「木宮商店」 お客様もブランドも集う場づくり《ちょうどいいといいな ファッションビジネスの新たな芽》

東京都台東区蔵前にあるセレクトショップ「木宮商店」は、5月30~6月7日、扱う6ブランド合同の期間限定店を開きました。代表の木宮隆佐さんは、ブランドとお客様をつなぐことはもとより、ブランド同士をつなぐ役割も果たします。
ブランドと共に立つ
木宮商店は17年にオープン。木宮さんは販売職を約8年間経験した後に独立しました。当初から、すでに人気や知名度のあるブランドではなく、デザイナーが一人で運営するような小規模ブランドを中心に品揃えし、他店との差別化を目指しました。現在は約20ブランドを仕入れ、期間限定店と展示受注会も開催します。「デザイナーの『好き』を100%洋服に落とし込めるのが個人ブランドだと思う。その『好き』に共感する人が集まっています」と木宮さん。

主な顧客層は30~40代半ばの女性で、観劇や美術展、ライブなどの幅広い「推し活」の特別な日の服を探しに訪れる人が多いそう。会期中はできる限りデザイナーに在店して接客してもらいます。デザイナーから直接、どんな思いで作ったかを伝える方が、愛着を持って長く大切に着てもらえたり、お客様と長く続く関係が作れたりするからです。
接続する場になる
木宮さんは扱いブランドを「取引先」よりは共に成長していく「仲間」だと考えています。
店を運営する中で、良い商品を並べるだけでは売れないこと、ブランドや商品の届け方、お客様との関係性を作ることも一緒にやっていく必要を感じたそう。例えば、デザイナーの考えやブランドの魅力を言語化する手伝いをしたり、一般的な体形の方や身長別の着用写真を撮影したり、ブランドとは異なる切り口で発信します。顧客目線でブランドから伝えきれない情報を補完し、接点作りを支援しています。

今回のイベントには、洋服の「エシル」「クオティアス」「ポイ」「リツ」、アクセサリーの「エイミエス」「トウカイリン」が参加しました。事前に参加ブランドのデザイナーが揃ってSNSで商品を紹介したり、会期中にデザイナーが不在の時に他ブランドのデザイナーが接客したり、チームワークを感じる空気が流れていたと感じました。

「個人のブランドが長く続く仕組み」を目指すとともに「デザイナーの感性と、そのお客様の市場を接続する場を作りたい」と木宮さん。 木宮商店は、服を販売する場所であると同時に、ブランド同士が出合い、交流して成長するためのプラットフォームとして機能しています。

■ベイビーアイラブユー代表取締役・小澤恵(おざわ・めぐみ)
デザイナーブランドを国内外で展開するアパレル企業に入社、新規事業開発の現場と経営に携わる。14年に独立しベイビーアイラブユーを設立。アパレルブランドを中心に、ブランディングと事業推進を軸とした支援を行い、デジタルやデザイン領域まで横断的に手がけている。
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