ハリウッド期待のスター、マーガレット・クアリー

美しい瞳に抜群のプロポーション “世界を魅了”する美女優マーガレット・クアリーとは?「憐れみの3章」では“4役”挑戦で存在感

2025.01.11 07:10
ハリウッド期待のスター、マーガレット・クアリー

新春早々、胸のすくようなニュースが飛び込んできた。日本時間の1月6日、アメリカ・ロサンゼルスで「第82回ゴールデングローブ賞」授賞式が行われ、ドラマ「SHOGUN 将軍」がテレビ部門(ドラマシリーズ)で作品賞のほか、真田広之が主演男優賞、アンナ・サワイが主演女優賞、浅野忠信が助演男優賞を獲得する4冠を達成。まさに快挙だ。そして、この授賞式ではデミ・ムーアとマーガレット・クアリーという2人の女優がプレゼンターとして登場、真田の名前を読み上げた。円熟の域にある大物ムーアと引く手あまたの気鋭クアリーとは豪華な組み合わせだが、2人はコラリー・ファルジャ監督作品「The Substance(原題)」で共演しており、共に同・ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディー部門にノミネート。ムーアが主演女優賞に輝いた。同作は「サブスタンス」というタイトルで5月16日(金)から日本でも公開される予定だ。ムーアへの再評価と、受賞はならなかったが助演女優賞にノミネートされたクアリーへの注目が世界的に高まるのは疑いようのないところだろう。そこで今回はクアリーについて紹介する。

「Death Note/デスノート」出演でも話題に

1994年に生まれたクアリーの母は、低予算映画ながら高い評価を得た「セックスと嘘とビデオテープ」(1989年)でヒロインを務めたアンディ・マクダウェル、父は元モデルの父ポール・クアリーという芸能一家で、両親譲りの抜群のプロポーションと美しい瞳が印象的。母と同じくモデル活動を経て、2013年から女優業に進出した。日本で一躍話題になったのは2017年のアダム・ウィンガード監督「Death Note/デスノート」におけるミア・サットン役だろうか。大場つぐみ(原作)、小畑健(作画)による原作コミックでは、弥海砂(あまねみさ)にあたるポジションだ。

その後、2019年のSF映画「ユピテルとイオ」にも登場。同作では2月14日(金)公開の「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」に“ファルコン”ことサム・ウィルソン役として主演するアンソニー・マッキーと共に大役を務めた。

ほか、個人的にはクエンティン・タランティーノ監督の、上映時間は相当に長いけれどちっとも退屈しない大作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019年)におけるカルト集団「マンソン・ファミリー」の一員である“ヒッピー少女”役も印象に残っている。レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの共演ということでも反響を呼んだ作品だが、165分にわたる展開の中にクアリーもしっかり、しかもブラピとの実に強烈なやりとりも含む形で痕跡を残しているのである。

その役とは対極にあるともいえる純真な表情を見せたのが、ヨルゴス・ランティモス監督作品の「哀れなるものたち」(2023年)。天才外科医ゴッドウィン(ウィレム・デフォー)に自殺を図ったところを助けられるも自分の胎児の脳を移植された主人公ベラ(エマ・ストーン)の代わりの実験体とされたフェリシティという難役を務めた。ベラと同じように蘇生されて、“生まれたて”という新たな命を与えられるも、その成長を見る研究対象でしかない悲しい存在でもあった。

「憐れみの3章」でも存在感を発揮

最新作「サブスタンス」の日本上映まであと約4カ月という現在、何を見て近年のクアリーの充実ぶりを感じようか。そこでとっさに思いつくのが2024年9月に日本公開され、同年12月25日からディズニープラスのスターで配信されたランティモス監督作品「憐れみの3章」である。

同映画は、ストーンとランティモス監督が3度目のタッグを組んだ作品。2時間40分を超える長い本編は、3つの独立した物語で構成されている。選択肢を奪われた男が自分の人生を取り戻そうと格闘する第1章「R.M.Fの死」、海での失踪から帰還した妻を別人ではと疑い始める男を描いた第2章「R.M.Fは飛ぶ」、そして、あるカルト集団に心酔し“教祖”となるべき人物を懸命に探す女を描く第3章「R.M.Fはサンドイッチを食べる」。

正直言って“クリスマスに視聴するにはハードルが高い映画”という気もしたが、もう年も明けて、正月休みなどはるか遠くへ去り、いつもの慌ただしい日々が押し寄せ、年が変わったからといって人間の性根まで変わるわけではなく、不器用な生き方のまま1日1日年をとっていくしかない大多数の人間にとっては、「憐れみの3章」にて描かれている世界は一種のリアルとも言える。この映画の中でクアリーは4役(双子を含む)を演じ分け、3役を務めた主役のストーンに匹敵する存在感を示している。

「やや癖のある映画で、癖のあるキャラを演じる役者」というイメージも定着しつつあるようにも感じられるが、本人はロマンティックコメディー作品にも取り組んでみたいと考えているようだ。今後、ますますいろんなクアリーにスクリーンを通じて会えることを楽しみに待ちたい。

◆文=原田和典

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