【アジア旅行】「人生で一度は訪れたい!」絶滅危惧種に会える【観光スポット】
2024.09.14 19:05
世界で3番目の大きさを誇るボルネオ島に広がるジャングルは、およそ290種の陸上哺乳類が集まる生きものの楽園です。なかでもこの地を象徴するのはオランウータンとボルネオゾウ。意外と知らない彼らについて深掘りします。
樹上を自在に往来するオランウータン
オランウータンとはマレー語で「森の人」という意味です。アジアで唯一の大型類人猿でメスの体重は40kgほど、オスにいたっては80kgくらいまで成長します。立派な体格の持ち主の拠点は木の上。長い腕を駆使して枝から枝へと移動します。親元を離れたらシングルライフを謳歌 7歳を迎えるあたりで親元から独立すると、基本的にはひとりで暮らします。それぞれがつかず離れずを保ちつつも、ほかのオランウータンがいる木の位置を把握しています。ちなみにメスは15歳ごろに初めての子どもを産みます。写真のように赤ちゃんが巣立つまでは抱っこして生活します。育児中はつきっきりとなるために、第二子を妊娠することはないそうです。
一方でオスは地域でNo.1になると、頬にフリンジ(大きなひだ)が表れます。「強さ」を示す顔は、なわばりに入ってこようとする他のオスを威嚇し、メスに対してはセックスアピールになります。ただ、フリンジがなくてもカップルにはなれるので、オランウータンのメスにとってパートナーの「強さ」は絶対の要素ではないのかもしれません。好物はドリアンやイチジクなどのフルーツ 果実を中心に樹皮や葉を口にします。オランウータンが群れないのは、えさが豊富にあるわけではない熱帯雨林で取り合いにならないようにするためです。夕方になると今夜のベッドをDIY 樹上はオランウータンの休息スポットでもあります。日が傾き始めると木の股に枝と葉を重ねてネスト(寝床)を作ります。所要時間はわずか15分!そうして17時頃には夢の世界へ。ちなみに寝る場所は毎日変わるので、その都度作っているのだとか。
世界最小のボルネオゾウ
ボルネオ島北東部のみにいるボルネオゾウ。メスを中心に群れを形成し、長い距離を移動しながら暮らしています。実は猛暑と日焼け対策の賢者 左側で耳をパタパタさせているのは、群れの中の長老だと推測されます。水辺では太陽の日差しが照り付けているため、血管のある耳を広げて体温調節をしているのです。ちなみに2頭ともカラダは泥まみれ!土と水を表皮に染み込ませて日焼けによる乾燥から身を守るとともに虫除けにもなります。長い鼻はコミュニケーションツールにもなる チャームポイントの鼻は呼吸をはじめ水を溜めるなど生命維持だけに機能するのでなく、他のボルネオゾウとの仲も取り持ちます。今回の撮影では幸運にも年長者の前足を鼻でさする子どもの様子をおさめることができました。ただ、よく見るとなでられている足は腫れています……。子どもは少しでも年長者の前足の痛みをやわらげようと寄り添っていました。かつては地元の人ですら姿を目にしたことがない存在だった その原因は1980年代から急速に進んだ森の開発にあります。かつてボルネオゾウが住んでいた森の奥深くはすべてプランテーションとなり、ボルネオゾウの群れはエサを求めて川沿いに残ったわずかな森に移動。川の周辺に住む村人と衝突するようになりました。農作物を育てる立場からすると栽培を妨げる存在になるので、ボルネオゾウを捕獲せざるえない状況があります。「IUCN(国際自然保護連合)」の調査によるとジャングルで生きているボルネオゾウの数はわずか1000頭ほど。絶滅危惧種に指定されています。
分断された森をつなぐ「緑の回廊プロジェクト」
ボルネオゾウをはじめ希少な動物を守るアクションがあります。日用品メーカーの「サラヤ 」が主導する「ボルネオ保全活動」では、ジャングルを広げる「緑の回廊プロジェクト」を進めています。キナバタン川沿いに点在する野生動物保護区の周辺のプランテーションを所有者から買い取って森に戻し、エサや住処を確保し、絶滅の道を閉ざすのです。
オランウータンが森を往来するための「命の吊り橋プロジェクト」
メナンゴール川をはじめキナバタン川の支流には6つの橋が架かっています。これはオランウータンがジャングルを移動できるようにと作られました。素材はなんと消防ホース!大阪府東住吉区の消防署が廃棄する予定だったものを譲り受けて製作しています。傷ついた野生動物を保護して森へと帰す
住処を奪われ、ワナに引っ掛かることが増えたボルネオゾウや、森が分断したことでエサのあるエリアから隔離され、息絶えようとしていたオランウータンの母子など。「ボルネオ保全トラスト」は野生動物のレスキューにも力を注いでいます。2013年には「ボルネオゾウ・レスキューセンター」を設立。負傷したボルネオゾウの治療やリハビリを実施しています。生活のあらゆるシーンに浸透するパーム油
アブラヤシ農園がここまで拡大したのは、私たちの日常にパーム油が必要不可欠だから。パーム油はチョコレートやアイス、カップ麺をはじめ、化粧品、シャンプー、石鹸、洗剤など、ありとあらゆるアイテムの原料として用いられています。また、パーム油で生計を立てる人々もたくさんいます。そのため、使用を完全に断つのは至難のワザであり、非現実的です。エシカルでサスティナブルなRSPO認証
RSPOとは Roundtable on Sustainable Palm Oil の略で、日本語では「持続可能なパーム油のための円卓会議」と訳されます。パーム油産業にまつわる7つの業種が手を組んで、自然と労働環境に配慮された生産を続けるために設立されました。RSPOでは4段階の基準を設け、クリアした品物には上の画像のマークが印字されています。私たちが「RSPO認証マーク」の付いた製品を選ぶことは、ボルネオ島の熱帯雨林を唯一の生息地とするオランウータン、ボルネオゾウをはじめ、多くの野生動物と自然を守りながら、生産者と私たちの暮らしの維持にもつながるのです。
writer / Sheage編集部 photo / 黒川ひろみ
※記事の内容(本文・画像など)に関しては、許諾を得て掲載しております。
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