横浜流星(C)砥上裕將/講談社(C)2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

横浜流星、人気小説「線は、僕を描く」実写映画化 水墨画に初挑戦

2022.03.23 04:00

俳優の横浜流星が、人気小説を実写化した映画『線は、僕を描く』(10月21日公開)で主演を務めることがわかった。


横浜流星主演で「線は、僕を描く」実写映画化

2020年「本屋大賞」3位、2019年TBS「王様のブランチ」BOOK大賞を受賞した青春芸術小説「線は、僕を描く」(砥上裕將著/講談社文庫)。「命が芽吹く物語」「青春って素晴らしい!」「まっすぐで、せつなくて、透き通るような喪失と再生の物語」「最高かよ!水墨画最高かよ!!」と、全国の書店員から絶賛されている本作が実写映画化。

『ちはやふる』を青春映画の金字塔に仕立て上げた小泉徳宏監督を筆頭にした製作チームが再結集し、「かるた」の次は「水墨画」に挑戦する。主演は『愛唄 −約束のナクヒト−』(19)、『いなくなれ、群青』(19)、『チア男子!!』(19)の3作品で、第43回アカデミー賞新人俳優賞を受賞した若手トップクラスの実力を持つ横浜。とあるきっかけで水墨画と出会い、学ぶことでその世界に魅了されていく主人公、青山霜介役に臨む。

大学生の青山霜介はアルバイト先の絵画展設営現場で運命の出会いを果たす。白と黒のみで表現された「水墨画」が霜介の前に色鮮やかな世界となって拡がる。水墨画の巨匠・篠田湖山に声をかけられ、霜介は「水墨画」を学び始める。「水墨画」とは筆先から生み出される「線」のみで描かれる芸術。描くのは「自然(命)」。目の前にある「命」を白と黒だけの世界で表現する。霜介は初めての「水墨画」に戸惑いながらもその世界に魅了されていく…。

横浜流星、水墨画に初挑戦

横浜流星(C)砥上裕將/講談社(C)2022映画「線は、僕を描く」製作委員会
横浜流星(C)砥上裕將/講談社(C)2022映画「線は、僕を描く」製作委員会
『愛唄 −約束のナクヒト−』(19)、『いなくなれ、群青』(19)、『チア男子!!』(19)の3作品で、第43回アカデミー賞新人俳優賞を受賞、その後も『きみの瞳が問いかけている』(20)や『あなたの番です 劇場版』(21)などヒット作品にも出演した横浜。2011年に俳優デビューして以降、数多くの映画作品に出演。「2020年 エランドール賞」新人賞受賞、「第15回ソウルドラマアワード」アジアスター賞受賞と、いま最も勢いと人気がある。

横浜は本作で「水墨画」に初挑戦。役作りのため、撮影前には水墨画家の小林東雲のもとで1年以上もの時間をかけて「水墨画」の練習を繰り返した。「その日、その時の感情によって、描く線が変わる水墨画の無限の可能性に驚かされた」と語る横浜は、霜介として瑞々しい演技を魅せる一方で、見事な筆さばきを披露している。

「ちはやふる」製作チーム再集結 王道の青春映画に

2016年、『ちはやふる-上の句-』が公開されて以後、『ちはやふる-下の句-』(16)そして『ちはやふる-結び-』(18)とシリーズを追うごとに大ヒットを続けた本シリーズ監督の小泉を筆頭にした製作チームが『線は、僕を描く』で満を持して再集結。

白と黒のみで描かれる「水墨画」を、色鮮やかな世界としてまばゆいほど瑞々しく描き出している。メガホンを取った小泉は本作の映画化について「世界は変わっていく、自分も変わっていく。そんな中でも決して変わらない想いを、水墨画の研ぎ澄まされた表現とともに映画にしたいと思った」と語る。また主演の横浜に対しても「美しさと儚さを合わせ持つ横浜流星という稀有な俳優がいればこそ、この難しい題材を体現できた」と話しており、本作の仕上がりに期待が高まるばかりだ。(modelpress編集部)

横浜流星コメント

原作を読んで、まず僕自身も霜介と共に水墨画の魅力に引きこまれ、喪失を抱えた霜介が水墨画と出会い、温かい人々と出逢い、自分の止まっていた時間を動かし、再生していく様を繊細に演じられればと思いました。霜介は、暗い過去を背負う中で、水墨画と温かい人と出会う青年です。水墨画に対する真っ直ぐな想いや大切な人たちの言葉をしっかり受け止める事が大事だと思い、霜介として生きました。

水墨画は、真っ白な紙に一本の筆と墨だけで描かれる絵です。その日、その時の感情によって、描く線が変わってくるので、繊細で、毎回不思議だな、奥深いなと感じながら、その無限の可能性に驚かされていました。この作品をきっかけに水墨画の魅力がたくさんの人に伝わればいいなと思っています。

小泉徳宏監督コメント

前作の映画『ちはやふる』を作り終えて、急激に変わっていく世の中を目の当たりにしながらいまの自分には何ができるのか、何を描くべきなのかをずっと考えてきました。悩み抜いた末に辿り着いたのが一本の『線』についての物語。

世界は変わっていく、自分も変わっていく。そんな中でも決して変わらない想いを、水墨画の研ぎ澄まされた表現とともに映画にしたいと思ったのです。美しさと儚さを合わせ持つ
横浜流星という稀有な俳優がいればこそ、この難しい題材を体現できました。僕らの新しい挑戦にぜひご期待ください。

北島直明プロデューサーコメント

『僕は、線を描く』ではなく、『線は、僕を描く』。原作小説を読み、そのタイトルの意味を理解した時、グっときて、涙が出た。すぐに、小泉監督に企画を持って行った。「監督にしか描けない世界だ」と。このタイトルに込められた砥上先生の想いに応える為には、“僕”が重要。とても重要。憂いがあって、繊細で、生きる事に真摯で、生命力に溢れていて、そして、筆を持つ姿が美しくなければならない…ふと、2015年に一緒に仕事をした役者を思い出した。それが横浜流星さん。『線は、僕を描く』の意味を横浜さんが見事に体現。また、グッときて、涙が出た。

原作者・砥上裕將コメント

一本の線を引くこと。ただそれだけを追求する原作小説は、水墨画家である私の『日本水墨画に対する願い』でした。それが映像化されることは『日本水墨画の夢』です。企画が動き始めてから、小泉徳宏監督は貪欲に水墨画について勉強され、お会いした時には幾つもの質問を受けました。その問いの鋭さはそのまま脚本に反映されていて、私自身が生み出した絵としての『線』や物語との結びつきを強く感じました。

主演の横浜流星さんとは、一緒に水墨画の初歩である春蘭を描きました。静けさの中、心を研ぎ澄まし謙虚に深く学ぼうとする横浜さんが、主人公・青山霜介の姿とはっきり重なりました。お二人とお話をしながら、この映画に大きな夢を抱きました。公開を心より楽しみにしております。

水墨画監修・小林東雲コメント

一本描くと何となくその人の性格が分かるんですけど、横浜さんは強い線を描かれるんです。決してキツい線ではなくて、温かみがある。精神的に強い方だけども、カドのようなガサガサした線ではないんですよね。粘り強いし謙虚。本当に練習なさって技術を習得して、役柄にちなんだナイーブな線も描けるようになってきた。忙しいお仕事の合間もこちらに通って、集中的に勉強なさっていました。その姿勢は本当に僕としても頭が下がるし、敬意を表するところですね。
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