合同展「モーダ・イタリア」 生産背景を伝えて消費につなげる

製品の背景やリアリティーを伝えることがカギになる――7月7日に始まった合同展「モーダ・イタリア」(イタリア大使館貿易促進部)は、円安の最中でも、専門店や輸入卸の企業による活発な商談が行われている。色使いや革製品の品質などイタリア製ならではの付加価値、生産背景のストーリー性に関心が高まる。
新たな傾向として、会場では、ライブ配信の受注販売に取り組む専門店バイヤーも見受けられる。「視聴者は、普段は見られない買い付けの状況や作り手に興味を持って楽しんでくれる」と話すのは、広島市のセレクトショップ「ケイハウス」の代表でバイヤーの櫛部紀水さん。仕入れ実績があり、顧客から信頼のあるバッグ「プリカーティ」で30分のライブ配信を行った。ディストリビューターの協力を得て、仕入れることが決まっているモデルに加え、メーカーのイチ押しモデルを紹介。7月9日までの3日間の会期を生かし、「9日の午前中までに希望のモデルを連絡ください」という受注販売だ。数がまとまれば色別注にも応える。プリカーティの社長の息子も一緒に説明するなかで、当初は予定していなかったハンドバッグも配信中に受注した。卸値に対して小売価格は決めておらず、伝えていないが、「購入者は私が仕入れる製品はこれぐらいと理解していて、5万~10万円の範囲内ならさほど問わない」。櫛部さんがライブ配信することで、他の専門店バイヤーから問い合わせもあるという。
会場内で伊大使館貿易促進部は、9月に開催する国際靴見本市のミカムミラノに向け、魅力の伝え方に関する対談を実施。その中でも「細かく丁寧に作っていることをプロダクトで伝えるのは難しい。動画やSNSをうまく使い、スタイルとともに物作りの本質を伝えていきたい」(『フォルツアスタイル』編集長の干場義雅さん)、「美容師や歯科医のようにマンツーマンでケアができるように接客している」(森田祥子テラス代表兼バイヤー)など、消費者とのコミュニケーションの深さが話題となった。

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