沖縄から世界へ!琉球ゴールデンキングスの見据える未来に勝村政信も大きな期待

2024.05.12 08:00
提供:TVerプラス

5月11日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)は、プロバスケットボール・Bリーグの琉球ゴールデンキングスによる、地域活性化のための取り組みを追った。


3年前にホームタウンである沖縄県沖縄市に完成した沖縄アリーナには、試合観戦を楽しく快適にする様々なアイデアが詰め込まれており、試合のある日は常に満員。Bリーグ最速で来場者数100万人を突破した。そんなファンの熱狂を生むキングスの情熱がスタジアムの外にも広がりを見せている。


クラブとアリーナの運営に携わる琉球ゴールデンキングス執行役員・沖縄アリーナ取締役の仲間陸人は「キングスとしてお客さんがたくさん入ってくることによって、沖縄市の街の方々が盛り上がっているなというのはすごくありまして。企業さんたちが一緒になって、キングスを活用して街を盛り上げようっていう思いがすごく増えてきたかなと思っています」と指摘。キングスの掲げる「沖縄をもっと元気に!」という理念に賛同し、共に地元を盛り上げたい企業が増加しているという。


その一例として、沖縄市ではコンビニチェーンのファミリーマートとコラボした「キングスマート」が誕生。キングスの選手たちのクールなビジュアルとチームカラーが店の外壁を全てジャックし、店内の一番目立つ場所にはクラブのオフィシャルグッズが並ぶなど、キングス一色となっていた。シーズン中は県内の様々な店舗で展開されるファンにはお馴染みのコラボ企画で、おにぎりやパンケーキなど、選手とのコラボ商品も人気なのだとか。


なぜここまでコラボに力を入れているのか。ファミリーマートの広報担当者は「沖縄ファミリーマートのテーマとしては、“地域ド密着”。地域密着を超えた“地域ド密着”でいこうっていうのがありまして、キングスさんも“沖縄をもっと元気に!”っていうテーマがありますので、沖縄の人も含めて喜んでもらえることをどことんやっていこうっていうのがはじまりです」ときっかけを明かした。コラボは今年で11年目。解説の都並敏史は「ベースに“沖縄をもっと元気に!”があって、それに共鳴してファミマもキングスも信念を持ってずっと地道にやられていたということが、すごく大事なんだなと感じますね」と納得していた。


また、キングスではホームタウンである沖縄市そのものを元気にする取り組みにも注力。特に、アリーナのお膝元であるコザを活性化するために、ある施策を行っていた。仲間は「沖縄市は実は観光地ではなくて、特にコザエリアは過去には栄えていたんですけど、その後、徐々に衰退していってしまって。それが今、沖縄アリーナという建物ができて、街を活性化させていこうというのが、我々が沖縄市さんと一緒にやらせていただいている流れです」と説明。その活性化のための一歩が商店街との連携だった。


米軍基地に隣接しているコザは、戦後の沖縄で初めてアーケード街が作られるなど、かつて県内随一の繁華街として賑わうも、今はその面影だけが残り、多くのエリアがシャッター通りになっている。沖縄市はコザに活気を取り戻そうと起業セミナーを行い、若者の移住を支援。移住や出店が増加しはじめてきたところに、追い風を吹かせたのがキングスだった。


商店街の代表からの要望を受ける形で、クラブと街がコラボした「キングス商店街」が誕生。試合の日には各店のスタッフがユニフォームで接客し、チームを後押し。クラブ全面協力のもと、クーポンの配布や選手グッズが当たるキャンペーンなど、商店街に行きたくなる施策も次々と展開している。


さらに無料のシャトルバスが運行し、商店街からアリーナへとファンを運んでいた。キングスでは、コザに車を停めて、アリーナへはシャトルバスで向かうことを推奨。これにより、周辺の渋滞を防ぎながら、試合後に商店街へ立ち寄ってもらい、地域経済を回すための仕組みを構築していた。


実際にキングスが勝利した試合の後に商店街を訪れると、勝利の祝杯を上げる大勢のキングスファンを発見。あちこちの店で“喜びの宴”が繰り広げられていた。キングス商店街を舞台に広がっていく人と人との輪。その盛り上がりが最高潮に達したのが去年の6月だった。キングスが日本一を成し遂げたことにより、キングス商店街では優勝パレードを実施。街はかつて無いほどの人であふれ返り、約2万もの人がキングスの優勝を祝った。


そして、沖縄市を盛り上げるキングスは、次なる一手に向けて動き出している。仲間はこれまでの取り組みによって良い効果が出ているとしながらも、県外にどこまでキングスが知られているのかは疑問だったと吐露。「沖縄といったらキングスだよねっていうのを、県外の皆さん、国民の皆さんに知ってもらえるような、例えばニューヨークでいったらヤンキースみたいな存在になれるようなブランドを作り上げていきたいなと思ってます」と主張した。


国内での認知度アップのために、キングスでは人気ファッションブランドのビームスと手を組み、2022年には第1弾として、日本一乗降者数の多い新宿駅構内にポップアップショップをオープン。昨年は第2弾として、イメージビジュアルに沖縄出身の黒島結菜を起用し、より幅広い層への認知を図った。


さらなる認知度向上のために、ゆくゆくは海外のホームゲーム開催も見据えているという。仲間は「沖縄をもっと輝かせるために、沖縄の県民の皆さんにもっと誇りになってもらう球団を目指していますので。その一つとして、海外でのホームゲーム開催にチャレンジしてみたいなと考えています」と告白。続けて、候補地に台湾を挙げ、「バスケ人気がすごく高いエリアですし、台湾のお客さんも盛り上がりはすごいので。台湾の方々にキングスを知ってもらいたいなと思っています」と意気込んだ。


キングスの取り組みや見据えている未来について、MCの勝村政信は「皆さんがそれぞれ思っていたことが、一つのバスケットボールのチームが回転しはじめたことによって巻き込んで、ものすごく大きくなっていく」と総括。「ちょっと考えると無理だろうって思うんですけど、この大きな流れって、もしかしたら世界に行っちゃうんじゃないかなって思えるぐらいの説得力がありましたね」と感心していた。

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