シルク由来のスキンケア「セリシー」 西陣織と消費者の接点に

「セリシー」は、西陣織物を作る工程で不用となったシルク由来の成分「セリシン」を使った京都発のアップサイクルスキンケアブランド。ブランドディレクターの大河内愛加さんは、「消費者と西陣織との接点にしてほしい」として、織元の後継ぎとともに立ち上げた。
(藤本祥子)
〝れなくなった〟を活用
大河内さんは横浜出身。10代の頃に家族で伊ミラノへ移住し、約14年過ごした。16年に「使われなくなったものを使う」という意味を込めて名付けたファッションブランド「レナクナッタ」を立ち上げた。イタリアのデッドストックのシルク生地と、不用になったきものを組み合わせたリバーシブル巻きスカートが代表的なアイテムだ。

現在は京都を拠点に活動している。伝統工芸関係者との接点が増え、19年ごろから西陣織、久留米絣など全国の産地の人たちとの物作りをレナクナッタで始めた。「昔に比べてあまり作られなくなった素材を使うことも、ブランドのアイデンティティーに合う。職人さんたちと一緒に物作りできれば」と伝統工芸のコレクションを始動した。
今回のスキンケアブランド設立のきっかけは、協業相手である西陣織元の後継ぎ、サカイタカヒロさんからの声掛けだった。「西陣織の製作工程で捨てられてきたセリシンを使ってスキンケアブランドを作りたい」(サカイさん)。自身の活動に通じるところがあると、引き受けた。共同代表として新会社のセテリア(京都市)を設立し昨年、動き出したばかりだ。
産地全体に循環を
応援購入サービスの「マクアケ」で1月30日まで先行販売している。揃えるアイテムは、化粧水、乳液、ハンドクリームの3種類。豊富なアミノ酸を含み、肌になじみやすいというセリシンの効果を最大限に生かすために、シンプルな配合で仕上げているのが特徴だ。
化粧水のベースには「日本になじみがある」という米ぬか発酵液を使っている。外箱に西陣織のアーカイブ図案を採用するなど、パッケージデザインにも西陣織の要素を散りばめて独自性を出した。


価格はドラックストアコスメ以上、百貨店コスメ未満を意識した。化粧水が税込み3850円、乳液が3630円、ハンドクリームが2750円。
西陣織は分業制が基本で、これまで産地としてもセリシンに注目することは少なかったという。従来捨てられていたセリシンは、買い取って活用している。「ゆくゆくは産地全体に広げていきたい」考え。
マクアケでの販売後は、3月にECを立ち上げる予定だ。企業向けの提案も強化しており、ホテルのアメニティーとして入浴剤やせっけんなども対応している。期間限定店や、セレクトショップ、ホテルの物販など卸も広げたいと意欲を見せる。アンチエイジングや高保湿など、効果別の商品提案も展望する。
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