

《素材メーカー・商社の25年3月期決算分析⑦》繊維専門・素材メーカー系商社繊維部門 増収基調、構造改革が進む
繊維専門・素材メーカー系商社繊維部門の25年度連結決算は増収基調だった。利益は、構造改革を進めた企業では大きく改善した。一方でバングラデシュでの政治混乱や海外市場の低迷で利益が落ち込んだ企業もある。
社会ニーズ品に評価
帝人フロンティアが中核の帝人グループ繊維・製品事業はここ数年で売り上げ、利益が大きく伸長。利益率も高まってきた。新開発した高通気ポリエステル織物「爽多」がヒットするなど社会ニーズに合致した商材が市場で評価されている。
東レインターナショナル(単体)は、衣料素材は減収も繊維資材・物資とアパレル部門が増収となった。主力のアパレルは大手SPA(製造小売業)向けやスポーツ・アウトドア、カジュアル衣料が堅調だった。繊維資材・物資は原皮需要は低調も、産業資材は自動車、衛材が堅調で増収。衣料素材のうち生地は米国、中国向けの車両やインテリア用途が苦戦した。
GSIクレオスの繊維3分野は、ファイバーが増収増益で全体をけん引した。インナー用の機能糸や生地が最終製品の需要増を背景に伸びた。加えて円安効果で海外売上高も増えた。インナーは増収減益。アウターは撤退を決めた子会社の製品販売の低調やトリアセテート繊維事業の取得関連費用が響き減収減益だった。
中高価格帯を充実
ヤギは、主力のOEM(相手先ブランドによる生産)を軸としたアパレル事業が増収増益。商品の高付加価値化や中高価格帯を充実する一方で原価や物流費を低減し収益を高めた。マテリアル事業とライフスタイル事業は減収増益。ブランド・リテール事業は増収、利益は横ばいだった。
田村駒は、衣料部門が2.9%減収もリビングは19%増、ライフスタイル雑貨は11%の増収。衣料はスポーツ関連が堅調だったもののフォーマルが苦戦、バングラデシュでの政治混乱の影響も大きかった。リビングはホテルを含めた業務用寝装寝具関連が伸び、雑貨ではファッション向けやテーマパークなどコンテンツを絡めた商材が良かった。
東洋紡せんい(単体)は、関係会社の事業吸収や市況の回復で大幅増収だった。利益面では自社国内工場の構造改革や価格改定に加え、中東向け生地輸出が良かった。25年度の業績予想は売上高460億円、営業利益、経常利益がともに20億円。東洋紡STCの一部事業を引き継ぎ、売上高、利益が大きく伸びる見通し。
三共生興は、出店や販促強化で経費がかさんだ。「ダックス」「レオナール」のファッション関連事業は減収減益。国内外ともに売り上げは伸びたが利益は苦戦した。製品OEMは増収増益。主要取引先との取り組み強化に加え、新規開拓が進んだ。トゥエルブを傘下に加えており、OEMビジネスの変革を進める。
事業再構築の成果がでているのがタキヒヨー(2月期)。粗利益を意識した商談を進め、インフルエンサー企画や適品のクイック生産・投入が利益を押し上げた。商品別ではベビー・キッズ、メンズアパレルやホームウェアが伸びた。
今期の立ち上がりは、春物衣料の動きが鈍く軟調気味。加えて長期化する夏対策でアパレル顧客のMD戦略が変化しており、対応に苦慮している。米国の関税施策の影響も懸念される。
=おわり
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