夏木マリ、10年ぶり主演映画出演の決め手は?「普段妖怪とかが多いものですから」<生きる街>
2018.02.01 19:56
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夏木マリが1日、都内で行われた映画『生きる街』(3月3日公開)の完成披露試写会舞台あいさつに、メガホンをとった榊英雄監督とともに登壇した。
夏木マリ、10年ぶりの映画主演「生きる街」
夏木が10年ぶりに映画主演を同作は、東日本大震災で被災して生活が一変し、心がすれ違い始めていた家族が、かつて同じ町に住んでいた韓国人が持ってきた“ある人の手紙”をキッカケに、再び歩み出す姿を描くヒューマンドラマ。津波に流された夫が戻ってくると信じて、地元を離れず生きる佐藤千恵子役を夏木、被災のトラウマから子どもを持つことを恐れる娘の香苗役を佐津川愛美、何でも震災のせいにして人生から逃れる息子の哲也役を堀井新太、韓国からある人の手紙を持ってやってくるドヒョン役をイ・ジョンヒョン(CNBLUE)が演じる。
夏木マリ、出演の決め手の1つは“人間役”
復興支援に尽力してきた夏木は、同作のオファーが来た際の心境を尋ねられると「(映画を)撮ったときは2016年11月だったんですけど、(東日本大震災から)5年目の、みんながちょっと忘れかけてきたころに、こういう映画を観ていただくにはとてもいいなと思いました」と吐露し、「あと、私はこういう普通のおばさんの役をやることが少なくて、普段妖怪とかが多いものですから、演じてみたい役だったので、その2つの理由でやらせていただきたいなと思いました」と説明した。また、同役を演じる上で意識した点を聞かれると「歳も近いですが、決定的に違うのは、震災に遭っていないということで、私が感じていないことだったので、役作りにどう反映できるかなというのが1番悩みどころだったんですけど、事実と向き合って前向きに生きて行く明るいおばさんだったので、できるかしらと思って挑戦させていただきました」と回答。
そして「方言があるんですけど、これは俳優にとって時間がかかる作業で、地元の方に観ていただいたときにそこが引っかかってストーリーに入り込めないのは嫌だなと思ったので、そこは時間を使いました」と打ち明けた。
夏木マリ、撮影地・石巻市で得たもの
撮影は石巻市で行われたそうで、土地から得たものもあったか尋ねられると「私は民泊のおばさん(役)で、2週間民宿に泊まらせていただいたんですけど、その民宿のおばさんにこの5年のことを伺って、演技にすごく役立ちました」と感謝。「復興の支援の落差で近所の付き合いが悪くなっちゃったとか、そういう私たちが気付かなかったことを教えていただいたりしたので、そういうギクシャクもどこかにあるのかなと思いながら、役作りの参考にさせていただきました」と語った。
夏木マリ、榊英雄監督に公開クレーム?
また、撮影で印象に残っていることを聞かれると「監督は俳優さんでもあるので、放っておいてくれるところはいい意味で全部丸投げ。それとしつこいところは…私の演技がダメだったんでしょうね。何回も何回も撮るんですよ。涙が枯れるまで撮ったんですよ。そのシーンはカットされていますけど…」とぼやいて会場を沸かせ、監督が焦る横で「1/4くらい映っていますよね。そこのいいシーンだけが残っていますので!」と胸を張った。さらに「“生きる”という、死ぬまで答えが出ないことを、私もこの映画で勉強しました」と感慨深げに語った夏木は、締めのメッセージを求められると「いい映画ができたと思います。故郷だったり家族だったりを思い出す映画にもなっています。震災を体験していなくても、この映画を観終わったら“家に電話をしよう”とか“故郷に帰ってみよう”とか、そんな思いにもさせられます。私も“いない人を愛する”ってどういうことだろうとか、愛について考えた2週間でした。素敵な映画になりましたので、お楽しみください」とアピールした。(modelpress編集部)
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