赤楚衛二、4人が仲良くなれた理由は“お芝居に対してみんな真面目だから” 「作品が終わっても連絡は取り合う」<六人の噓つきな大学生>
就職活動を舞台に6人の登場人物の裏の顔が巧に暴かれていく、“密室サスペンス”と“青春ミステリー”がかけ合わさった映画『六人の嘘つきな大学生』が11月22日(金)に公開される。新卒採用をかけて最終面接に挑む6人が繰り広げる予測不能な会話劇を演じた6人から、赤楚衛二、佐野勇斗、倉悠貴、西垣匠にインタビューを実施。共演をきっかけに撮影後も交流しているという仲良しな4人の素顔を深堀していく。
撮影後も“友達としてつながっている”
――就活の最終面接で裏の顔がどんどん暴かれていく緊迫の会話劇が緊張感たっぷりで、皆さんの演技バトルに引き込まれました。劇中では、心理戦を繰り広げた皆さんですが、現場ではどんなチームでしたか?
赤楚:いや~、心理戦だらけでした。
佐野:まだ本性わかんないですもん(笑)。
赤楚:嘘です! みんなと撮影後もプライベートの交流があります。佐野くん以外(笑)。
佐野:誘ってくれないんですよ。
西垣:いやいや、めっちゃ誘ってるから!
倉:佐野くん以外はご飯を食べに行ったりしています。
赤楚:撮影後も番宣があるからつながっていたわけではなく、友達としてつながった感じで。でも…友達と言っても僕だけ年上なんですけどね…。多分、この作品が終わったとしても、連絡は取り合うと思います。4人が揃うかどうかは、佐野くんがなかなかタイミングが合わずで…。
佐野:いやいや、時間は作るもんですからね!
赤楚:作ってくれよ! 1番作ってくれない(笑)。でも、この4人がこんなに冗談を言い合えるくらい仲良くなれたのは、共通してお芝居に対してみんな真面目だからこそ。僕が持ってないようなことを、それぞれたくさん持っているところもリスペクトしています。
――役に1番はまっていたと思う人は誰ですか?
赤楚:正直、みんな役に合っていた気がする。
西垣:赤楚くんの役は、ある意味普通の人なんですけど、普通の人っていちばん演じるのが難しい。演じられるのは、天性の才能だと思います。
赤楚:確かに普通っぽい役をやらせていただくことが多いのですが、僕はイケメン役をやりたいなぁ(笑)。
佐野:それ、ずっと言っているよね(笑)。僕は自分に厳しい所は似ているけど、役とは違います。
赤楚:いやいや、リーダーっぽい所は似ているよ。倉も役っぽいね。
倉:森久保と似ている所は、目が悪い所ですね(笑)。
赤楚:匠は役と真逆だよね?
西垣:そうなんです。役は体育会系ノリですが、僕はここまで身振り手振りが大きくて、声も大きい元気なタイプではないです。野球部っぽい独特なノリは自分にはないのですが、フェンシングをやっていたので、スポーツマンシップは理解しているつもりです。
4人が現場で見たお互いの素顔を暴露
――隠していた一面を暴露される劇中のストーリーにかけて、現場で見かけたお互いの素顔を教えてください。
西垣:役柄をどう演じようか悩むことも多かったですし、現場では常に緊張していたんです。でも、現場入りして毎朝メイクをする時、時間帯が悠貴と一緒だったんですよ。メイクが終わって撮影が始まる前は、悠貴が僕の楽屋に遊びに来てくれて。僕の緊張をほぐすように喋りに来てくれたんです。あの時間があったおかげでリラックスできました。
倉:僕もすごく緊張していたからね。「今日はどうする?」と話すことで、ウォーミングアップできて助かったな。
佐野:2人は同い年だもんね。僕は、現場で赤楚くんの柔軟性がすごいと思う場面にしょっちゅう直面しました。みんな、ちょっと派手なお芝居をしている部分もあって。自分のことを中心にお芝居をどうしようかなと考えている最中も、赤楚くんはずっと俯瞰で全体を見ていて、さすがだなぁと。
赤楚:年なんで(笑)。
佐野:いやいや、年齢は関係ないですよね? 監督の「ちょっとこうしてみる?」という提案もすごく柔軟に対応されているのはもちろん、「このセリフは九賀が言った方がいい」と提案をしてくれたりして。僕はその時、いっぱいいっぱいで、そういう考えはなかったので、すごいなと。やっぱり経験値が違いますし、第一線を走られている人は違うなと思いました。
赤楚:そう言ってもらえるのはありがたいですけど、九賀に台詞を言ってもらったのは、キャラクターの問題で。今回の役はみんな裏があるけど、どちらかというと波多野はみんなのピリピリした空気感を止める立場だったので、九賀が言ったほうがいいと思っただけなんです。
佐野:それが思いつかなかったんですよ! おかげでキャラの差が出ました。自分が1歩引くっていうのは、なかなかできないですからね、若いものは(笑)。
赤楚:いやいや、僕はみんなより年なだけだから(笑)。
倉:年上アピール?(笑)。僕は6人の裏側でもいいですか? 現場では、和気あいあいとしているというよりは、みなさん本当に真面目で、ひたすら毎日作品に向き合っていて。佐野くんは自分のお芝居のことしか考えられなかったって言いましたけど、みんな自分以外の他の人たちのことを考えたお芝居をしていました。現場の空気が舞台稽古みたいな感じだったなぁ。
赤楚:確かにそうだね。倉なんて、芝居を何パターンも考えてきて、「こうですかね?」っていろいろ提案してくれたもんね。お芝居好きそうだなと思って、「お芝居好きなんだね」って言うと、「いや、嫌いです」って言うところもかわいかったよ。
倉:嫌いです!(笑)。
赤楚:本当は好きでしょ?(笑)。佐野くんは準備を綿密にされてきていて。家でいろいろ考えてきたんだなということが現場で話し合った時に伝わってきました。現場で悩む姿も目の当たりにして、めちゃくちゃストイックだな、と。やっぱり見た目がちょっとね、イケイケなのに、努力家なんだなと思いましたね(笑)。
佐野:イケイケじゃないですよ!?
赤楚:あ、ファッションがイケイケでおしゃれ。衣装だけでなく、私服もめちゃくちゃカッコいい。西垣は…大丈夫。ないです(笑)。
西垣:えっ、なんでですか!?
赤楚:冗談だよ(笑)。「ペンディングトレイン-8時23分、明日君と」(2023年、TBS系)の時は、気づかなかったけど、役になりきる人なんだなと思いました。てっきり役を自分の方に寄せていくタイプかと。両方できるんだ…ってちょっと嫉妬しましたね。今回は本当にこれまでと違う西垣の姿が観られると思います。
西垣:ありがとうございます!
年内に4人で計画しているのはサウナ&ご飯
――迫力の演技バトルに息をのみましたが、4人の中でいちばん嘘をつくのが上手そうなのは誰ですか?
西垣:上手そうなのは、悠貴じゃない?
倉:はい、そうなんです。役者だからとかじゃなくて、平気な顔で嘘をつけます(笑)。もちろん、優しい嘘も。
西垣:真顔で言うと怖いなぁ。
佐野:怖いよね。
赤楚:西垣は多分、嘘は下手だね。
倉:間違いなく、匠は嘘が苦手。
西垣:俺、下手です!
佐野:素直に本当のことを言っちゃいそう。
倉:まぁ、子供だからねぇ(笑)。
西垣:同い年だろ!(笑)。
赤楚:嘘は下手とか言いながら、佐野もなんだかんだ上手でしょう。頑張って理屈っぽく並べそうだな。
倉:それにいつもふざけているから、嘘かホントか分からない。
佐野:いやいや、ふざけてないんだよ! 真剣にやってるんだよ! 何かと「佐野くん、ちゃんとやって。ふざけているでしょ」って言われちゃうけど。
赤楚:一生懸命に弁解する姿がかわいい(笑)。
――佐野さんはなかなかスケジュールが合わないそうですが、皆さん、プライベートでも交流あるそうですね。次に4人で計画していることはありますか?
赤楚:みんなのスケジュール合わせるのが大変そうですけど、年内にサウナとご飯に行けたらなと。サウナ&ゴルフもいいな。倉はゴルフやらないの?
倉:僕はやらないです。
赤楚:倉がやれば、4人でコース回れるのになぁ。
倉:ゴルフウェアは持っているんだけどね。
西垣:一緒にやろうよ。
――最後にみどころをお願いします。
西垣:僕は大学の同期が就活する姿を見てきて、この映画のように本当に切羽詰まっているなって思ったんです。その緊迫感もリアルに表現されていると思います。
赤楚:どんな風に受け止めて欲しいかは、いろいろな見方があるので、提示はしないんですけども。ただ、やっぱり人間というのは、本当に表と裏という、いろんな面があるもの。物事1つに囚われちゃいけないと思えるんじゃないかなと思います。
倉:密室劇でサスペンス要素もミステリー要素もあって、さらにはヒューマンドラマでっていう作品はなかなかないと思います。監督が密室劇を得意とされる方なので、展開がバンバン変わって絶対に楽しめます。
佐野:会議室のシーンが多いんですけど、テンポ感も絶妙。デスバトルもみどころです(笑)。
赤楚:この作品はデスゲームじゃないです。殺し合ったりしません(笑)。
佐野:先ほど、演技バトルと言っていただきましたけど、みんなが今まで培ってきた芝居をぶつけあっているので面白いはずです!
取材・文/福田恵子
撮影/友野雄
【赤楚衛二】
スタイリスト/壽村太一(COZEN inc)
ヘアメイク/石川尋美
【佐野勇斗】
スタイリスト/伊藤省吾(sitor)
ヘアメイク/望月光(ONTASTE)
【倉悠貴】
スタイリスト/カワセ 136
ヘアメイク/桒原美那(yosine.)
【西垣匠】
スタイリスト/藤井エヴィ
ヘアメイク/松田陵(Y's C)
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