鈴木福

鈴木福が明かす、子役ではない“役者”としての自覚「加藤清史郎くんとの共演で心構えが変わった」

2021.07.16 06:45
鈴木福

「仮面ライダー」50周年×「スーパー戦隊」45作品を記念した映画「セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記」が、7月22日(木・祝)に公開される。本作に物語の鍵を握る謎の少年役として出演する鈴木福。以前から「仮面ライダー」の大ファンであることを公言している彼に、同シリーズの魅力とありあまる愛をたっぷりと語ってもらった。

「(出演決定を伝えたら)母と妹が泣いて喜んでくれた」

――以前、今後やってみたい役は「大好きな仮面ライダー」と答えていましたが、今回その夢が半分叶ったように思えます。オファーを受けたときの気持ちを教えてください。

「仮面ライダー」の45周年を記念した雑誌のインタビューの際に、「50周年の時にはどんな役でもいいので出たいです!」と言っていたので、それを叶えていただけて感謝しかないです。“仮面ライダーになりたい”という夢はまだ先の話ですが、「仮面ライダー」に関する目標が現時点で一つ叶ったというのは、本当にうれしいですね。マネージャーさんから「『仮面ライダー』決まったよ」という連絡が来た時は、家の中で一人で飛び跳ねて喜びました。家族が「どうした!?」という顔をしていたので、決まったことを伝えたら、母と妹が泣いて喜んでくれたんです。本当にこれまでお芝居を頑張ってきて良かったなと思いましたね。

――台本を読んでみて、どう思いましたか?

衣装合わせの日に台本をいただいて帰りの車の中で読んだのですが、ワクワクして撮影が待ち遠しくて仕方なかったです。

「現場に僕一人というのが初めてだった」

――福さんはすでに芸歴が約15年ありますが、今回の現場で学んだことや新しい発見などは?

これまで「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」の現場に入らせていただくことがあまりなかったので、今回、間近で変身シーンを見られたことにまず感動しました。また監督さんとはセリフの言い方や動きなどを相談させていただいて、「ここはこうした方がいい」といったアドバイスもたくさんいただけたので、勉強になりました。僕の役はヒーローではなく現実の存在だったので、自然のお芝居が求められていたのですが、他の役者さん方は物語の登場人物という設定だったからまたちょっと違って。決めゼリフっぽいものがある中で、自然にもやらなければならなかったので、難しそうだなと。現場では、そんなことをいろいろと見たり考えたりしながら楽しくお芝居をすることが出来ました。あとは「仮面ライダー」の撮影では、出演者はみんな一緒にマイクロバスで移動が基本になるので、今回マネージャーさんは送り迎えだけでした。現場に僕一人というのも初めてだったので、すごくいい経験になりましたね。

――「仮面ライダーになりたい」というのが、役者というお仕事を続けていきたいという一番の動機付けになっているのでしょうか?

そうですね。元々は楽しいというのが一番の理由でお芝居をやっていたのですが、一昨年くらいに役者として頑張らなければいけないと思い始めて。僕としても、今思うと本当に最悪だったなと思うのですが、映画「決算!忠臣蔵」(2019年)という作品で中村(義洋)監督に「もう子役じゃないんだから」と言わせてしまって…。でも、それを言っていただけたことで、「あ、そうだ。俳優として頑張らなきゃなんだ」と気付かされました。あと、加藤清史郎くんと共演した時に、「楽しいね!」と言いながら演技してる姿を見て、「あ、そうだよな。やりたいことコレだよな」ってハッとしたんですよ。そこから役者としての心構えが少し変わってきたのですが、一番のモチベーションは仮面ライダーになることです。年齢的にも仮面ライダー適齢期になってきてることに気付いて、より頑張らなきゃと思うようになりました。仮面ライダーになりたい欲は年々高まっているので、なれる人間にならなきゃなと。

――福さんにとっての「仮面ライダー」とは?

僕にとっては本当に大きな存在です。幼稚園の頃から大好きなんですが、こんなに熱中することができること自体すごいことだし、「仮面ライダーになりたい」という目標があるからこそ日々頑張れているところもあります。バラエティー番組をはじめ、いろいろなところで「仮面ライダー」のお話をさせていただいて、それで僕を知ってくださった方もいるだろうし、いろんな方に「仮面ライダーになりたいんでしょう? 頑張ってね」などと応援していただけるので、ありがたいですね。

「『仮面ライダー』の最大の魅力は、見る人を選ばないところ」

――“ヒーロー”という存在に助けられたことはありますか?

「仮面ライダー」のお話をするために番組や雑誌などに呼んでいただけたりしたことで、いろいろな経験を楽しくさせてもらえています。特にバラエティー番組に慣れるきっかけをくれたのが「仮面ライダー」かなと。小さい頃は、自分の思ったことを言うことが苦手に感じていたので、バラエティー番組がすごく難しくて…。例えば、こういうインタビューとかでも僕は事前に質問案をいただいて、それを一つひとつしっかり考えてからじゃないと安心して臨めないんですよ。でも、「仮面ライダー」の話をする時は、何も考えなくても言葉が自然に出てくるから、それが知らず知らずのうちに自信に繋がっていったように思います。あと「仮面ライダー」の話をきっかけに、僕のことを面白いと思ってもらえて、番組などで使ってくださるようになったスタッフさん方もいらっしゃると思うので、そういう意味では今の僕があるのは、ヒーローのおかげと言っても過言ではないです!

――福さんは2歳の頃すでに「仮面ライダー」が大好きだったということですが、「仮面ライダー」の最も好きなところを教えてください。

いろんな魅力があるところですね。僕はもともとバイクが好きで、バイクに憧れを抱いていたことがきっかけで「仮面ライダー」を見始めるようになったんです。そこからシリーズを通して見ていく中で、ドラマとして面白いのはもちろん、単純に戦っている姿がかっこいいとか、俳優さんが好きだとか、ヒロインの女の子に憧れるだとか、いろいろな入口がある作品だなと思いました。他にも変身ベルトのおもちゃが楽しいとか、フィギュアがすごいとか、そういった子供や大人それぞれに対応したグッズがあるのもいいですよね。コレクション要素があるところもまた多くの人が夢中になる理由かなと。本当にいろんな方向から楽しむことができるので、見る人を選ばないところが最大の魅力かなと思います。

――では、「仮面ライダー」に詳しくない人に魅力をどうプレゼンしますか?

面白い要素がたくさんあって、どんなところからも入口があるので、相手の興味を引くものや何か引っかかるところを見つけて、そこをプッシュします。その方の年代にもよりますけど、例えば俳優さんに興味がある20代の女性だったら、佐藤健さんが主演の「仮面ライダー電王」や桐山漣さんと菅田将暉さんがダブル主演の「仮面ライダーW」、竹内涼真さんが主演の「仮面ライダードライブ」とかをまずはオススメしてみますね。そういった感じで各々に合った作品があると思うので、それをぜひ見つけていただけたらなと。どんな理由で好きになってもいいと思うんですよね。

「正義は一つではないということを痛感する」

――なるほど。たしかに「仮面ライダー」は子供向けというイメージがあるけど、実際は老若男女が楽しめる作品ですよね。福さんは「仮面ライダー」を通して学んだことはありますか?

ただかっこいいから、ドラマとして面白いに見方が変わり始めたのが、ここ5年くらいなのですが、王道な正義と悪としての正義の戦いという構図が深いなと。「仮面ライダーゼロワン」は「悪意」という言葉で一つに括られていましたが、今回の「仮面ライダーセイバー」などは正義と正義がぶつかっているので、難しいなと考えさせられますね。正義は一つではないということを痛感します。

――では、福さんが最も好きな「仮面ライダー」のシリーズは?

(食い気味に)決められません。自分の中で好きなシリーズを一つ挙げるというのは難しいのですが、思い入れがあるシリーズとしては「仮面ライダー電王」と「仮面ライダーオーズ」ですね。「仮面ライダー電王」は、僕が始めて「仮面ライダー」シリーズを見た作品でもあり、ハマったきっかけでもあるので。「仮面ライダーオーズ」は、手を洗う少年として出させていただいたので、思い入れがあります。

――「仮面ライダー」50周年ということで、これまで100名以上のライダーが誕生していますが、仮面ライダーの条件のひとつとして“人間以上の能力を持った戦士”という点があります。福さんは一つだけ特殊能力を持つことができたら、どんな能力を持ちたいですか?

(即答で)仮面ライダーに変身したいです! 一回、変身してみたいですね(笑)。あとは単純に瞬間移動とか。

――福さんだったらどんな「仮面ライダー」を生み出したいですか?

小さい頃は“仮面ライダーピザ”というものを勝手に作って、ずっと演じていましたね(笑)。ピザをベルトに入れると回って「ジョキン」って切れる、そしてピザに変身するというピザライダーです。でも、成長するにつれて、ちょっとダサいなということに気が付いて、だんだん言わなくなったんですけど…。うーん…難しいな…あっ! 仮面ライダーが好きな少年が変身する「仮面ライダー」はどうですかね? おそらく今までにないと思うので、それもありなのかなと。でも、何にせよベルトがカッコイイ仮面ライダーが一番ですね(笑)! あと最近バイクに乗る仮面ライダーが少ない気がするので、カッコイイバイクを乗りこなす仮面ライダーがいいな。

取材・文=戸塚安友奈

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