を描く

同作は、戦後の沖縄を舞台に、史実に記されない真実を描き切った真藤順丈の同名小説を実写映画化。日本に見捨てられ、アメリカに支配された島・沖縄。全てが失われ、混沌とした時代を全力で駆け抜けた、“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちの姿を、圧倒的熱量と壮大なスケールで描く。

全てをアメリカに支配されていた戦後の沖縄には、米軍基地から物資を奪い、困窮する住民らに分け与える“戦果アギヤー”となり、自由に生きることを模索していた若者たちがいた。主人公・グスク(妻夫木)、幼なじみのヤマコ(広瀬)、レイ(窪田)、そして英雄的存在であるリーダーのオン(永山)は、いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見ていたが、ある襲撃の夜、オンがこつぜんと姿を消してしまう――。

今作は企画から完成まで6年、二度の撮影延期を経て、沖縄本土復帰から53年、戦後80年という節目の2025年に公開を迎えることになった。それもあり、主演の妻夫木は「二度流れてしまい、ようやく三度目の正直ということでこうやって完成することができました。完成報告会見を迎えることが感慨深いです」としみじみ。

妻夫木は完成を迎え、一足先に映像を見た感想を「この作品が持つ圧倒的な生命力を感じました。シンプルに見終わった後、生きていかないといけないなと心の底から思いました」と明かし、「“死”というものに対して僕自身、もともと終わりを意味するものと思っていたけど、死があるからこそ生がある。死が生きとしものの糧になるものなのかなと。受け継がれていく何かを僕たちは持っていて、それに支えられて僕たちは生きているんじゃないか、だからこそ精いっぱい生きていかなくちゃいけない、という思いがわき上がりましたね」と力を込めた。

一方、広瀬は演じるヤマコ役のオファーを受けたときのことを「ヤマコは本当に太陽のような存在で、食らいついて生き抜いているやるぞ!という。すごくまぶしくて、この覚悟を自分ができたらいいなととても素直に思いました」と回顧し、「難しくて、すごく苦しかったし、すごく濃厚な毎日を過ごしていく中でどんどんいろんな感情に出合えて、楽しいと言ったらあれですけど、お芝居というものに対してなかなか出合えなかった“エネルギッシュな感覚”がこの現場で体験できたシーンもあって、面白く、楽しく、苦しみもがきながら演じさせてもらえたことは、とてもうれしい経験だったなと思います」と撮影を振り返った。

永山からビデオメッセージが到着

そんな中、完成報告会見には出られなかった永山からビデオメッセージが到着。妻夫木と永山といえば「オレンジデイズ」(2004年、TBS系)をはじめさまざまな作品で共演し、同じ誕生日(12月13日)ということもあって毎年SNSなどでも誕生日を祝い合う旧知の仲だ。

あらためて永山について聞かれると、妻夫木は「本当に長い付き合いで、お互い20歳くらいのときから何回共演したんだろうという間柄」とした上で、「彼がいるっていうだけで僕にとってはすごく心強いし、今回オンちゃんを演じてくれるとなったとき、それだけで僕の中ではっきりとオンちゃんを追い掛けることができるだろうなっていう自信があったんです。実際、瑛太くんが本当に魅力的なオンちゃんを演じてくれたおかげで、僕はオンちゃんの影を追ってずっとそれを希望にして、支えにして、生きる意味としてグスクという役を演じてきたので、本当に感謝していますし、彼に助けられました」と、全幅の信頼を寄せていることを伝えた。

また、永山演じるオンの弟・レイ役の窪田は「本当に瑛太さんじゃなきゃできなかった偉大なるオンちゃんだと思うし、沖縄で本当に誰よりも大きい背中で、誰よりも自由に、誰よりも風のように駆け抜けているあの姿は今でもずっと残っています」と、強烈な存在感を放っていたことを明かした。

なお、主演の妻夫木は“宝島宣伝アンバサダー”に就任。9月19日(金)の全国公開へ向けて全国キャラバンに赴き、作品をアピールすることも決定した。

◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT)

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