世界中が大人泣き!大ヒット映画『インサイド・ヘッド2』カナシミ役・大竹しのぶさんが「感情」を語る
2024年8月1日(木)より全国公開中のディズニー&ピクサー最新作『インサイド・ヘッド2』。日本に先駆けて公開した世界各国ですでに驚異的ヒットとなり、『アナと雪の女王2』の記録を塗り替えてアニメーション映画史上歴代1位の世界興行収入を達成しました。
前作『インサイド・ヘッド』と同じく、舞台となるのは主人公・ライリーの頭の中の個性豊かな感情たちが繰り広げる世界。ライリーの成長に伴い新たに大人の感情たちも加わり、毎日を頑張る大人世代の誰もがどっぷり共感できる作品となった今作。9年ぶりにカナシミ役を演じた大竹しのぶさんに、作品への思いや感情にまつわるエピソードを伺いました。
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どんな感情も、私たちを幸せにするために生きている 「悲しいときは、悲しめばいいって思うんです」 大阪に来たら必ず食べるのは…… 大竹さんからanna読者へメッセージどんな感情も、私たちを幸せにするために生きている
久しぶりにカナシミと再会した率直なお気持ちをお聞かせください。
あれからもう9年経ってしまったのか……という気持ちです。私の中では2〜3年ぶりぐらいなんじゃないかと思えるほど、このカナシミというキャラクターは忘れがたいものとして心の中に存在していますね。続編ができるとは当初思っていなかったので、(今作のオファーは)すごく嬉しかったです。
主人公のライリーを子どものころから見守ってきたヨロコビ・カナシミ・ビビリ・ムカムカ・イカリという感情に加えて、今作では大人の感情たちも登場しました。演じるうえで前作との違いはありましたか?
そうですね。前作はただ自分のカナシミの気持ちで精一杯だったんですが、今回演じてみてわかったことは、どんな感情も「ヨロコビを中心にしてライリーに生きてほしい」と協力体制をとっていることです。怒ったり悲しんだり心配したりする感情はすべてライリーを幸せにする目的なんだということが、前回よりもさらにはっきりとしたように感じますね。
今作で一番心に残っていることはなんですか?
作品を観ていて、最後の方にじわっとくるのはなぜだろう?と思っていて……。それはやっぱり感情たちが協力し合って、ヨロコビをみんなの前に出したところなのかも。「人は喜びを中心に生きていかなくてはならない」というメッセージが、すごく私は好きです。でも、どの感情も愛おしいですよね。イイナーも必要だし、ハズカシがカナシミをかばうシーンもかわいくて好きです。
「悲しいときは、悲しめばいいって思うんです」
この作品を通じて、すべての感情が自分を守るため・幸せにするために頑張ってくれているんだと感じました。でも、ネガティブな感情とはうまく仲良くできないこともあります……。
歳を重ねることで、感情のコントロールの仕方がわかってくるというのはやっぱりあると思うんですよね。若い頃は、もっと怒りや「いいな」という欲もあったと思うし。だけど私は元々、ネガティブな感情よりも喜びが全面に出るタイプなんです。もしムカムカが出てきたら「ちょっと待て」って落ち着くようにしています(笑)。
そうなんですね(笑)。大竹さんは役者としてこれまで様々な役を演じるなかで、あらゆる感情を体験されてきたと思います。だからこそ感情をふかんで見られるようなところもあるのでしょうか?
もしかすると人の倍、いや、1,000倍くらい心を動かして生きているのかなとは思います。だから面白いんですよね。たとえばギリシャ悲劇では100%フルで悲しむし、憎むし、怒るし、愛する。そんなふうに感情の振れ幅が大きい役を演じると、逆に心がスッキリするんです。全力で感情を出す姿を観ているお客さまも血が駆け巡るというか、自分の感情が満たされているように感じました。だから、別に悲しいことが起こったら悲しめばいいって思うんですよね。
大阪に来たら必ず食べるのは……
舞台挨拶で大阪に来られた際に食べたおいしいものはありますか?
今年の春も大阪に来たんですが、劇場とホテルの部屋の往復しかできなくて。差し入れしてくださるイカ焼きと、551の豚まんは絶対に食べますね。コロナ禍で厳しかった制約も少し落ち着いてきたので、また大阪を楽しもうかなと思っています。大阪の街は、やっぱり安くておいしいイメージ。あと、商店街のおばさんは親戚みたいな感じで話しかけてきますよね(笑)。
annaは関西弁の「あんなぁ」に由来しているのですが、大竹さんが最近誰かに「あんなぁ」と話したくなるエピソードはありましたか?
実は昨日、仕事で淡路島に初めて行ったんです!海がすごくキレイで食べ物もおいしくて、人も優しくて。すごく楽しかったなぁ。
大竹さんからanna読者へメッセージ
20〜40代の女性がメインのanna読者に向けて、最後にメッセージをいただけますか?
きっと一番楽しいときですよね。やりたいことをやった方がいい、絶対そう思います。1作目の『インサイド・ヘッド』では、ライリーが誕生して「私はヨロコビ!」ってヨロコビが生まれてくるシーンがあるんです。人間は喜びを持って生まれてくるんだっていうのがすごく感動的で。本来、子どもってそうじゃないですか。生まれたときの喜びが(大人になっても)感じられるように誰もが生きていってほしいし、そんな世界になればいいなと思います。
取材・文/原田麻衣子
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