TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』第32話が放送

<るろ剣>気のいい大阪弁の兄ちゃんかと思いきや… 十本刀・張が剣心と初対決

2024.11.28 15:00
TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』第32話が放送

幕末の動乱期、“人斬り抜刀斎”として恐れられた緋村剣心(CV:斉藤壮馬)が、「不殺」の流浪人となって新たな時代を生きようとする姿を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。これまで舞台や実写映画化など、時代を超えて愛され続けてきた大人気作が2023年に新アニメとして復活。2024年10月からは、第二期となる『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』(毎週木曜深夜1:05-ほか、フジテレビほか/ABEMA・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)が連続2クールで放送。第32話(第二期8話目)は、瀬田宗次郎(CV:山下大輝)との戦い以来、二人目となる十本刀との戦いを描いた「十本刀・張」。(以下、ネタバレを含みます)

操、剣心への仕打ちがさらにヒートアップ!

逆刃刀探しが振り出しに戻った剣心たち。新井青空(CV:広瀬裕也)に逆刃刀作りを無理強いしなかった剣心に対し、巻町操(CV:山根綺)は「甘い! 甘すぎる!」と、いまだに納得がいかない模様。一方、十本刀に招集命令を呼びかけた志々雄真実(CV:古川慎)の元には、早速十本刀のひとりである沢下条張(CV:岡本信彦)が駆けつける。刀剣マニアである張は、佐渡島方治(CV:伊藤健太郎)から、青空の元に彼の父・新井赤空が遺した最後の一振りがあることを聞くと、興味深そうにその場を去っていくのだった。

冒頭、講談師に扮した操による「前回のあらすじ」が映し出された。これまでになかった突然のコーナーの始まりに戸惑った視聴者もいたようだが、じつはこの演出も原作の通り。この後も操は、剣心や柏崎念至(CV:千葉繁)に終始強気に食ってかかるなど、序盤は「操劇場」とも言える躍動を見せてくれた。剣心がついついシリアスになりがちなだけに、操の明るさと元気さは貴重な存在で、今回もまたしっかりとその役割を果たしてくれた。これにはSNSでも「操ちゃんスタートなの最高」「操ちゃん、いいキャラすぎる」などの声があがっていた。ちなみに一方、志々雄一派のほうも決戦を前に緊張感が高まってはきているはずだが、志々雄がかなり享楽的な性格のためか、陣営の雰囲気は依然として緩いのが印象的だ。方治とのやり取りからも、志々雄は目的に向かってただ最短距離を進むというよりも、そこに至る道中までを楽しもうとしている節が見受けられる。覚醒した剣心と対峙することも厭わないなど、剣心とはまた違ったカリスマ性を感じさせてくれる。

十本刀・張の「逆中空納刀」で伊織が大ピンチ!?

赤空が遺した最後の一振りを求め、青空の営む刃物屋を訪れた張。最初は気さくだった張だが、青空がその刀の存在を否定すると、息子の伊織(CV:田中貴子)を刀の鞘に引っ掛けて天高く掲げるなど、脅迫めいた言動で青空を追い詰めていく。伊織を心配した青空の妻がたまらずに刀の在処を喋ると、張は伊織を連れたまま、刀が奉納されているという白山神社へと向かうのだった。その直後、青空ともう一度話そうと刃物屋へやってきた操は、伝書鳩を使って現状を葵屋へ通達。報せを受けた剣心は、念至の制止も聞き入れずに白山神社へと飛び出すのだった。

ここでは張の剣技が初披露された。伊織を鞘に引っ掛けて、鞘ごと真上へ放り投げて抜刀し、落下する鞘に再び刀を納めるという「逆中空納刀(さかさちゅうくうのうとう)」という技で、張曰く、これができる剣客はそうそういないとのこと。張はその直前にけん玉に悪戦苦闘する様子が描かれていたこともあり、SNSでは「けん玉は下手なのにそれはできるんかいw」「アニオリのけん玉シーン最高!」などの声が多数寄せられていた。そして極め付けは、伊織を助けようと向かってきた青空の妻を、凄まじい速さの剣撃で斬るフリをするシーン。まず右手に持っていた刀を空中に投げ、その間に腰に差していた別の刀を抜刀し、数回の斬りつけを行ったのちに納刀、さらに落下してくる刀を掴むという芸当を見せた。スローモーション&無音という演出も相まって、てっきり青空の妻が斬られたと思ったものの、実際に斬ったのはけん玉だけ。気さくで飄々とした態度とは裏腹に、凄まじい狂気を感じさせてくれる一幕だった。

剣心 vs 張は、剣心が圧倒するも不気味な空気に

白山神社にやってきた張を待っていたのは、葵屋から凄まじいスピードで駆けつけた剣心だった。いくらかの問答の末に始まった剣心と張の対決は、剣心が鞘による「龍巻閃」と「龍翔閃」を決めて一方的な展開に。しかしそれでも立ち上がった張は、「少しふざけすぎてたようや」と呟くと、伊織から先に殺すと剣心を挑発。この発言にようやく殺気を放った剣心に対して、張は上着を脱いで「こっからが真骨頂や」と、不敵な笑みを浮かべるのだった。

ついに始まった十本刀・張との対決。そのファーストラウンドは、逆刃刀の使えない剣心が圧倒したように見えた。先ほど青空たちの前で凄まじい剣技を披露した張だが、それでも剣心のスピードの前では歯が立たなかった。張もまだ本気を出していないとは言え、志々雄真実の切り札である十本刀を相手に、鞘のみで軽くあしらってしまえる剣心はさすがの一言だ。またこの戦いでは、張の使う刀にも注目したい。新井赤空が作った初期の殺人奇剣である「連刃刀」は、一本の柄から二本の刃が生えているという奇妙な形状で、この刀で斬られた傷は縫合が難しく、やがて壊死させてしまうという代物。さらに剣心の「龍翔閃」をガードしたのは、腰に巻きつけて装備していた赤空の後期型の殺人奇剣だった。そんな殺人奇剣の数々に魅了された張ももちろん異常者だが、それ以上に“人を殺す刀作り”に傾倒していった赤空のマッドサイエンティストっぷりも存分に感じられる。これにはSNSでも「赤空さん変な刀作り過ぎだろw」「そりゃ青空も賛同できないわけだ」などの声があがっていた。さて次回第33話(第二期9話目)「禁忌の抜刀」は11月28日(木)放送予定。

◆文/岡本大介

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