映画「Broken Rage」で監督・脚本・主演を務める北野武が“笑い”について明かした

北野武「コメディーは、やけくそになって笑うしかないもの」…“笑い”について明かす＜Broken Rage＞

2025.02.18 18:49

北野武が監督・脚本・主演を務めるAmazon Original映画「Broken Rage」がPrime Videoにて、2月14日より世界独占配信中である。コメディアンであり、映画監督でもある北野が“笑い”とは何か、について明かした。

クライムアクション×コメディの二面性

本作は、北野が監督・脚本・主演を務め、「暴力映画における笑い」をテーマに制作した作品で、日本の配信映画として初めてベネチア国際映画祭に正式出品された。

約60分の映画を前半と後半のパートに分けて、前半は警察とヤクザの間で板挟みになった殺し屋・ねずみ(北野)が生き残りをかけて奮闘する骨太なクライムアクションを描き、後半は前半と同じ物語をセルフパロディーという手法を使ってコメディータッチで描かれている。

北野武「コメディーは、やけくそになって笑うしかないもの」

北野は1980年代の漫才ブームを牽引し、コメディアンとなった。その後、映画監督デビュー。今では世界的に評価される監督となった。唯一無二のキャリアを築いた自身の人生を振り返り、「父親が塗装業だったことと家が貧しかったこと、兄貴が優秀だったことは、自分のキャリアにおいてはかなり影響があったと思う。生まれた場所の環境とか、いろいろ考えると自分にとってはなぜかいいように作用したんだと思う」と語っている。

そんな北野は“笑い”について、「自分にとってコメディーっていうのは、やけくそになって笑うしかないもの。今の日本に住んでいると悲しい部分や抑圧された部分がかなりあって、それを吹っ飛ばすために笑っちまうんだ」と明かしている。

緊張感のあるシーンの中で突然ギャグが織り込まれるなど、“笑い”が共存するのはキタノ映画の特徴のひとつでもあるが、「お酒とかいろんな方法でマイナスな気持ちを取り去ろうとするけど、その方法のうちのひとつに映画の中のお笑いもあるような感じがしている」と、キタノ映画に“笑い”が盛り込まれている理由を語る。

本作について北野は、「まず自分で基本の映画を撮っといて、そこからパロディーを見せる。これはパロディーの新しい考え方。だから、ものすごい実験映画だと思ってる」と話している。