

映画「レッドブリッジ」に出演の豊田裕大・大倉空人にインタビュー!「自分とはかけ離れた役、かなり研究した」

少年院を出たばかりの不良少年たちによる青春活劇映画「レッドブリッジ」と、その前日譚である「レッドブリッジ ビギニング」が、6月4日(土)より池袋HUMAXシネマズにて同日公開する。メインキャストの4人には、豊田裕大、大倉空人、兵頭功海、松尾潤というフレッシュな顔ぶれが揃った。WEBザテレビジョンでは、豊田と大倉にインタビューを実施。役作りの過程や撮影現場での様子を、2人の信頼関係が伝わってくるスペシャルグラビアと共にお届けする。
大輝は、自分と全く違っていた
――それぞれの役柄は、オーディションを通してキャスティングされたそうですが、オーディションに受かったと聞いた時の率直な感想は?
豊田:まさか受かるとは思っていなかったので、すごくうれしかったのは覚えています。同時に、映画に出るのが初めてだったので「主演として、どうやっていこう」「どういう風に作り上げていけばいいんだろう」という緊張感もありましたね。
大倉:オーディションには山嵜監督もいらっしゃって、演技指導をしていただきました。監督がその場で「こうやってみたらどうか」とアドバイスをくださったりして、本当に楽しくて。それで「受かりたい」という思いがすごく強くなっていたので、受かったと聞いた時はうれしさと同時に「良い映画にしたい」という思いもありました。
――ご自分の役柄について、どのように役作りをされましたか?
豊田:大輝と自分の唯一重なる部分としては、見えない何かと戦っているところ。僕も割とフラストレーションをためてしまうタイプなので、何ものかへの反抗心を常に抱いている部分は似ているのかなと感じました。ただ、バックボーンは全く違っていたので、少しでも知るためにYouTubeで少年院に入っていた方のインタビューを見たり、生い立ちや家庭環境が少し複雑なミュージシャンの方のインタビューを読んだりしました。あとは、大輝は養護施設で育ったという設定なので、施設の環境についてなども細かく分けながら調べていきました。
大倉:仲間とワイワイするのがすごく楽しい、という感情は、海斗と似てるなと感じましたが、その他の家庭環境だったり、突発的な行動、ちょっと狂っている感じっていうのは全然違うので、そういう部分は監督や裕大に相談したりしました。あとは細かい部分でいうと、タバコの吸い方とかも慣れているように見せなければいけなかったので、そういう仕草をヤンキー映画を見て研究したりするのは大変でしたが、1から自分で考えることで、自分に新しい知識がついていく感じはすごく楽しかったですし、ワクワクしました。
“最強への道”みたいなヤンキー映画ではなく、ロードムービー
――お2人とも「自分とは全く違っていた」と感じた大輝と海斗という役を演じてみて、共感できた部分はありましたか?
豊田:大輝って実は可愛いやつでもあって。正義感もあるし、一番純粋だし…っていう、可愛げがあるところに寄り添っていきたいなと感じました。そんな大輝と共にいられたのは嬉しかったですし、そういう正義感や純粋な心を自分も持ちたいなと思いました。
大倉:やっぱり、海斗の「仲間と楽しみたい」「何事も楽しくしたい」っていうところはすごく共感できました。僕も「失敗してもいいから行動してみよう」というタイプなので、海斗がとりあえず行動してみて、失敗しても楽しかったら万々歳!みたいな感じで動いているところは、すごくいいなと思いました。
――「薬物」などのセンシティブなテーマも扱っている物語ですが、初めて台本を読んだ時の感想はいかがでしたか?
豊田:僕は最初に台本を読んだ時、何を伝えたくて何を見せたい映画なのかという部分が明確にはわからなくて。健を助けたいっていう目的はあるけど、かといって助けるために工夫する感じでもなかったので、1つ1つの行動についてのバックボーンを考えたほうが良いんだろうな、と思いました。あとはやっぱりセンシティブなシーンが多かったので、それをどれだけ楽しんで思い切って見せるかっていう部分でした。
大倉:いきなり健のところに乗り込んで、負けて、作戦を練ってもう1回! っていう“最強への道”みたいなヤンキー映画じゃなくて、本当にロードムービーで、道中で色々なことをしながらも、健を助けに行くっていう大きな目的は変わらない、そんな物語だなって感じました。だからこそ、一つ一つのシーンをちゃんと演じていかないと、最後に健を助けるっていうところまで辿り着かないと思ったので、細かく聞いてやっていこうと思いました。
山嵜監督は、役者一人一人に寄り添ってくれました
――豊田さんの公式コメントに「コミュニケーション多い現場だった」とありましたが、実際に撮影現場ではどのようなやり取りがされていたんでしょうか?
大倉:山嵜監督が僕たちに言ってくれたのは、「ナチュラルな空気感を大切にしてほしい」ということです。見る側は会話のテンポ感が良くないと面白くないだろうとか、そういうのは考えずに、相手の言葉を受け取って感じたことを話すという本来の会話の流れを大切にしてほしいと言ってくださったので、そこを大切にしようと思いました。山嵜監督は、まず一番最初に僕たちに「このシーンをどうやりたい?」「どういうイメージだった?」と聞いて、役者一人一人に寄り添ってくれるんです。そういう部分に引っ張られて、「この映画を良いものにしよう」と制作陣全員が一丸となるのが強く感じられた現場でした。
豊田:空人が言った通り、みんなで話し合いながら全員で作り上げていくという感じでしたね。僕は、ある時に山嵜監督がポロッと言った「人間ってすぐ裏切るんですよね」みたいなニュアンスの言葉がすごく印象に残っていて。その言葉は僕自身としても大輝としても共感できて、そういう視点で物事を見ているからこそ、「レッドブリッジ」のような物語が生まれるんだなってピースがはまったような感覚がありましたし、じゃあこのシーンはこういう表現をしたほうがいいなっていうのも分かりました。
――特に細かくすり合わせをしたような、撮影が大変だったシーンはありますか?
大倉:「レッドブリッジ」の冒頭で走るシーンは、本当にすごく話し合いました。一番問題だったのは、速度(笑)。カメラマンさんも走るのでお互いにタイミングを測りながら、意思疎通して…。朝イチから撮影を始めて、太陽が真上にくる頃までには撮り終わらないといけなかったので、細かく話し合いながら一つ一つしっかりやりました。
豊田:本当に何周も走りました(笑)。すっごく疲れたよね。
大倉:裕大は、一番距離が長かったしね(笑)。
豊田:僕は「レッドブリッジ」の、歩道橋で幼なじみに会った後に薬物を使うシーン。薬物をクローズアップしたシーンだったので、どういう風に見せるかというのを監督とかなり話し合いましたし、自分でも大輝の気持ちをすごく考えたシーンです。薬物使用後ということもあり、とにかくオーバー気味にやろうと思い、できる限り辛い気持ちや劣等感、僻み、妬みといった人間の嫌なところを出せるように臨みました。
休憩時間も、みんなでずっと歌ってました(笑)
――劇中では大輝・海斗・龍一・健の絆が描かれていますが、現場での4人の雰囲気はいかがでしたか?
豊田:本当に仲良かったです。全員が同世代の現場は初めてだったのですごく楽しみにしてましたし、いい映画を一緒に作ろうっていうポジティブなマインドの人が多かったので、話しやすかったです。あとは、映画の内容がケンカやドラッグ、下ネタとディープなものだったので尚更、仲が深まったのかなと思います。
大倉:僕が一番年下だったんですけど、みなさん本当に優しくて、タメ口でいいよって言ってくれて。だから健役の松尾(潤)くんは「潤くん」、龍一役の兵頭(功海)くんのことは「かつ」、裕大のことも「裕大」って呼んでますし、グループLINEでも「今度ご飯行こう」みたいなことをずっと話してるくらい仲良くなりました。現場でも、休憩時間に誰かが歌い始めたらそれに乗っかって、みんなでずっと歌ってるみたいな(笑)。だからすごく楽しかったです。
――和気あいあいとした撮影現場だったんですね。撮影を振り返って、他に印象深いエピソードはありますか?
豊田:本当に全部が思い出に残ってるというか、一つ一つが楽しかったなって思います。撮影中、みんなロケバスで待機してるんですけど、ケンカのシーンに出る人が「次、ケンカいってくるわ」みたいな感じで、「次、俺風呂入ってくるよ」のノリで言うんですよ(笑)。「そんな感じでケンカいく?(笑)」って面白かったです。あとはとにかく、寒かった! 僕は寒さに弱いので、寒すぎて大変でした。
大倉:僕は裸になって、本物のヤクザにボコボコにされるシーンがあるんですけど、寒い中みんなでパンイチになって、砂利みたいなところで膝ついて寝っ転がってっていうのが本当に楽しかったですね。その時の会話とかも、今でも忘れないくらい鮮明に覚えています。
「レッドブリッジ」で共演した3人は、大切な仲間になりました
――大輝と海斗は、生まれながらの環境に恵まれなかったキャラクターでもあります。最近では“親ガチャ”という言葉もありますが、この作品を通して、改めて自身が置かれた環境について考えることなどはありましたか?
大倉:海斗は、ろくにご飯も食べさせてもらえず盗むしかないという環境で、“親ガチャ”という言葉に当てはめるとしたらハズレなのかなと思います。自分の両親は小さい頃から愛情をもって接してくれて、今でも甘やかしてもらっていますが、誰しもがそうではないという忘れがちな現実を改めて感じましたし、だからこそ、自分の両親への感謝を一段と感じるようになりました。
豊田:僕は割と、自分の置かれている状況が普通であり当たり前だとは思わず生きてきたんです。例えば、学生時代に「あの子はちょっと変わってるから仲間外れにしよう」みたいなことが起きた時、自分と違うからって省こうとするのではなく、一緒に生活するにはどうしたらいいんだろう?という考え方をするのが大切なんじゃないかなって。みんながその目線を持てたら違う世の中になるんじゃないかな、という思いがあったので、この作品もそういう目線で見てもらえたらと思いますし、大輝という役に巡り合えて嬉しいです。
――それでは最後に、お2人にとっての、劇中の4人のような仲間を教えてください。
大倉:やっぱり、「原因は自分にある。」のメンバーです。同じ壁を一緒に手をつないで登って、同じ方向へ向かうために話し合いをしながら、メンバー7人の関係もどんどんいい形になってきて、今がベストの状態。もっともっと上がっていくんだろうなと思うと楽しみですし、苦楽を共にしてきたからこそ、ずっと一緒にいたいなと思います。この6人とならなんでも乗り越えられる気がする、そんな存在になりました。
豊田:僕は高校時代にバスケをやっていて、寮生活をしていました。チームのみんなで学生時代を、同じご飯を食べて同じところで生活して、っていう日々だったので、その時の仲間とは今でも仲が良いですね。そこで出会った親友が就職を機に上京してきたので、たまに会ったりもしています。あとはやっぱり「レッドブリッジで」一緒になった4人も、大切な仲間になりました。一緒にいたいなと思いますね。
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