インタビュー取材に応じた尾上右近と松田元太(写真右から)

Travis Japan松田元太、尾上右近の声に“安心感”「自分の中でもお兄さん的存在です」<ライオン・キング:ムファサ>

2024.12.14 07:10
インタビュー取材に応じた尾上右近と松田元太(写真右から)

ディズニー最新作「ライオン・キング:ムファサ」が、12月20日(金)に全国の劇場で公開される。このほど公開に先駆け、同作の“超実写プレミアム吹替版”でムファサの声を担当する尾上右近と、のちにスカーとなるタカの声を担当する松田元太(Travis Japan)にインタビューを実施。今作で声優に初挑戦した右近と松田に、キャラクターに声を吹き込む際に意識したことや映画に対する思い、お気に入りのキャラクターなどを聞いた。

ディズニー史上最も温かく切ない“兄弟の絆”の物語

1994年にアニメーション版として誕生し、2019年に超実写版に進化した「ライオン・キング」(ディズニープラスで見放題独占配信中)。ディズニー史上最も温かく切ない“兄弟の絆”の物語である同映画は、「ライオン・キング」の主人公・シンバの父・ムファサと、かつては“タカ”と呼ばれたヴィランの弟・スカーという、“宿敵”として知られる彼らの知られざる真実を描いた“はじまりの物語”。ある悲劇によって孤児となり、独りぼっちでさまよっていた幼き日のムファサに救いの手を差し伸べたのは、同じ年頃のライオン・タカだった。血のつながりを超えた“兄弟の絆”に隠された秘密を、心を揺さぶる楽曲に乗せて超実写版で描く。

――超実写プレミアム吹替版の声優に決まった今の心境をお願いします。

松田:今世紀最大のうれしさがありましたね!

右近:今世紀!? 気持ちはすごく分かるけど(笑)。

松田:生まれてから今までの中で1番です。いつかはディズニーさんとお仕事をしたいという夢があったので、とにかくうれしかったです。僕個人としても、グループとしてもエンジンがかかるきっかけになりました。原作のファンもたくさんいますし、これから知ってくださる方もいると思うので、その全ての人に良いものを届けられるように、まだ合否も決まっていないオーディション段階から、自分ができることは本気でやろうと心に決めていました。

右近:声のお仕事をやってみたいと思っていました。「ライオン・キング」自体も大好きなお話でしたし、自然界の大きな伝統の中で、王様というものが受け継がれていくという作品としてのメッセージ性も、歌舞伎という伝統の世界に身を置いている自分にとってすごく共感できると思っていました。先ほど松田くんが言っていたみたいに…あ、げんげんって呼んで大丈夫?

松田:大丈夫です!うれしいです!

右近:俺のことはけんけんって呼んで?

松田:けんけんと呼んでいいんですか?

右近:(取材時が初対面ということで)まだ会って30分くらいしかたってないので、いろいろ同時進行でやらないと!親睦深めるのも、お互いを何と呼んだら良いのかも全部!

――今日が初対面とのことですが、右近さんがムファサを、松田さんがタカを演じると聞いた時の互いへの印象をお願いします。

右近:タカの存在はムファサにとって表裏一体と言いますか、大事な存在だったと思うんです。何の仕事でもそうだと思うのですが、自分一人ではできませんし、相手がいてからこそ仕事ができる。どういう人がタカになるんだろうと気になっていましたが、げんげんがタカをやると聞いて、めちゃくちゃテンションが上がりましたし、「早く声が聞きたい!」と思いました。

松田:タカにとってムファサは兄弟のような存在。タカを演じる上で、タカでいられる時とそうでない時のスイッチを入れてくれるのはムファサだったので、右近さんの声を聞いた時、安心感がありました。本当にけんけん“さん”…え?けんけん?

尾上:けんけんでいいよ!

松田:もうすでにけんけんが、自分の中でもお兄さん的存在ですし、タカにとってもお兄さんです。そういう見えない絆と言いますか、声だけでも“タカ・松田”自身もすごく安心感があって、甘えたいなと感じることが多々ありました。

右近、オーディションの準備で「ずっと曲を聞いていました」

――オーディションに向けてどのようなことをされたのでしょうか?また大変だったことは?

右近:ずっと曲を聞いていました!オーディションのことを外に言っちゃいけないし、口ずさんでもいけなかったので、すごく大変でしたね。怪しまれないようにしなきゃとすればするほど、悪いことをしている気分になりました(笑)。携帯でなんとなく聞きながら、曲が入ったかなと思いながら過ごしていると、気が付いたら少し口ずさんでしまったりもして(笑)。

松田:ありますよね!分かります!情報解禁前でしたし、仕方がないのですが、公の場で練習できないってかなり大変ですよ!

右近:僕も(オーディションに受かるために)具体的には言えませんでしたが、松たか子さんや尾上松也さんから、どういうお気持ちでディズニー作品のオーディションを受けたのかということをナチュラルに聞き出しました(笑)。

――お二人は「アナと雪の女王」シリーズや「モアナと伝説の海」シリーズで経験されていますしね。でも、怪しまれなかったのですか?

右近:なんとなく違和感を覚えたかもしれませんが、松さんも松也さんもご経験があるので、そこは察してくれたのかもしれません。

松田:雪の女王さま(エルサ=松)から話が聞けるのはすごく貴重ですね!

――オーディションを受けた後、手応えはどうでしたか?

松田:声のお芝居に関しては本当に自信がなかったんですよ…。

右近:僕も自信なかった…。

――お二人ともいい声をされているので、自信がないという回答が意外です。

右近:そう言っていただけることは本当にうれしいのですが、声優の仕事は声がよければいいということでもないんだなと、あらためて痛感しました。

松田「メンバーが一番喜んでくれました」

――情報解禁された時、周りの反響はいかがでしたか?

松田:Travis Japanのメンバーがまず一番喜んでくれました。家族もそうですし、ファンの皆さんも自分の事のように喜んでくれて本当にうれしかったです!あと、お世話になっている山田(涼介)くんも!「すごいじゃん!頑張ってね、観に行くね!」と言ってくれて、うれしかったです!

右近:みんな喜んでくれたし、祝福してくれました。歌舞伎界は目の前の舞台のことを考えている人が多い業界なので、ドラマや映画が決まったなどの話に触れることがあまりないです。それは冷たいとかではなく、職人の世界である歌舞伎界ではそういうものなんだろうなと思っていました。でも、今回はたくさんの方から反応していただいた上に、「ムファサ」と呼ばれました(笑)。ちなみに松也さんからは、情報解禁になった日の夜に、「これでおまえもディズニーファミリーだな」というメッセージを頂きました(笑)。

――松田さんがタカを演じる上で何か準備されたことは?

松田:自分の要素を消すことを心掛けました。僕が歌わせていただいていますが、タカが歌っているように思ってほしかったので、「自分はタカ」だと何回も言い聞かせて、歌わせていただきました。歌に限らず、せりふでも「松田元太」が出ないように意識しました。うまく演じることができたかは分かりませんが、自分にできる限りのタカを演じさせていただいたので、その時の僕は誰よりも“タカっていた”と思います!

右近:タカってた?(笑)

松田:タカってました!

――右近さんはどんなことをされたのですか?

右近:全て現場で作りだしたと言っても過言ではありません。現場に行くたびに変化があるので、備えても備えようもないことを一生懸命にやっている感じでした。

松田:僕もけんけんにすごく共感します。普段のお芝居の演じ方とは別の感覚だなと思いました。それでも、僕にしかできないタカでいられるように、試行錯誤を繰り返しました。正直、とても難しかったです。最初はパニックになってしまいましたから、うまくできなくて…。

右近:そうなんだ…!そのあたりの話、ちょっとよく聞きたいです(笑)。

松田:めっちゃパニックでした!秒数を気にしたら、滑舌が甘くなったり、語尾のニュアンスが少し変わるだけで、伝わる意味が異なってしまうので、かなり苦戦しました。

それぞれの“推しキャラ”は?

――最後に「ライオン・キング:ムファサ」の中で一番の推しキャラを教えてください。

右近:僕はラフィキが特にお気に入りです。あと、ラフィキがすごくはしゃぐかわいいシーンがあるんです。ラフィキなりにいろいろ抱えていて、そのしがらみから解放されたラフィキが、元気よくすっきりとした感じではしゃぐ姿が本当にいとおしかったです。

松田:良いですよね。僕はティモンが好きです。くだけた感じなのですが、芯が通っている部分もちゃんとあって、見ている側も共感できる瞬間がたくさんあると思います。声もすごく明るくて、見ているだけでもハッピーな気分になれるので大好きです!

◆取材・文:くまこでたまこ

ヘアメイク:西岡達也(Leinwand)、宇佐見順子(JOUER)

スタイリスト:三島和也(Tatanca)、日夏(YKP)

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