恋は結局「追われたもん勝ち」……追う側に不条理な恋の戦争【隣の恋は青く見える-Chapter TOKYO-第5話・第6話】

恋は結局「追われたもん勝ち」……追う側に不条理な恋の戦争【隣の恋は青く見える-Chapter TOKYO-第5話・第6話】

2025.12.24 11:10

※このコラムでは『隣の恋は青く見える-Chapter TOKYO-』第6話までのネタバレを含みます。

11月9日から放送中のABEMAの人気恋愛リアリティーショー『隣の恋は青く見える-Chapter TOKYO-』。12月7日、14日には第5話、第6話が放送された。『隣の恋は青く見える』、略して“隣恋”では、それぞれに事情を抱えて破局の危機を迎えつつある6組のカップルが、シーズン最長となる20日間の「浮気公認共同生活」を送る。

元恋人との復縁デートと同時に、新しく出会った異性とのデートも展開されていく中盤回。今回は「元恋人との関係を見直す」ことを目的に番組に参加したというメンバーも多い中で、新しい異性との交流が運命の歯車を狂わせていく。新しい恋も必ず成就するとは限らないというのに……人はなぜ出会い続け、恋し続けてしまうのか。

■女性同士がどれだけ争っても……片思いは悲しい

第4話では、ワイルドタトゥーエステティシャン・ダイシロウ(30)を巡る争いが苛烈化。元恋人であるシュウト(23)に未練のないアイラ(22)が、ダイシロウへのアタックを本格化させ、アイラと同室でダイシロウの元恋人であるサヤカ(34)にも好戦的だ。

たしかに番組の立て付け上、同室であってもメンバー同士がライバルになることは仕方がないことだ。しかし、同じくダイシロウに密かな恋心を寄せていたユマ(24)の様子とアイラの様子は対照的だ。

ダイシロウに強い未練を持つサヤカに対して申し訳なさを滲ませながら話すユマと「さや姉みたいに迷ってないから」と、発破をかけるかのように煽るアイラ。ユマが「自分からは誘わないから」などと控えめな発言をしている一方で、アイラはデート中も恋愛テクを多用する余裕っぷりだ。

しかし、恋愛は弱肉強食……いかにアイラが「女性同士の交流の中では嫌われる行動」を取ったとしても、相手に響くアプローチを叶えた人こそが、意中の相手をゲットすることができる。復縁デートにも誘えていないサヤカや、控えめなユマよりはアイラが優勢なようにも見えた。

しかし、エロさ全開の個室SPAではダイシロウから「歳が離れている女性として認識している」とバッサリ切られてしまったアイラ。サヤカに対してもダイシロウに対しても、気持ちのまま行動できる姿勢は、恋愛的な意味では強者ともいえた。しかし、お色気女王・レイナ(27)に惹かれるダイシロウには、アイラの恋愛テクは刺さっていなかったようだ。

好戦的なアイラに対して、サヤカが煽りのように「誰にでもかわいいとか言うから」とか言っていたが、あながち間違っていないのかもしれない。ダイシロウの振る舞いは、アイラにとっては思わせぶりだったろう。サヤカとアイラがどれだけぶつかっても、恋の手綱を握っているのはダイシロウ……改めて、恋愛の不条理を突きつけられてしまった。

そして今回、筋トレばかりしていたタカマサ(30)が久しぶりにサヤカをデートに誘い出した。結婚願望なし男でもあるダイシロウにいっても、浮気性のタカマサにいっても結婚の可能性が高いとはいえない、まさに八方塞がり状態のサヤカ。

しかしタカマサは、サヤカとの交流では誠実さを貫いている。序盤のサウナでは「キス寸前」の危うさもあったが、その後はダイシロウに未練タラタラのサヤカのメンタルをそっとケアし続けてきた。

しかし「浮気されやすい」というサヤカの告白は、神妙な表情で聞いていた。奇しくもタカマサも、今後浮気しないとは言い切れないわけで……サヤカのオーラがそういう人を引き寄せているのか、浮気性でもモテそうな男を、サヤカ自身が選んでしまっているのか。

■「誰にでもかわいいって言う奴」は、浮気男といえるか?

浮気性とは、自覚して治すことができるものなのだろうか。サヤカに「バツイチで浮気性」という自身の秘密をしっかり明かしたタカマサのことを、サヤカは「正直に伝えるのは勇気がいること」と評価した。しかし、ずっと気になっているのはタカマサのレイナへの気持ちが読めないことだ。

浮気の定義が人によって異なるものならば、浮気性の定義も人によって異なるだろう。タカマサはサヤカの前では誠実に見えるが、もしかすると目の前にいる人に誠実な振る舞いをしようとする人なのかもしれない。しかしそれはつまり、目の前にいない人にとっては、不誠実な行動を取っている可能性もあるということだ。

第5話ではダイシロウに振られたアイラのメンタルケアにも対応しており、タカマサは見た目以上に優しいマッチョであることも分かる。しかし「誰にでも優しい人」は、恋人にとっては不誠実な人になってしまう可能性もあるのだ。

それは、アイラのデート服もユマの浴衣も、出会い頭で「かわいい」と伝えていたダイシロウも一緒なのではないか。彼らにとっては、この行動は社交辞令なのかもしれない。結局ダイシロウもタカマサも、復縁デートで元恋人への気持ちを確かめてからではないと、他の異性に対して語る気持ちが本当なのか、自分自身分かっていない可能性すらあるのではないだろうか。

ダイシロウをデートに誘い出したレイナも「タカマサにもダイシロウにも気持ちがある」と取れるようなことを言っていた。好意の大きさを人同士で比べるのは、レイナにとってつらいことであるようだったが、タカマサやダイシロウにとってはどうなのだろうか。

その時々の気持ちの昂りで比べるのなら、答えは簡単に出るかもしれない。ダイシロウは「他にまだやりたいことがあるから」とサヤカとの結婚を先延ばしにしていたが、レイナの結婚願望に関する告白のあとには「サヤカよりはイメージがつく」とも語っていた。ダイシロウは結婚願望なし男なのではなく、サヤカとの結婚のイメージがつかなかっただけなのだろうか?

しかし、もしもダイシロウが気持ちのままに行動しているだけだとすれば、レイナとの関係も落ち着けば、結婚の優先順位を下げてしまう可能性もある。誰にでも調子のいいことを言う人の中には、考えを深く巡らせることをそもそもしない人もいる。ダイシロウがただ調子のいいだけの男ではないことを願うしかない。

■恋の矢印集中で、追われる側が有利な戦局

復縁デートで恋人としての関係に終止符を打つことができたアキヨシ(28)・ユマは、新しい恋がうまくいくかどうかに限らず、番組に出演した意味があっただろう。曖昧にしていた気持ちをぶつけ合うのは、日常生活の中では難しい。新しい環境の中で自分の本当の気持ちに気づくことができたからこそ、ここまで円満に別れることができたのかもしれない。

しかし、現在愛憎の渦の中心にいるタカマサ・レイナとダイシロウ・サヤカはまだ復縁デートが済んでいない。ダイシロウやレイナ、タカマサが復縁デートという名の、元カノ元カレとの“修羅場”で考えを変えれば、戦局は簡単に動く。

結局恋愛は、モテる人が選択肢を多く握れてしまう。しかし、レイナのように選択肢が多いからこそ苦悩することもある。ダイシロウも「(モテすぎて)頭おかしくなりそう」とも言っていたし、選択肢が多いほど、後悔が残る選択をしてしまう確率も上がる……ともいえる。

恋愛の局面としては追われる方が有利だが、モテた方が人生の充実度が上がるとは限らない。恋愛はモテれば有利だが、幸せはモテ度だけでは決まらないのだ。誰も幸せにならない可能性もあるこの状況……後半戦がどうなるのか楽しみだ。

隣の恋は青く見える-Chapter TOKYO-

<無料見逃し配信>

第1話URL:https://abema.tv/video/episode/90-1512_s50_p1

第2話URL:https://abema.tv/video/episode/90-1512_s50_p2

第3話URL:https://abema.tv/video/episode/90-1512_s50_p3

番組トップページ:https://abema.tv/video/title/90-1512

2025年11月9日から毎週日曜夜21:00より配信中

(ミクニシオリ)

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