放っておくと老ける!? お肌の大敵「鉄欠乏性貧血」とは? 女性ヘルスケア専門看護師マリリンのおしゃべり相談室 第4回

なんとなくの不調、見過ごしていませんか?
月経のリズム、気持ちの波、ちょっとした体のサイン。
女性の毎日には、理由のわからない「ゆらぎ」がつきものです。
企業で働く女性たちの健康を長年支えてきた産業看護師が、
女性ホルモンと心と体のつながりについて、やさしく、ていねいにひも解いていきます。
「自分をもっといたわる」きっかけに、今日のお話を読んでみませんか?
第4回 お肌の大敵!怖い貧血 <その1>

「あなたは鉄欠乏性貧血ですね」と医師に言われたとき、すぐに治療を受けようと思いますか?
女性の場合、その原因の多くは月経による鉄分の喪失です。徐々に進行して慢性化するため、身体がその状態に慣れてしまい、自覚症状がないことも珍しくありません。
自覚のない“鉄不足”
健康診断の結果で鉄欠乏性貧血が分かったTさん。
「ヘモグロビンが10未満なので、貧血はかなり進んでいます。早めに治療を受けてくださいね。月経量は多くありませんか?」とお伝えすると、Tさんは少し不満そうにこう答えました。
「いつも貧血って言われるけど、症状もないし……。月経量って人と比べられないからわからないです。時間もないし、治療を受けなきゃいけませんか?」
実際、貧血の治療を勧めると、こうした反応をされる方は少なくありません。
けれども、貧血は決して軽視できない病気です。
「体が酸欠状態」になる怖さ

鉄欠乏性貧血とは、体内の鉄分が不足することで、赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)が十分に作られなくなるために起こる貧血のことです。
ヘモグロビンは、肺で取り込んだ酸素を全身の細胞へ届ける重要な役目を担っています。そのため不足すると、動悸、息切れ、疲労感、眠気、不眠、頭痛、うつ症状など、さまざまな不調が現れます。
つまり、身体は常に“酸欠”状態。酸素が足りないことで、髪・爪・粘膜・お肌などにも悪影響が及び、老化のスピードを早めてしまうのです。
美容にも直結! 治療を促すひと言
貧血が慢性化すると、肌のくすみや抜け毛、爪のもろさなど、美容面の変化も現れます。
そんなとき、私はこう伝えるようにしています。
「全身が酸欠状態なんですよ。放っておくと老化が進みます。どんなに高い化粧品を使っても、意味がなくなってしまいますよ」
この言葉で、多くの方がようやく治療を受ける決心をしてくれます。
まずは婦人科の受診して、 OCを味方に!

鉄欠乏性貧血の原因には、妊娠・出産、偏った食生活、無理なダイエットによる栄養不足、過多月経(経血量が多い月経)などがあります。さらに、子宮筋腫や胃潰瘍などの出血が関係することも。

女性の場合、まずは婦人科の受診をおすすめします。
治療は鉄剤の内服や注射による鉄分の補給が基本で、月経量のコントロールも重要です。鉄やたんぱくを補っても出血が続けば、まるで“穴のあいたバケツに水を注ぐ”ようなものだからです。
女性ホルモンのバランスの乱れや子宮筋腫による過多月経がある場合、鉄補給とあわせてその他の治療法を検討します。
手術が不要な場合、過多月経の治療の選択肢としてまず挙がるのが OC(低用量ピル) です。OCは女性ホルモンの波を一定に保ち、排卵を抑えることで月経量を非常に少なくします。
日本でのOCの普及率は2〜3%と、欧米(30〜70%)に比べてまだ低いのが現状です。
避妊効果は99%と非常に高く、それだけでなく月経周期に伴う不快な症状を軽減し、月経量も大幅に減らします。
また、お肌の調子が良くなるなど、美容面での“うれしい副効果”も沢山あるのです。
PMS(月経前症候群)の症状がつらい方にもOCは有効です。さらに、7年以上服用すると卵巣がんのリスクは7分の1に減少し、大腸がん、子宮体がんの予防にもつながることが分かっています。子宮内膜症の予防や進行の抑制にも効果的です。
服薬時の注意とポイント

ただし、OCの服薬には注意も必要です。
服用を始めてから2か月ほどは、つわりのような吐き気を感じることがあります。また、まれに静脈血栓症が起こる場合もあります。
喫煙者や高血圧の方は特に注意が必要です。血液が凝固しやすくなるため、日常的に水分をしっかりとることが予防につながります。もし足や胸の痛みを感じたら、すぐに主治医に相談しましょう。
吐き気は時間とともにおさまり、静脈血栓症のリスクも服用2か月を過ぎるとぐっと低くなります。
鉄欠乏性貧血は、見た目にも心にも大きな影響を及ぼします。「疲れやすい」「肌の調子が悪い」「顔色が気になる」、そんなときこそ、体の中の鉄分に目を向けてみてください。
そして、気になることがあれば、まずはレディースクリニックへ。
信頼できる主治医と一緒に、自分の体と丁寧に向き合いましょう。
教えてくれた人看護師マリリン
在阪企業の産業看護師として活動中
女性の健康のサポートの必然性を感じ、セミナーなど多数実施
女性医学学会認定女性ヘルスケア専門看護師 女性心身医学学会認定専門看護師
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