

出演者も“泣きすぎ注意”が課題になった映画「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」ヒットメイカーの集大成が大反響を呼んだワケ

2024年3月に放送作家・脚本家を引退した鈴木おさむが原作・脚本を手がける「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」。同名朗読劇として2019年に初演して以降何度も再演されている本作が、初実写映画として2月21日から公開中だ。主演に八木勇征、共演に井上祐貴、櫻井海音、椿泰我(IMP.)と豪華なメンバーが顔をそろえた同作。青春の熱量、人生の重要な選択、小さな村という舞台ならではの深く濃い友情…大きな反響を呼んでいる映画の魅力を深掘りする。
原作からキャストまで豪華メンバーが連なる
「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」の原作・脚本を手掛けたのは、「ハンサム★スーツ」「ONE PIECE FILM Z」「めちゃ×2イケてるッ!」など多くのヒット番組を生み出した鈴木おさむ。「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」は鈴木が2024年3月31日をもって放送作家・脚本業を引退する1か月前まで脚本を書いていた作品だ。
もともとは朗読劇として立ち上がり、この度ついに映画化。鈴木が“辞める前にどうしてもこの作品を作りたかった”と語る本作だけに、キャスト陣にも最旬のメンバーがそろい踏みとなっている。
主演には「美しい彼」で話題となり、「南くんが恋人!?」や「矢野くんの普通の日々」などで活躍するFANTASTICS from EXILE TRIBEの八木勇征。八木が扮するアキトは、ピアノが好きで音楽大学への進学を目指している。
しかしミュージシャンを目指して挫折した経験を持つ父親からは反対を受け、さらに地元から離れた大学へ行くことで仲間と離れ離れになってしまう状況にも葛藤。仲間を大事に想う繊細な心と、夢に向かって歩む“熱”を見事に表現した。
さらに共演には「ウルトラマンタイガ」でドラマ初主演を果たし、連続テレビ小説「虎に翼」で注目を浴びている井上裕貴。さらに実写映画「【推しの子】」で主人公アクア役を好演した櫻井海音や、同じく漫画原作の実写化ドラマ「レッドブルー」に出演したIMP.の椿泰我も名を連ねる。
特に注目したいのは、鈴木が実写化決定前から「アキトのイメージは八木勇征」と語っていた八木の演技。八木が映画情報メディアのインタビューに応えた際も鈴木の言葉を振り返り、「とても胸が熱くなりました。感謝と同時に絶対に責任を果たしたいという思いでした」と同役に並々ならぬ情熱を注いだことを明かしていた。
八木はアキトという人物を深掘りしていくなかで、「役作りをしすぎない」ことを決めたという。純朴でまっすぐなアキトのキャラクターを大事にするため、「その場で感じたこと、向けられたお芝居を受け取ることに心を向ける」と決めたことをインタビューで語っている。
そうした静かな熱は映像にもしっかり表れており、アキトの魂から発するような言葉は観客の胸に突き刺さったようだ。
観客だけでなくキャストたちにも“泣きすぎ”の注意が飛ぶ
本作はタイトルにもあるとおり、“人生で一度だけ使える魔法”をテーマに描かれる青春物語。とある小さな村に住む少年たちは、ある日「一度だけ魔法を使える」ということを教わる。もちろん最初は冗談に違いないと笑う4人だったが、父親たちもかつて魔法を使ったと聞いて真剣に悩みだす。
魔法を使えるのは18歳から20歳までの2年間、そして命に関わることは禁止されている。高校卒業を間近に控えた18歳の少年たち。大人と子どものちょうど中間に位置する彼らがどんな魔法を、何に使うのか…その選択が人生を動かすことになる。
同作のストーリーには観賞客から多くの反響が集まっており、各所のレビューで「大泣きした」「映画館で初めて泣いた」といった声が見られた。鈴木といえば緩急豊かな脚本で知られているが、本作では特に学生らしい楽しげな時間と“大きな選択”に葛藤する姿の落差が大きい。
彼らが魔法で願いが叶えられると知って悩むのは、「夢」の存在だ。それは魔法を使って叶えていい夢なのか、“叶わないかもしれない”で終わらせていい夢なのか…。夢を追う道の真ん中に立つ18歳という年齢だからこその視点で、かつ小さな村で一緒に育ってきたという関係性だから出てくる言葉で、4人は大きな壁と向き合うことになる。
命にかかわることには使えないという制約、夢を叶える過程。それぞれに悩みもがき、ときには友人たちとぶつかりながら、4人は前に進んでいく。
そうした真剣なシーンを引き立てるのが、鈴木が得意としている明るい日常のひと幕だ。わかりやすいのは特別映像として公式サイトで公開されている「魔法会議」のカット。実はアドリブが多いという同シーンだけに、ごく自然な会話は長いときを過ごしてきた4人の絆と関係性を感じさせてくれる。楽しく、朗らかに、そして学生らしい彼らが直面する選択の岐路…その緩急は観客だけでなく、キャストたちも“泣きすぎ注意”を意識せねばならないほどだったそうだ。
映画制作に関するインタビューのなかで八木が漏らしたのは、ハルヒを演じる井上と「泣くのを我慢するのが結構大変」「泣きすぎ注意だね」という課題を共有したという。感情を入れると泣きたいシーンが多いものの、あまりに泣きすぎていると観客も疲れてしまう。そこであえてセーブしようと意識して、感情を入れ過ぎないシーンを作ったと明かしていた。
プロであるキャストたちも泣くのを我慢していたという同作だけに、各所で寄せられるコメントも大げさではないように思える。ヒットメイカー・鈴木おさむの集大成とも言うべき映画「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」。脚本家としては引退した鈴木の作品だけに、映画館で味わえるうちに楽しみたいものだ。
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