松本まりか、旅の醍醐味語る「スケジュールに縛られず、何かが降りてきたらそっちに向かってみる!」

2024.02.23 09:00
提供:TVerプラス

松本まりかさんが主演するドラマ『地球の歩き方』サイパン「七色の海と精霊特集 サイパン島 マニャガハ島 テニアン島」編(テレビ大阪・BSテレ東、土曜24:55~)が2月24日から3週にわたって放送されます。


本作は、旅好きの松本さんが『地球の歩き方』編集部から「特集を組んでほしい」と依頼を受けて、現地へ旅立つところから始まります。松本さんが向かったのは、15歳の初海外から6回連続、撮影で訪れたというサイパン。実は、サイパンに対して「苦い思い出もある」という松本さんが、現地で様々な人物と出会い、新たな魅力を発見し、オリジナルの特集ページを完成させていきます。


信頼する竹村武司さんの構成だからこそ、“想定を越える出来事”との出会いを大切にしたいと、あえて台本を読まなかったという松本さん。受け身ではなく、能動的にサイパンと向き合うことで変化した思いと、撮影秘話を聞きました。


――本作はリアルとドラマがミックスされているそうですが、割合としてはどのような感じになるのでしょうか。


そこは、ミステリアスさを残したほうがいいかなと思っています。リアルとドラマが入り混じっているので、どこまでがリアルで、どこからがドラマなのかを想像しながら見ていただくのが、このドラマの楽しみ方なのかなと。最初はほとんどがリアルで撮影が進んで行ったんですけど、「このままいくとずっとリアルになってしまう」と思って、「ここはドラマにした方が面白いんじゃないかな」というポイントが現場で思いついた時に、もう1回撮り直したんですよね。そんなフィクションの部分とリアルな部分をミックスしてドラマとして成立させるために、「もうちょっとここをこうしよう」と毎晩ロケが終わった後に、スタッフさんとご飯を食べながら語り合っていました。


――ドラマでありながら、“現場で展開が変わっていく”というのはいかがでしたか?


用意されている台詞ではなく、その場で感じたものだけで表現をしていったことで、演技の根本の部分にあらためて気づくことができました。ふだんのお芝居では(設定や台詞など)すべてが用意されているけれど、何かを見て、体感して、それに対して驚きや感動などのリアクションがあって、それを言葉にするというこの感覚を大切にしながら今後もお芝居をしていきたいと思えました。


――役者としては先の展開を知っていても、演じているキャラクター自身はこの先に何があるか、わからずに生きているわけですもんね。


そうなんです。あとは、アドリブ力みたいなこと……ですかね。すべてが決められた世界ではなくて、自分の感性を信じて、自分で何かを表現するのは、役者としてすごく大事な筋肉だと思うんです。フェイクドキュメンタリーは怖いので嫌だ、という方もいらっしゃるみたいですけど、私は大好きです。リアルにドラマをちょっと混ぜる面白さがたまらなく好きで、このジャンルの常連になりたいです(笑)。


――具体的に、どのあたりに魅力を感じますか?


“自分”だと、あくまで“自分”だからやっぱり嘘がつけないんですよね。“自分”というものに縛られているというか。今回の旅では大きな精霊の木を前に、「精霊を感じますか?」と聞かれたけれど、正直、私にはわからなかった。でも、「ちょっと待って。これはドラマだよね」と。そこで「1枚、フィルターを入れていいですか?」と、“役者”になることで、自分の表現が一気に広がりました。役が入ると、素の自分ではできない表現ができる。自分から自由になるというか、演技になると大胆な表現をしだす自分に気づきました。そこは今まであまり言語化できていないことだったので、すごく面白い発見でした。


――サイパンには苦い思い出もあったそうですが、今回あらためて訪れた感想は?


実際に行ってみて、今まで本当にサイパンの表面しか見ていなかったことに気づきました。彼らはすごく幸せそうに生きていて、その幸福感や充実感、すべてのものに対するリスペクトが私の琴線に触れて、今回はその意味を探る旅になりました。彼らは私にとって必要な人たちでしたし、日本のみなさんにとっても今、すごく大事なものを教えてくれるんじゃないかなって。すぐに飛びつきたくなるような、きらびやかな街や文化ではないけれど、本当の意味で幸せを感じることができる。そのヒントみたいなものが、今回の旅で垣間見えるんじゃないかなと思います。


――サイパンへの思いが大きく変化したんですね。


はい。それに私は、このチームのみなさんと行けたことが何より幸せで。今回は「サイパンで何を見つける旅なのか」という最終ゴールが見つからないまま現地に行ったので、納得できるような最後に落とし込めるのかどうか、自分自身も、一緒に行っているチームも未知の状態だったんです。「その答えをこの数日の間に、いかにして見つけようか」といろんな意見を出し合った結果、見つかったゴールなので、それはもう私の中では感激というか、大きく心揺さぶられるものでした。生きていく上で大事な気づきを得た作品になったと思います。


――みなさんで意見を出し合ったそうですが、松本さんはふだんから人の意見を積極的に取り入れるタイプなのでしょうか。


そうですね。私は自分の感性よりも、人の感性には英知があると信じているので、人の意見を聞くようにしています。それに、私は自分の人生しか生きていないけど、相手から出た言葉を取り入れることができたら、2倍の人生を生きられたことになるんじゃない!? って。役について考える時も同じです。「この人の考え方、全然わからない」と思いながら台本を読んで、なんでこんな考え方になったのかを一生懸命知ろうとすることで、その人生観を吸収できる。今までの人生、そうやって生きてきたような気がします。


――あらためて、今作の原案である『地球の歩き方』にはどんなイメージがありましたか?


旅好きとしては、一番いい教科書というイメージがあります。一番スタンダードであらゆる情報が載っているので、まず『地球の歩き方』を買って、これを基本に他の資料を集めて、勉強して、旅に行く。何も読まないで行く時もありますけど、やっぱり読んでから行く旅は、深みが増すように思います。


――たしかに知識があるかないかで、同じ景色でも見え方が違ったりしますもんね。


そうなんです。長く時間をかけられる旅なら何も情報を入れなくてもいいですけど、1週間、2週間の旅で“大人の旅”をしたいなら、きちんと歴史を知ることも大事ですよね。『地球の歩き方』は現在の情報だけじゃなく、歴史や生活感、お金がどのくらいかかるのかとか、本当にいろいろなことが書かれていて。すごく理解度が深まるので、私は読んでから行くべきかなと思います。


――松本さんがふだん旅へ行く時に、決めていることはありますか?


「予定を決めすぎない」ということですかね。その場の出会いと、その時の感性を大事にしたいなと思っています。もちろん“行きたいところリスト”はあった方がいいと思うけど、何かが降りてきちゃったら、そっちに向かってみる。スケジュールに縛られず、自分の殻を破ってみる。そのための旅じゃない? と私は思うんです。ふだんは型にはまって、ルーティンで生きていることが多いですよね。だけど旅では、そこからいかにはみ出るか。怖がらずに外れてみることで、本当に面白い世界が待っていると思います。


――旅がお好きとのことですが、「ちょっとスケジュール空いたら旅行に行こう!」みたいな感覚ですか?


数年前まではそうでした。でも今はそんなに行けていないので、だからこそこういう仕事が来たら飛びつきます!(笑)。


――今後ドラマ『地球の歩き方』に出演するとしたら、行ってみたい国はありますか?


南インドに行きたいです。北インドには行ったことがあって、実は南インドも今度バラエティ番組で行くんですけど、ガッツリもう一度行きたくなるだろうなと。本当に深掘りしがいがあるし、自分にとっても、日本のみなさんにとっても、気づきになるものが隠されているような気がします。テレビではあまり見かけないけれど、日本人とは全然違う生き方をしている人たちがたくさんいる場所なので、今、心惹かれています。

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