9月は3連休が2回!秋の大型連休に出かけたい癒しスポット
2024.09.15 19:05
1500万年前よりおよそ1500種の植物が生い茂るボルネオ島。朝・昼・晩で景色はもちろん、出会える動物も異なります。観光の目玉でもあるリバークルーズで。1日どっぷりとジャングルに浸り、自然の神秘を感じてみませんか。
In the MORNING
さえずりをBGMに日の出を拝む 朝日が昇る直前にボートへ乗り込み、キナバタン川の支流であるメナンゴールを目指します。まだ気温も高くなく、吹き抜ける風も心地良い。目前に広がる幻想的な光景にうっとり 黄金に輝く空、力強く茂る木々、川から立ち上がる蒸気露。自然が紡ぐ絶景に息をのみます。同時に周囲ではさまざまな生きものの鳴き声が轟き、1日の始まりを実感します。寝起きのカニクイザルから泳ぐイリエワニまで、朝から表情豊か まず出会えたのはカニクイザルの赤ちゃん!眠そうな顔で幹にできた穴にちょこんと腰掛ける姿がなんとも、愛らしい。 川辺の木に目をやると、美しい羽と仮面を被ったような顔が特徴のコシアカキジのオスが優雅に歩いています。 その直後、川面ではイリエワニが対岸へと移動中〜。ボートのすぐ近くを泳いでいたため、船上では緊張感が走っていました。それでも貴重な姿を間近で見られる喜びはひとしおです。ちなみにこの日現れたイリエワニの体長は3mほど。大きいものだと7mにも成長するのだとか。 ドキドキの瞬間が過ぎて樹上に視線を移すと、獲物を探すカンムリワシが。凛とした佇まいがかっこいい!In the AFTERNOON
大河を駆け抜ける昼下がり 野生動物のサンクチュアリとして名高いキナバタン川沿いの熱帯雨林には、絶滅危惧種に指定されているオランウータン、ボルネオゾウ、テングザルも暮らしています。マングローブを好むテングザル以外はリバークルーズで巡り合うチャンスは稀です。幸運を祈りながらボートを1時間ほど走らせます。鬱蒼としたマングローブが神々しい 川岸まで低木がひしめく様子は熱帯地域特有です。ボートの上は日差しが降り注いでいても、森はうす暗く、奥まで見通すことはできません。木々の下でさまざまな動植物が命をつないでいるところを想像すると、自然の偉大さを感じずにはいられません。きれいな鳥たちのパラダイス ボルネオの森に響き渡る美しい音色の主を発見しました。木陰で休憩中のヒジリショウビンは、コバルトブルーの羽が目を引きます。 コサギとチュウサギは仲良く1本の枝に乗って、水中にいる獲物を探していました。この近くで漁師の仕掛けも見かけたことから、川の幸が豊富であるのがうかがえます。 目の周りとくちばしがカラフルなズクロサイチョウは南国らしい光景です。ほとんどを木の上で過ごし、地面には降りないそう。 白いくちばしがチャームポイントになるのは、カササギサイチョウです。ボルネオの森にはサイチョウだけでも8種が生存しているのです。木の上にはカニクイザルとテングザルが! 昼の部では大人のカニクイザルの姿も。遠くを見つめる先には何があるのでしょう?群れが大きいため、リバークルーズでもっとも頻繁に出会えます。飾らない表情を間近で眺めらるのも醍醐味です。 また、テングザルの群れにも会うことができました。警戒心が強く人間の存在に気づくと吠えて逃げていくので、こちらの存在に気付いていない素の表情は貴重だとか。水浴び中のボルネオゾウを発見 日差しが少しだけ和らいだ16時頃。川岸に2頭のボルネオゾウが姿を現しました。鼻を器用に使ってバシャバシャと水を浴びる様子に見入ってしまいます。At NIGHT
日が沈んでもジャングルは眠らない 月が主役となった空には南十字星が瞬いています。暗闇でもセミなどの鳴き声が響き渡り、熱帯雨林に静寂が訪れるひとときはなさそうです。夜はどんな動物が顔を出してくれるのでしょうか。ハントしに水辺に現れたマレーウオミミズクに注目 「飛ぶ宝石」の異名を持つカワセミは縄張り意識が強いため、固定席があるそう。繁殖期にはオスがメスへ食事をプレゼントして、愛の告白をします。夫婦になると共同で子育てをします。 岩と見間違いそうな模様を持つカエル。ボルネオの森はたくさんの種が命をつなぎ、新種も続々と発見されています。 鋭い眼差しを向けるのは子どものイリエワニです。岸辺で待ちぶせして獲物を狙います。ちなみに大人になるまでに10年かかるそう。 樹上で川面を睨むのはマレーウオミミズク。主食である魚を探していました。足もとの長く鋭い鉤爪も存在感を放ちます。狙った獲物は逃しません。Stay destination
ステイ先も熱帯雨林の中をチョイスして冒険気分に浸る せっかくボルネオ島を訪れたなら、眠る瞬間まで森の中にいたい!そんな夢を叶えてくれるロッジを2軒ピックアップしました。1. オランウータンのリハビリ施設近くにある「ボルネオ・セロピック・レインフォレスト・リゾート」 ブーゲンビリアが咲き誇る庭に点在するロッジです。「セロピック・オランウータン・リハビリテーション・センター」と「レインフォレスト ディスカバリー センター」から車で3分という近さにあるので、森の旅にぴったり。天蓋付きベッドでお伽話の主人公気分も味わえる⁉︎ デラックスタイプの部屋はダブルかツインのベッドを選べます。いずれもレースのカーテンがあしらわれており、ロマンチックなムードが漂います。 敷地内にはプールもあるので、泳ぐこともできます。ジャングルクルーズのリフレッシュにいかがでしょうか。プールサイドでのんびりするのもありです。野菜もたっぷりのご当地料理に舌鼓 食事は朝晩ともにビュッフェスタイルです。かぼちゃのココナッツミルク煮をはじめご当地ならではの惣菜が盛りだくさん。 一皿に盛り付けてジャスミンライスと混ぜ合わせていただくと、格別のおいしさ!2. リバークルーズを楽しめる「ボルネオ・ネイチャー・ロッジ」 キナバタン川沿いの密林の中に佇むロッジです。宿泊施設の入り口に向かうためにもボートで渡ります。リバークルーズのプランが複数用意されているのも嬉しいポイントです。周囲を見渡しても原生林ばかり 高床式の小屋は1棟につき2部屋が配置されています。入り口前にあるデッキチェアに腰掛けて風に吹かれながら植物を眺めるのも楽しいひとときです。 ナチュラルな雰囲気の室内。広めのベッドで川下りの疲れが癒されます。目の前の川で獲れたエビをいただきます こちらも食事は朝晩ともにビュッフェ式です。この日の夕食は手長エビのバター炒めが振る舞われました。また、スイーツには紫色をしたタロイモのプリンも(写真奥左側)。地元ならではのグルメが心ゆくまで堪能できます。一見すると豊かな森のようだけれども
キナバタン川沿いに広がる木々をよく観察してみると、岸から近いエリアでは多種多様な種が林立しています。でもその奥には単一の葉が整然と並んでいます。その木の正体はアブラヤシです。しかも森を構成する仲間ではなく、パーム油を採るためのプランテーションなのです。楽園を失わないために 上空から眺めるとプランテーションの規模の大きさは一目瞭然です。パーム油産業の発展と引き換えに熱帯雨林は切り拓かれ、住処を奪われた動物たちは絶滅危惧種にリストアップされる種が増えてしまいました。 リバークルーズで出会った愛らしい彼らがいつまでも自然の中で暮らせるために、ジャングルを守るためのアクションが求められています。ちなみに日用品メーカーの「サラヤ」では2004年よりボルネオ島の保全活動に取り組んでいます。私たちができることのヒントがここにありそうです。
writer / Sheage編集部
※記事の内容(本文・画像など)に関しては、許諾を得て掲載しております。
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