ムロツヨシ、平手友梨奈

ムロツヨシ、平手友梨奈からの“世代の壁を超えて”の勇気に感激「想像していなかった」

2023.10.05 06:00
提供:TVerプラス
ムロツヨシ、平手友梨奈

ムロツヨシさん主演、平手友梨奈さんがバディ役を務める『うちの弁護士は手がかかる』(フジテレビ系、毎週金曜21:00〜 ※初回15分拡大)が10月13日にスタートします。


30年間サポートしてきた人気俳優・笠原梨乃(吉瀬美智子さん)に突然解雇を言い渡された超敏腕マネージャー・蔵前勉(ムロさん)がひょんなことから、新人弁護士・天野杏(平手さん)のマネジメントを任されることに! 超エリートながら猪突猛進な彼女に蔵前が時には振り回されながら、時にはハンドリングしながらパラリーガルとして奮闘する姿が描かれる、これまでの法律ドラマとは一線を画すリーガルエンターテインメントです。


今回、初共演となるムロさんと平手さんに2人の関係性や、ドラマに対する思いをお聞きしました。


平手友梨奈の“すぐに質問してくれるっ気”に感動


――撮影現場の雰囲気を教えてください。


ムロ:非常にいいです。クランクイン前に監督、プロデューサーさんとも何回かお会いして、雑談を含めていろいろとアイデアを出したので、スタートを切るまでに助走を作れたのが良かったのかな、と。平手さんともじっくりお話する時間がありましたし、いい初日を迎えられました。


平手:監督や主演のムロさん含め、現場の雰囲気も良く、すごく温かい現場だなと日々感じています。


――お互いの印象、お芝居で共演した印象を教えてください。


ムロ:芯の部分から外れた部分も含め、いろいろな側面を見られたらいいなと思っていました。僕らの世界は人見知りの人が多いですから、いい意味でお互い遠慮しながら、少しずつ歩み寄りながら、進んでいくと思っていたんですけど、お芝居の中で、平手さんから(演技で)やってくれることがとても多くて。「結構やってくれるんだ」「お、そこまで信用してくれているんだ」と、少し感動というか、嬉しくて……。イメージが大きく変わりました。


平手:いやいや、ハードルが上がります(笑)。


ムロ:(笑)。今回は天才弁護士に翻弄される、もしくは翻弄されたふりをしながらマネジメントをする役なので、(杏を演じる)平手さんの思うがまま、自由自在に演技してくださるパーセンテージが大きければ大きいほど、この話は面白くなると思うんです。顔合わせのとき、丸投げではないけども「もしよかったらやっていただけませんか」と言わせていただいたんですが、その言葉が思った以上に響いていることが嬉しかったです。


平手:ムロさんは、内村光良さん(ウッチャンナンチャン) とコントをされている番組を見ていたので、もともとは、そのイメージがありました。現場では、キャラクターとして存在してくださっていて。マネージャーっぽいところもあり、自分(杏)がやらかさないかヒヤヒヤ見守っていたり、目線を向けたり、所作だったり……。バディを組まされたけど、ちゃんと愛情を感じるので、すごく温かい蔵前でいてくれているなと思います。


――おふたりが最初にお会いしたとき、ほぼムロさんがお話されていた、とお聞きしました。


ムロ:あ、そうですね、100-0で会話してました!


平手:(笑)。


ムロ:僕らの世代って間(ま)が怖いじゃないですか。


平手:あ、世代なんですね!


ムロ:僕だけかもしれないですね(笑)。怖いから話しちゃうんですよ。質問して頷いてくれたら次の話題や質問をしてしまう……。帰りのエレベーターで「平手さんの声、一言も聞かなかったな。嫌われてはいないだろうか」と思いましたけど(笑)、少しずつ会話ができるようになりました。


――ムロさんは、第1報のリリースのコメントで「(平手さんの)茶目っ気、洒落っ気、いろんな、っ気を引き出せたらうれしい」とおっしゃっていましたが、いまの時点で、平手さんの“っ気”を見つけられましたか?


ムロ:この前、2人で次のシーンを待っているあいだ、「今までの撮影で良かった点、もしくは気になる点があったら教えていただきたいんですけど」と、脚本の話とか、撮影の中でのことをすごく丁寧に質問してくれました。


この世代間での会話って本当に怖いと思うんですよ。僕らの方も、何がアウトで、何がセーフで、もしくはそんなこと存在しないのかもしれないし……と思う中で、そうやって踏み込んでくださったところや、思った以上に早くその会話ができたことは、すごく嬉しかったです。そんな“すぐに質問してくれるっ気”は想像していなかったですね。


平手:(笑)。


ムロ:組まされたデコボコバディが、 いかに面白いかたちになるのか? 綺麗な丸になる必要はないので、僕たちも楽しみながら、反発するところ、同調するところを作っていけたらいいなと思っています。


――平手さんは、ムロさんの座長ぶりをご覧になって、どんなことを感じましたか?


平手:現場の雰囲気が全然違うので、そこにまず感謝です。


ムロ:ただ「よっ!」って声を出してるだけですから。


平手:(笑)。


ムロ:これからほかの共演者のみなさまとのシーンがあるので、全然雰囲気が変わってくると思います。そこから出てくるムロの座長っぷりを、早く平手さんにお見せしたいです……ハードル上げただけですけど(笑)。


監督からの言葉「フラットなムロさんを見たい」


――監督とは、役づくりに関してどんな話し合いをされたんですか?


ムロ:事前に監督から「僕の勝手なイメージなんですが」と前置きされた上で「しばらくフラットなムロさんを見ていないので見たい」とおっしゃっていただきました。確かに最近は歴史上の人物だったり、暗な部分を任せていただいたり、思いきったフォームでボールを投げていたんですけど、(今回は)肩の力を抜いてというか、いつものやり方というか……。役づくりと言うよりは、スタンスについて話していただきました。


準備稿(決定前の台本)から「この台詞をより自分に近づけるとしたら、こういう言い方です」みたいな感想や意見を言わせていただいて、取り入れてもらった部分もあるので、そこは反映できているかな、と思いますね。


平手:ムロさんとお会いしたとき「意見やアイデアをたくさん言ってください」とおっしゃっていただいたので、「自分が意見を言っていいんだ」と嬉しく受け取りました。私も何度かプロデューサーさん含めディスカッションしたりとか、「杏ちゃんだったらこう言うんじゃないか」とお話をさせていただいたりしました。


――蔵前から見た杏の魅力、杏から見た蔵前の魅力を教えてください。


ムロ:蔵前は自分でも分かっていますが、嫌というほどの器用貧乏で、いろいろな人の考え方に合わせられちゃう。いろいろなものに対して70点を取れるけど、ひとつのことに関して100点が取れないから、裏に回った人間だとも思えるんです。


人前に立って輝きを放つ笠原梨乃をマネジメントすることで、自分の生き甲斐を感じていた中、その人と離れて出会ったのが、世代も違うし、自分とは間違いなく真逆なものを持っている天才で、自分のギアで動く人。最初は説明書がないから戸惑いますが「自分はこの人に何かできるんじゃないか」と思えるぐらいの魅力を感じたのだと思います。


平手:杏ちゃんからしても、自分に持っていない部分を持っているので、台本を読んでいても、お芝居をしていても、器用な方だな、というのはすごく感じます。


――蔵前のように「支えてくれる存在」に、ありがたみを感じる瞬間があったら教えてください。


ムロ:役者という職業を選んでから、こうして取材をしていただくまでに15年以上かかっていますし、「自分でなんでもできる」と思っていた人間だからこそ、周りに人がいなかった時間もありました。逆に人に頼ってから、客席に人が集まってきた歴史もあるものですから、やっぱりありがたみは感じてしまいますね。今、ちょうど質問してくださった記者の方の後ろにマネージャーがいるので、非常に言いにくいのですが……。


平手:(笑)。


ムロ:撮影が終わって、自分がお酒を飲んでいるときも営業してくださったり、スケジュールを調整してくださったりするのは、本当にありがたいなと思っています。その分、スケジュールを組まれた時間は、全力で自分の仕事をやらなきゃいけないな、と思っていますね。自分じゃ何もできないと思うからこそ、日々感謝しています。


ドラマづくりにおいても、プロデューサーさんに企画を立ち上げてもらわなければ、僕たちの居場所はないし、脚本家さんが台詞を書いてくれなければ、吐く言葉もないですし、撮影してくれる人がいなければ、人に見てもらえないわけですから。そのありがたみを持って、しっかり全力で、時には、わがままのような振る舞いで演技をしなきゃいけないな、と日々思っております。


平手:これまでもそうですが、自分と関わったことがある方含めて日々感謝しています。お世話になった方には、少しでも恩返しができたらいいな、という気持ちでやらせていただいています。


――最後に視聴者へのメッセージをお願いします!


ムロ:デコボコであり、ギャップだらけのバディが、どうやってひとつの物事に取り組み、解決、もしくは終着点を迎えるのかを楽しみに見ていただけたらな、と思います。また、昔ながらのドラマの部分をわざと演じたり、作らせていただいたりしておりますので、懐かしさもありながら、若い世代のみなさまにも楽しんでもらえたら嬉しいです。画面の中でお待ちしております。


平手:「毎週このコンビに会いたい」と思っていただけるような作品になればいいなと願っています。


(取材・文:浜瀬将樹)

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