創設5年目の小学生チームを日本一に導いた名将が選手の“自主性”を重要視「自分で動けないと意味がない」

2022.08.28 08:00
提供:TVerプラス

8月27日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)は、東京都町田市が拠点のジュニアチーム・FCトリアネーロ町田の監督を務める若山聖祐をゲストに迎え、ジュニア世代の指導法についてMCの勝村政信や解説の都並敏史とトークを繰り広げた。


約250名の選手と14名のコーチが所属するFCトリアネーロ町田は、2016年にできた比較的新しいチームながら、5年目の2020年には全日本U-12選手権で日本一に輝いている。大会では7試合で28得点5失点。攻撃的なサッカーが特徴で、ディフェンスの選手も積極的に攻撃に参加している。若山は、なぜ創設わずか5年目のチームで全国制覇を成し遂げることができたのか。そこには高校時代から少年団を指導していた若山ならではの“自分ルール”があった。


番組では、本栖湖畔で行われたクラブの合宿に密着。合宿は、9歳以下の大会に出場するためのもので、初日は予選が行われていた。大会にはFCトリアネーロ町田を含めた12のクラブが参加し、2日間に渡る総当たり戦で順位が決まる。FCトリアネーロ町田の選手を見てみると、試合では巧みな足さばきで相手をかわすシーンが目立っていた。若山は「足裏を使うことによってパスコースを作れたり、相手をずらしてドリブルで運べたりできる」と、足裏を使いこなすことの重要性を強調。これには都並も「足裏で前後左右に動かせないと、どこにも自由にボールを運べない。絶対に必要だと思います」と同意する。


さらに、若山は試合のハーフタイムでも、あえて選手の修正点を指摘せず、選手本人にどうするべきかを考えさせていた。選手の自主性を養うためには、まず意識をさせること。高校サッカーの強豪校である大津高校や興國高校も選手の自主性を養う取り組みを実践しているが、FCトリアネーロ町田では小学生の頃から自主性を意識させていた。若山が「一人一人がキャプテンのつもりでピッチに立ってほしい」と話す通り、試合では選手が率先して動き、予選も見事1位で通過する。


試合後も自主性を養うための取り組みは続く。若山は、Jリーグでも指導するプロのダンサーを招集し、ダンストレーニングを実践。小学生であれば人前で踊ることに照れてしまうものだが、FCトリアネーロ町田の選手たちは全員が照れずにダンスを楽しんでいた。若山は照れを無くすことで、選手たちも自己主張がしやすくなると説明。実際に子どもたちからも「(ダンスを)やっていくうちに(恥ずかしさは)なくなる」という感想が飛び出した。


試合やダンスで体を動かした後は、選手全員でユニフォームを洗濯。合宿中は洗濯を含め、身の回りのことは全て自分たちでやらなければならない。若山はトイレのスリッパが乱れていたという報告を受け、ミーティングで「次の人が使いやすいためにスリッパを直すわけだ。サッカーでもボールを扱う人がトラップしやすいようにボールを届けなきゃいけない。ということはその人に対して思いやりが必要。サッカーも普段の生活も一緒」と選手たちに言い聞かせる。暮らしの些細なことをサッカーに結びつけて伝える若山の指導法には、勝村も「とてもうまいですよね」と感心していた。


一方の都並は、合宿中すでに寝る時間になっているにも関わらず選手たちが自ら「ミーティングをやりたい」と言い出したことに、「他のチームと明らかに違う」と驚愕。若山は「子どもって素直なので、やりなさいと言えば動いてくれるけど、自分で感じて、自分で動けないと意味がない。試合中に歓声などで監督の指示が聞こえないなんてこともあると思います。そうなったときに、自分で解決する力、仲間とコミュニケーションを取る力がないと、トップには行けないんじゃないかなと思っています」と語った。


選手に考えさせ、主体的に取り組ませる指導法にたどり着いたのは、イタリアで国際大会に出場した経験が大きいという。フィオレンティーナやチェルシーといった名門の子どもたちは、身体能力はもちろん、表現力が突出していた。若山は「ジェスチャーや要求がすごいんです。“なんでこのタイミングでパスを出してくれないんだ!”というように、日本だと“どんまい”で終わるところが終わらない。そこにこだわっているからこそ、ゴールが生まれるのを感じました」と振り返る。


また、「ゴール前ではエンジョイする」というのも若山の教えの一つ。若山は、ゴールを決めなきゃと焦ってしまい、サッカーを楽しむという本来の目的を見失っている選手には、「ゴール前を楽しむことによって、余裕ができるし、ゴールも生まれやすくなる。ゴール前は楽しみなさい」と伝えていると明かした。


小学生だからこそ、サッカーを楽しんで欲しいという思いがある。そんな若山が子どもたちに期待するのは、社会性や人間力の向上だった。若山は「日本代表とか、世界に通用する選手を育てたいというのはもちろんあります」と語りながらも、「高校生からJリーガーになれる確率って3000分の1らしいんですね。全国優勝した子どもたちですら、プロになれる保証はない」と、サッカー選手になる難しさを指摘。「社会に出て、通用する人材を育てていきたいという思いが強いです」と現実的な未来を思い描く若山に対し、都並は「さすがですね」と褒め称えていた。

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