映画「ウィキッドふたりの魔女」日本語吹替版キャスト会見に登壇した高畑充希、清水美依紗、海宝直人、田村芽実、入野自由、kemio、塩田朋子

高畑充希、清水美依紗がルームメイトになったら「急に電池が切れてボーっとし始めることが…」＜ウィキッドふたりの魔女＞

2025.02.04 11:22

3月7日(金)より公開される映画「ウィキッドふたりの魔女」の日本語吹替版キャスト会見が2月3日、東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われ、高畑充希、清水美依紗、海宝直人、田村芽実、入野自由、kemio、塩田朋子が登壇。吹き替え製作時の秘話や作品の魅力などについてトークを繰り広げた。

歴代最高の全世界興収を記録した「ウィキッドふたりの魔女」

全世界で6500万人以上の観客を魅了し、100以上の演劇賞や音楽賞を受賞、不朽のミュージカルとして20年以上愛され続けている「ウィキッド」が映画化。主演はシンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、監督は「クレイジー・リッチ！」(2018年、アメリカ)、「イン・ザ・ハイツ」(2021年、アメリカ)のジョン・M・チュウが務めている。

全米では興行収入約700億円以上の大ヒット、ブロードウェイミュージカルの映画化作品としては歴代最高の全世界興収を記録した本作。1月23日にノミネート発表された第97回アカデミー賞では作品賞、主演女優賞、助演女優賞など、主要部門を含む計10部門にノミネートされ、大きな話題を呼んでいる。

日本語吹替版では、後の“悪い魔女”エルファバ(エリヴォ)役を高畑、後の“善い魔女”グリンダ(グランデ)役を清水が担当。

さらに、ウィンキー国の王子・フィエロ(ジョナサン・ベイリー)を海宝、自立を望むエルファバの妹・ネッサローズ(マリッサ・ボーディ)を田村、ひそかにグリンダに思いを寄せる素朴な学生・ボック(イーサン・スレイター)を入野、グリンダの友人でゴシップ好きの皮肉屋・ファニー(ボーウェン・ヤン)をkemio、シズ大学の魔法学の権威、マダム・モリブル(ミシェル・ヨー)を塩田が演じている。

それぞれ「ウィキッド」への思いを明かす

この日、キャスト陣は自身が演じるキャラクターをイメージした華やかな衣装で登場。高畑は「今日はお集りいただき、ありがとうございます。私自身も映画製作の情報を知ったときから楽しみで、作品のファンとしていつ日本に来るのかワクワクしていたので、ついに日本公開が始まるんだなとうれしい気持ちです。今日はよろしくお願いします」とあいさつ。

清水は「公開を楽しみに待っていたら、まさか自分が吹き替えを担当することになって、驚きでいっぱいです。今日は本作の魅力を皆さんに、たくさんお伝えできたらいいなと思っております」と話す。

高畑は、エルファバを演じた感想を聞かれ「感動でした。まさか自分がエルファバを声で演じられる日が来るとは、数年前は想像もしていませんでしたし、何よりシンシアさんの大ファンで、来日した際にもコンサートを見にいって歌声に魅了されていたので、シンシアさんの映像を見ながら自分が声を当てられる日が来るとは、本当に感慨深いです。楽曲も本当に素晴らしく、何度聞いてもなんて良い歌なんだろうと幸せを感じていました」と笑顔で回答。

清水はグランデの大ファンで、自身の人生にも大きな影響を与えてきた存在とのこと。吹き替えが決まったときの心境を「学生時代、アリアナの楽曲を聞いて青春時代といえばアリアナというほどでしたし、彼女がグリンダ役を熱望していたのも知っていたので、彼女の夢がかなった作品で声を担当できると決まったときは、本当にうれしかったです。それと同時に、大きな責任も感じながら声を当てさせていただきました」と振り返る。

20代のころに海外で「ウィキッド」の舞台を観劇したという入野は、「十数年前に初めてロンドンで拝見したのですが、最前列で楽曲を浴びて圧倒され過ぎて立ち上がれなかったです。映像を見て、あらためて楽曲を聞いた際にも鳥肌が立ちましたし、当時見たときの思い出がよみがえりました。完成版を見るのが本当に楽しみです」と当時の思い出を語る。

また、これまでヨーの吹き替えを数多く担当してきた塩田は、ヨー初のミュージカル作品ということで、いつもの演技との違いや気をつけた点について「これまでカンフーやアクションシーンはあっても(笑)歌は初めてだったので、喜びが思わずメロディーになってしまったみたいな、笑ったときの愛らしく素敵な感じを壊さないように努めました」と解説した。

ルームメイトになったとき、伝えておきたいマイルールは

劇中、性格も魔法の才能も正反対なエルファバとグリンダが偶然ルームメイトに。それにちなんで、もし高畑と清水がルームメイトになったとき、事前に伝えておきたいマイルールについて質問。

高畑は「急に電池が切れて、1点を見詰めてボーっとし始めることがあるのですが、心配せずに放っておいてもらえたらすぐに元気になります」と答え、清水は「犬を飼っているので、もしアレルギーじゃなければ飼ってもいいですか？」とおそるおそる高畑に聞くと、「実は犬アレルギーなのですが(笑)、実家でも犬を飼っているのと、家では猫を飼っているので、犬と猫と同居になりそうですね」と、かわいらしいやり取りを繰り広げる。

続けて、エルファバとグリンダが互いの友情を深めていきながら、本当の自分の姿に気づいていく様子が描かれているストーリーに掛けて、まだあまり世に知られていない“本当の自分の姿”についてトーク。

海宝は「僕はよくイメージで“緊張しない人”と見られることが多いのですが、人一倍緊張しています。お客さんには、緊張してない人がやっていると思われるのが損だなと思います(笑)」、田村は「ゲームが大好きなのですが、この前、美依紗ちゃんのSNSを見たら同じゲームをやっていたので、いつかそのゲームで美依紗ちゃんと通信するのが楽しみです」と話す。

そして、kemioは「16歳ぐらいのときから、リアリティー番組のようにずっとSNSで私生活を全てさらけ出しているので、料理もできないですし、部屋もフリーマーケットみたいに散らかっています(笑)。なので、世に知られていない姿は何もないかもしれないです」と堂々と返答。

清水は「プライベートでも仕事でもフィルターがあって、日によって性格が違うので、いろんな自分がいると思います」、高畑は「素になるとコテコテの関西人なので、ずっとボケて、ずっとツッコんでます。東京に来て長いので、大阪生まれで驚かれることも多いのですが、本当は気質がコテコテの関西人です」と、それぞれ貴重な“本当の姿”について明かす。

高畑充希、清水美依紗が楽曲について語る

ここで本作を彩る楽曲の1つで、エルファバがオズの魔法使いへの憧れを歌う「ザ・ウィザード・アンド・アイ」の吹き替え歌唱映像が流れ、歌唱した高畑は「すごい曲だなと思いました。全編を通してエルファバがクールなキャラクターなのですが、この曲の辺りから出てくるかわいさや繊細さに、胸がキュッとなりました。それに少しでも近づけていたらいいなと思います」と話す。

グリンダがエルファバに、人気者になるコツを歌う「ポピュラー」を歌った感想を聞かれ、清水は「曲の中にさまざまな声の表情があって、エルファバに対していろいろな提案をしていく、コミカルな声をそれぞれ表現しないといけなかったのでとても難しかったのですが、自分にはない部分がグリンダにはあるので、とても楽しみながら演じさせていただきました」と収録時のエピソードを回顧。

2人の歌声について、海宝は「早く全編聞かせてくれ！と、とにかく楽しみになりました。公式でアップされているものを何十回も見ているのですが、オリジナル版はもちろんですが、吹替版もクリエーターの皆さまが歌もお芝居もとっても丁寧に、こだわり抜いて作ってくださっているので、楽しみにしていただきたいです」と吹替版の魅力をアピールする。

最後に、清水が「魔法というファンタジーの中で物語が進んでいくのですが、人と人の関わりの難しさやキャラクターたちの葛藤など、すごく共感できるものが多いと思います。今を生きている全員に響く物語なので、ぜひ『ウィキッドふたりの魔女』見てください」とコメント。

高畑が「ついに、日本でも『ウィキッド』が見られるようになります。あまりの映像美と音楽ももちろんですし、こんな全てに全精力をつぎ込んで映画を作れるのかと、終わった後に開いた口がふさがらなかったです。ミュージカルだと、迫力を浴びられるのと同時に、表情の細かいディテールを見ることは難しいので、映像となってまた別の良さを感じました。ぜひ皆さんにも、この動悸が止まらない気持ちを体感していただきたいです」とメッセージを送った。