マイアミのデザインディストリクトとサウスビーチ(杉本佳子)

ここ10年くらい発展してきた「マイアミ・デザイン・ディストリクト」は、建築とアートとデザインをミックスしたショッピングエリアだ。パブリックアートに焦点を当て、店や駐車場の外観、ストリートにモダンなデザインを取り入れている。
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欧米の最高級ブランドの直営店は一通り揃っている。日本のブランドの直営店は「ベイプ」(ア・ベイシング・エイプ)があり、「グランドセイコー」がポップアップショップをやっていた。
ただ、訪れたのは土曜日の昼頃だったが、高級店はお客がいないか、いてもまばらな店ばかり。比較的お客が入っていたのは、「シュプリーム」「オン」「アロ」「セフォラ」だ。

つまり、カジュアルで比較的手頃な値段で買える店ばかりだ。「トムブラウン」は店の前で無料のアイスクリームをふるまっていたが、店内にはお客さんが(私が訪ねた時は)いなかった。「IGK」という美容サロンは混んでいた。夜の外出のためにヘアを整えたい女性たちが集まっている感じだった。

エルメスやティファニーのショッピングバッグをいくつも持っているところを写真に撮らせている女性はいたので、インフルエンサーにとっては「映える」場所なのかもしれない。
このマイアミデザインディストリクトでは現在、隈研吾氏が率いるプロジェクト「ミライデザインディストリクト」が進行中だ。6千平方メートル規模の物販と高級感のあるオフィススペースになるらしい。2028年完成予定とされている。
サウスビーチにも久しぶりに足を伸ばした。
私が初めてマイアミのサウスビーチを訪れたのは1992年だった。1991年末、ニューヨークタイムズに「サウスビーチはアメリカのリビエラ」と書かれているのを見て、「話題になりつつあるエリア?」と思って行ったのだった。実際、その頃のサウスビーチはファッショントレンドを探る上で業界からも注目されていた。1993年には、繊研新聞に地図付きでサウスビーチの記事を書いた。当時は小さなブティックやヴィンテージショップが軒を並べ、最高にいい時代だったと今でも思う。
その後、バナナ・リパブリックがオープンしたのを機に、大手チェーン店が雪崩の如く続々オープンし、当時あった魅力的な小さな店はすべて姿を消した。
今回訪れた時はちょうどワールドカップの最中で、多くのレストランがサッカーの試合を見れるように大型テレビを店の前に置いていたから、雰囲気は普段と少し異なっていただろう。そして、やはりお店は大手チェーン店か安っぽい土産物屋に大別される。他で買えないものが買える店といえば、水着専門店くらい。レストランとホテルと遠浅のビーチは変わらず良いので、盛り上がってはいるのだが。

90年代初めに一番人気があった「ニュースカフェ」、そしてアールデコ調のホテルの先駆者となった「パークセントラルホテル」が健在だったことは嬉しかった。ただ、ニュースカフェは、90年代はもっとリラックしたオープンな店構えで、雰囲気が変わっていた。


そしてジャンニ・ヴェルサーチの邸宅は、ホテルとレストランになっていた!どうやら2019年秋にオープンしてコロナで閉店し、2023年に再開したらしい。1997年、ジャンニ・ヴェルサーチはその邸宅の前で射殺された。そういう曰く付きの建物に泊まったり、食事をしたりするのはどんな気分なのだろう。ちなみにアペタイザー22〜36ドル、肉料理36〜145ドル、パスタ26〜58ドル。

サウスビーチから少し北西に行ったリンカーンロードにも行ってみた。サウスビーチが大衆化するにつれて、90年代半ば以降、リンカーンロードにも次々店ができたのだ。今回は「ミニソウ」までできていたし、すぐそばにオフプライスチェーンの「マーシャルズ」もあって、大衆化がさらに進んでいることが伺えた。それでも「スティーブンマデン」がこれからオープンする模様。車である程度行かないとこういう店に辿り着けない地方に住んでいる人たちには、需要があるのだろうか。
常に面白い店を見ていたい私にとっては、マイアミは「ビーチでのんびりして美味しいご飯を食べる」だけで満足しないといけないエリアになった。個性的で面白い店がまだ新たに生まれてくる街――というと、やっぱりニューヨークなのかもしれないが、他でもそんな兆しがあったら、ぜひ見てみたい。
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89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)
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