

“元祖スパイダーマン”トビー・マグワイア49歳の誕生日 映画プロデューサーとしてもヒット作生んだ名優の現在地

俳優・映画プロデューサーとして活躍するトビー・マグワイアが、6月27日に49歳の誕生日を迎えた。誕生日を記念して、10代の頃からキャリアを積み重ねてきたマグワイアの軌跡、そして“現在地”に迫りたいと思う。(以下、一部作品のネタバレを含みます)
10代から俳優として活躍
マグワイアは1975年6月27日、アメリカ・カリフォルニア州サンタモニカで生まれた。1992年のテレビシリーズ「Great Scott!」で注目を集め、1993年公開の映画「ボーイズ・ライフ」にも出演。この作品は、マイケル・J・フォックス主演の「ドク・ハリウッド」(1991年)を手掛けたマイケル・ケイトン=ジョーンズが監督を務め、レオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロが共演したヒューマンドラマ。マグワイアは、このオーディションで知り合ったディカプリオとは現在に至るまで長い付き合いの“親友”で、後に「あのころ僕らは」(2001年)、「華麗なるギャツビー」(2013年)でも共演している。
ウディ・アレンが監督・脚本・主演を務めた「地球は女で回ってる」(1999年)には、主人公ハリー・ブロックが書いた小説のキャラクター役として登場。同年、テリー・ギリアム監督の「ラスベガスをやっつけろ」にも出演している。そして、同じく1999年公開の「カラー・オブ・ハート」では主演を務め、リース・ウィザースプーンと双子の兄と妹を演じた。トム・ハンクス主演の「ビッグ」の脚本を務めたゲイリー・ロスの初監督作品で、その兄妹が「プレザントヴィル」という1950年代の白黒テレビのドラマの世界に入り込んでしまうというファンタジックな要素もあり、コメディー、そしてシニカルな作品でもある。
日本でも2000年に公開された主演作「サイダーハウス・ルール」は、マグワイアの代表作の一つに挙げられる作品。ジョン・アーヴィングの小説が原作で、脚本もアーヴィング自身が書き、駅員役で出演もしている。1940年代、ニューイングランドの孤児院で育った青年ホーマー(マグワイア)は、ラーチ医師のもとで医術を学び、望まない妊娠をした女性たちの出産や中絶手術を手伝っていた。孤児院から出たことのないホーマーだったが、中絶のために訪れたワージントン中尉と恋人のキャンディに「車に乗せていってほしい」とお願い。初めて外の世界に出たホーマーはワージントンの実家のりんご農園(サイダーハウス)で働き、規則(ルール)さえ読むことができない黒人労働者に混じって寝泊まりした。ワージントンは志願してビルマの戦地に出征し、その間にホーマーはキャンディと恋愛関係になってしまう…。シャーリーズ・セロンとの共演が話題となった他、アカデミー賞で作品賞など7部門にノミネートされ、最優秀脚色賞などを受賞している。
同じく2000年公開の「ワンダー・ボーイズ」でのマグワイアの演技も高い評価を得た。かつて“ワンダー・ボーイ”と呼ばれた文学教授のグラディは2作目の小説に取り掛かってから7年たつがまだ完成させることができていない。妻は家を出ていき、友人の妻で大学の学長のサラと不倫し、妊娠させてしまう。大学で開催される作家たちの会議“ワード・フェス”に担当編集者のテリーが原稿を受け取りにやってくるが、グラディの教え子ジェームズの登場で思わぬ事態に発展していく…。大学教授グラディを「アントマン&ワスプ:クアントマニア」(2023年)などでハンク・ピム博士を演じたマイケル・ダグラスが演じ、編集者のテリーを「アイアンマン」(2008年)シリーズのロバート・ダウニー・Jr.、そしてグラディの教え子ジェームズを「スパイダーマン」のマグワイアが演じるという、個性と個性のぶつかり合いも見どころになっている。
代表作「スパイダーマン」との出会い
そして2002年にサム・ライミ監督による映画「スパイダーマン」(ディズニープラスで配信中)が公開され、主人公のピーター・パーカーを演じたマグワイア。まさにハマり役の中のハマり役だった。実年齢はピーターよりも上だが、“心優しい青年”がピッタリのマグワイアは違和感なく、その役を演じていた。2004年に「スパイダーマン2」、2007年に「スパイダーマン3」とシリーズ3部作はヒットを記録。その後、アンドリュー・ガーフィールド、トム・ホランドが“スパイダーマン”を演じたが、2022年公開の「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」で、並行世界からやってきたスパイダーマンとしてマグワイアによる“元祖スパイダーマン”が登場し、3人のスパイダーマンの共演が実現した。これにより、19年と225日という最も長期にわたってマーベルのキャラクターを演じた俳優として、グリーン・ゴブリン/ノーマン・オズボーンを演じたウィレム・デフォーと共にギネス世界記録に認定された。
「スパイダーマン」が公開された2002年あたりから、マグワイアは俳優としてだけでなく、映画プロデューサーとして製作にも多く関わるようになった。大恐慌時代のアメリカに実在した競走馬“シービスケット”と、それを取り巻く3人の男を描いた映画「シービスケット」(2003年)は、先にも触れた「カラー・オブ・ハート」を手掛けたゲイリー・ロスが監督と脚本を担当しているが、マグワイアは主演を務めた他、製作総指揮にも名を連ねた。2010年製作のグウィネス・パルトロー、ティム・マグロウらが主演した「カントリー・ストロング」では出演せずに製作だけに関わっており、2013年のニコラス・ケイジ主演の「ハングリー・ラビット」、トム・クルーズらが出演したロックミュージカル映画「ロック・オブ・エイジズ」も同じく、製作のみで参加している。
2012年に製作会社を設立してからはプロデュース業に比重を置くようになり、主演も務めた「完全なるチェックメイト」(2014年)、クリス・パインとマーゴット・ロビーが出演した「死の谷間」(2015年)、クロエ・グレース・モレッツ主演の「フィフス・ウェイブ」(2016年)など、ヒット作、名作を生み出している。
そんなふうに近年は製作・プロデュースに力を入れてきたが、ブラッド・ピット&マーゴット・ロビー主演の「バビロン」(2023年)では、制作総指揮を務めるだけでなくギャングのボス役で出演し、インパクトを与えた。やはり表に出る俳優としての姿にもまだまだ期待していきたい。49歳、40代最後の年にどんなことをやってくれるのか楽しみだ。
◆文=田中隆信
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