<インサイド・ヘッド2>“自分ごと化”された思春期の感情に共感の嵐「学生時代を思い出した」豪華キャスト陣の共演もヒットを後押し
2024年公開の洋画作品として初めて興行収入50億円を突破したアニメーション映画「インサイド・ヘッド2」が、11月27日に配信された。「第88回アカデミー賞」で長編アニメーション賞を受賞した前作「インサイド・ヘッド」の日本興行収入記録を超え、世界歴代興行収入ランキングの第8位に入るなど、大きな注目を集めた本作。あらためて、ヒットの理由や面白さのポイントなどをSNSの反応も交えて解説する。
思春期の主人公の感情が多くの人の過去に寄り添う
「インサイド・ヘッド」は、もしも人間の内に秘める感情たちに息を吹き込んだら、というユニークなアイデアがアニメーションを通して実現した作品。「トイ・ストーリー」や「モンスターズ・インク」など、これまでピクサーの大ヒット作の多くを手掛けてきたヒットメーカーであり現在ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)を務めるピート・ドクター氏が手掛けた。
主人公の少女・ライリーの脳内で彼女を見守りながらも活発に動き回るヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、ビビリ、イカリの5つの感情を個性あふれるポップなタッチでキャラクター化し、彼らはライリーの成長過程でさまざまな物語を繰り広げていく。1作目の「インサイド・ヘッド」では、その5つの感情がメインで登場したが、続編の「インサイド・ヘッド2」では、シンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシの4つの感情が新たに加わった。また、当時11歳だったライリーも続編では14歳の多感な思春期を迎え、新たな感情たちは突如嵐のようにやってきては、彼女の脳内を支配していく。
「支配」と言っても闇の組織に牛耳られるような意味ではなく、この世界での「支配者」とは、思春期を過ごした人なら誰でも共感できるような悩みや葛藤から生まれる“シンパイ”であり、この“シンパイ”による支配は子どもから大人へと成長していく過程で通らざるを得ない感情なのだ。
本作ではライリーの姿を通して、大人たちが自分の過去を振り返り、深く感情移入しながら“自分ごと化”できる瞬間が訪れることから「学生時代を思い出してしまった」「ヨロコビの変化が刺さる」「思春期の自分をなだめたくなる」などの感想がSNS上にも多く並んでおり、人間のリアルな感情にそっと寄り添ってくれたことがヒットし続ける理由の1つといえるだろう。
芸能人からの共感の声や日本語版の豪華声優陣の熱演も話題に
さまざまな記録を更新し続ける本作の魅力に引き込まれるのは一般の視聴者だけではない。例えば、ディズニー大好きな俳優で知られる風間俊介は「この映画はライリーとその感情達の物語であるのと同時に、私たちの物語でもあります。観た後に、自分を好きになれる映画『インサイド・ヘッド2』。幸せな気持ちになりたい人、ぜひ見てほしい。自分を好きになりたい人、絶対に見てほしい」と感想をつづっており、アニメ好きで知られるKis-My-Ft2・宮田俊哉も「自分が思春期だった頃も自分の中では、こうやって新しい感情が生まれたりしていたのかな?と思うと懐かしい気持ちにもなり、あらためて親孝行をしなくちゃ!と思える作品でした。僕はポーチーが好きです!笑」と、風間と同様に公式サイトにコメントを寄せた。
彼らの思いを受けたファンが劇場へ足を運んだというような“推し活”現象も少なからずあり、「インサイド・ヘッド2」ブームは加速したと言っても過言ではなさそうだ。
さらに日本語版声優を務めたキャスティングの豪華さも本作に関心を寄せる多くのきっかけとなったことを忘れてはいけない。ヨロコビを小清水亜美が新たに担当したほか、カナシミの大竹しのぶ、ムカムカの小松由佳、ビビリの落合弘治、イカリの浦山迅は続投。そして続編で成長したライリーを横溝菜帆、新キャラクターであるシンパイを多部未華子、ハズカシをマヂカルラブリー・村上、イイナーを花澤香菜、ダリィを坂本真綾が見事に表現した。ライリーの“秘密の推しキャラ”役には中村悠一、武内駿輔、花江夏樹とそうそうたるメンバーがぜいたくなエッセンスを加えており、キャスト陣の演技も話題を呼んだ。
ライリーという1人の少女の成長過程を通して知る、誰もが持つ感情の変化をじっくりと理解しながらそっと自分の感情にも寄り添ってあげられる、そんな勇気をこの作品からはもらえるはずだ。
「インサイド・ヘッド」「インサイド・ヘッド2」はディズニープラスにて配信中。
◆文=suzuki
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