松重豊「五島から素晴らしい女優さんが誕生しました」、ロケ地の五島列島で島民300人と凱旋上映会<劇映画 孤独のグルメ>
松重豊が主演・監督・脚本を務める「劇映画 孤独のグルメ」(1月10日公開)の上映を記念して、1月22日に本編内で登場する五島列島にて凱旋上映会が開催した。
松重豊、撮影ぶりの五島列島に「全部良い思い出」と懐かしむ表情を浮かべる
原作・久住昌之、作画・谷口ジローによるハードボイルド・グルメ漫画「孤独のグルメ」。深夜帯の実写ドラマ「孤独のグルメ」(テレ東系)が劇映画化。12年にわたり井之頭五郎を演じてきた松重豊が監督・脚本・主演を務め、“究極のスープ”の食材探しのために、国内外を駆け巡るロードムービーとなっている。主題歌には、松重と兼ねてより親交のあった甲本ヒロト率いるザ・クロマニヨンズが、本作のために書き下ろした「空腹と俺」に決定した。
この度、本編内で重要な場所の一つである五島列島にて、凱旋上映会を実施。五島市島民300人が参加し、凱旋訪問した松重と共に本編を鑑賞した。上映後には、一人一人に井之頭五郎特製名刺を直接手渡す企画もあった。
五島列島は、作中でかつての恋人・小雪の娘、千秋(杏)の祖父である一郎(塩見三省)の「子供のころに飲んだスープ“いっちゃん汁”がもう一度飲みたいから、食材を集めてほしい」という、“究極のスープ”の食材探しの旅に出た五郎が最初に訪れる地だ。
五島列島に発つ前、松重は撮影ぶりに訪れるということ、撮影に協力してくださった島民の方々と共に作品を鑑賞できるということで、嬉しそうな様子だった。撮影当時に思いを馳せながら、「(撮影時)何を食べておいしかったかな…と思い出しながら考えています。ちゃんぽんが食べたいです!」と話し、現地に向かった。
飛行機を乗り継ぎ、五島市福江島の五島つばさ空港に無事に到着。凱旋上映会場まで移動する車内から、五島の景色を眺め、「あのシーンはここで撮影したな。このシーンは大変だったな…。大変だったけど、全部良い思い出。あの時の苦労話を、この場所にまた集まって、笑いながらみんな(撮影スタッフ)と話したいな」と当時を振り返りながら、懐かしそうな表情をしていた。
“いっちゃん汁”の食材探しに奔走する五郎。本編では市役所や市場を手当たり次第訪れるが、全て五島市で撮影された。フランスからの五島に移っていく最初のカットは、島内にある教会に入っていくシーン。松重のこだわりが詰まったシーンでもある。実は、シーンのつなぎ目に違和感のないように、BGMにあわせて五郎の歩調のテンポを変えるなど、計算しつくした演出を施していた。「いい画が撮れた。かっこいいんじゃないの?」と松重納得のシーンになったようだ。
五島列島・福江島に出張上映…五島から誕生した“女優”に会場もどよめく
五島市・福江島には、映画館がないため、市内にある五島高等学校にある五島メモリアルホールにて出張上映という形で、凱旋上映会を実施することになった。本編の五島列島パートに登場する“みかん屋食堂”の店員や、撮影にも協力があった消防団の方々含む300人の島民の方々が来場した。
松重からのサプライズプレゼントとして、入場時5種類の五郎語録がランダムで書かれた割りばしが配布。その割りばしと共に記念撮影をしているたくさんの島民の方々や、「五郎」と書かれた手作りうちわを持つ方、「五郎さんを引退させない!」などのメッセージボードを作成してくれた島民の方々もたくさん来場していた。
ステージに立った松重は、会場に集まった島民総勢300人から温かい拍手と共に迎えられ、「今日は集まってくださってありがとうございます!」と、手を振った。上映前の舞台挨拶だったため、ネタバレならないように言葉を選びながら、松重はトークを展開。「五島から素晴らしい女優さんが誕生しました」と松重から発表されると、会場からどよめきがあった。実は本編に登場した“みかん屋食堂”の店員は、本当にお店にいらっしゃる店員さんが演じていた。
撮影当時は「演技は素人だから…」と遠慮されていたようだったが、松重の「よーい、はい!」という合図があると、松重も驚くほどナチュラルに堂々と演じられたと、当時の様子を語った。舞台挨拶が終了すると、松重は客席に座って島民の皆さんと共に本編を鑑賞した。
上映が始まると、様々なシーンやセリフに対して笑いが起こり、特に無人島に漂着した後、自作のスープを飲んで泡を吹いて倒れる、松重監督の渾身のシーンや、ユ・ジェミョンさん演じる入国審査官の「…ダイジョブデス」と料理のお裾分けを断るシーンなどでは、会場は笑いに包まれた。また、五郎が嵐に巻き込まれるシーンでは「危ない!」と声が上がったりと、島民の皆さんは作品に入り込んで楽しんでた。また、五島列島パートでのシーンは、出てくる景色に対して、「おぉ…!」とざわつく場面も登場した。様々なイベントで松重も本編について話をしたが、本作は「映画館でも声を出して笑える」作品になっている。
上映が終了すると、会場からは拍手が沸き起こった。その拍手を全身で受け止めた松重は、感慨深い表情で会場を見渡した。イベント終了後には、松重がホールロビーに登場し、お客さん一人一人にサイン入りの「井之頭五郎」特製名刺を直接手渡すサプライズが。松重の感謝の気持ちがこもったまさかのサプライズに、島民の皆さんも「お腹すきました!」「五島を使ってくれてありがとう!」と思い思いのコメントを直接伝えられていた。
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