公開30周年「ライオン・キング」“魅力的な音楽”が物語を彩る不朽の名作 シンバの過酷な運命を通し生きる“責任”を学ぶ
1994年にアメリカで劇場公開されたディズニー長編アニメーション「ライオン・キング」が2024年6月に公開30周年を迎えた。壮大なアフリカの大地を舞台にその土地で力強く生きる動物たちの生き様を描いた同作。“ディズニー・ルネッサンス”と呼ばれる黄金時代を代表する一作であり、演劇、コンサート、そして超実写映画化など、ジャンルを超えて今も愛され続けている。その物語の“前日譚”を描いたディズニー最新作「ライオン・キング:ムファサ」が12月20日より劇場公開されたということで、今回は「ライオン・キング」シリーズの原点を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)
壮大なサバンナを舞台に繰り広げられるライオンたちの運命
「ライオン・キング」はアフリカの広大なサバンナを舞台に、主人公のシンバが子ライオンからライオンの王へと成長していく過程に起きる悲しい運命や新たな出会いも満載の大冒険を描いたストーリー。
やんちゃで好奇心旺盛なシンバは、父であり王のムファサが統治する「プライドランド」で、後の王としての責任を学びながら過ごしていた。そんなある日、叔父・スカーの悪い誘惑に惑わされ、シンバはハイエナの集団に襲われてしまうが、間一髪のところでムファサに救われる。しかし、再びスカーの罠にはめられたシンバは、自分を助けた父親の命が目の前で奪われてしまう悲劇と直面し、父であり王の死に責任を感じて自らプライドランドを去る。
幼い子どもながらもつらい現実を背負いながら生きることとなったシンバだったが、陽気でポジティブなティモンとプンバァと出会い、“ハクナ・マタタ”という「くよくよするな、人生なんとかなるさ」という意味が込められた言葉に救われた彼は、ティモンとプンバァと行動を共にすることでつらい気持ちを少しずつ癒やしていく。
そんな中、幼なじみの雌ライオン・ナラと偶然再会したことで、自分が去った王国の状況や父の代わりに王となったスカーの悪行を知ったシンバは再びプライドランドへと戻り、かつての居場所であった王国を取り戻すことを決意する。
シンバが背負う運命を通して、責任や友情、そして自分の運命を受け止め、力強く生きる彼らを描いた物語は四半世紀以上たった今でも言わずと知れた名作の一つとして語り継がれている。
誰もが一度は耳にしたことのある名曲の数々
同作が公開された時代といえば「美女と野獣」(1991年)、「アラジン」(1993年)といったディズニー・アニメーション作品が人気を博した頃だったということもあり、それらに続く大ヒット作として公開当時は世界中で大きな話題となった。当時「ライオン・キング」は、ディズニー・アニメーション史上No.1の全世界観客動員数を記録した。
また、ティモン&プンバァコンビの「ハクナ・マタタ」の意味が込められた挿入歌「Hakuna Matata」をはじめ、大人ライオンへと成長をとげたシンバとナラの愛を歌った「愛を感じて」、幼い頃のシンバが王様になることを待ちわびていた心境を明るく表現した「早く王様になりたい」など、耳に残る魅力的な挿入歌も人気の一つだろう。「第67回アカデミー賞」では、作品の世界観を見事に表現したことが評価され、歌曲賞、作曲賞(ハンス・ジマー)のダブル受賞を果たした。
そんな不朽の名作「ライオン・キング」の30周年アニバーサリーイヤーに劇場公開された映画「ライオン・キング:ムファサ」は、「ライオン・キング」の“前日譚”を描いていることでファンのみならず世界中から注目されている。
同作はシンバの父・ムファサと、かつては“タカ”と呼ばれたその弟であり、物語の“ヴィラン”スカーとの知られざる真実を描いたストーリーということで、「ライオン・キング」の物語では語られてこなかったムファサとスカーの関係性をひもとくものに。“原点”であるアニメーション版「ライオン・キング」の物語をおさらいすることで「ライオン・キング:ムファサ」を、より楽しむことができるだろう。
「ライオン・キング」は、ディズニープラスで配信中。
◆文=suzuki
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