夏のボーナス支給率は7割超、約半数は支給のタイミングで退職・転職を検討

夏のボーナス支給率は7割超、約半数は支給のタイミングで退職・転職を検討

2024.08.13 11:10

アシロが運営する「ベンナビ労働問題」はこのほど、2024年夏のボーナスの支給と、その使い道について、20歳〜59歳の男女5,000人を対象にアンケートを実施。また、ボーナス支給後の退職・転職についても調査を実施しています。

内閣官房内閣人事局の発表によると、国家公務員における令和6年6月期の期末・勤勉手当(夏のボーナス)の平均支給額は約659,400円(※1)であり、1年前の令和5年6月期の期末・勤勉手当の平均支給額約637,300円(※2)と比較して増加傾向にあることがわかります。

一方で、民間企業も夏のボーナスシーズンを迎えており、レジャーやイベント、帰省や旅行など、さまざまなボーナスの使い道を思い描いている人もいるのではないでしょうか。

そこで、「ベンナビ労働問題」が主体となり実施した今回の調査。どんな実態が明らかとなったでしょうか。

※1 令和6年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給|内閣官房内閣人事局

※2 令和5年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給|内閣官房内閣人事局

■7割以上が夏のボーナスを支給。「20万円〜40万円」が最多に

最初に20歳〜59歳の男女5,000人に対して「2024年夏のボーナスは支給されましたか?」と質問したところ、58.2%が「支給された」と回答し、14.6%が「支給される予定」と回答したことから、全体の72.8%が夏のボーナスが支給されていることがわかります。

一方、7.1%は「ボーナス制度はあるが、今回は支給がなかった」と回答しており、会社の業績や、個人の売上・成果などの事情からボーナスが支給されておらず、誰しもがボーナスを支給されるわけではないことがわかりました。

続いて、上記で「支給された」又は「支給される予定」と回答した3,639人に対して「支給されたボーナス額はいくらでしたか?」と質問したところ、「20万円〜40万円未満」と26%となり、最も多い回答を集めています。

また、1.8%にあたる64人が「150万円以上」と回答しており、具体的な金額を伺ったところ、最高金額は「1,400万円」となりました。

■ボーナスの使い道は生活費の補填と一部貯金が多く満足度はやや低い

続いて、夏のボーナスが支給された3,639人に対して「今回支給されたボーナス額に満足していますか?」と聞いたところ、26.2%が「やや満足している」と回答し最多となりました。「とても満足している」と回答した人が9.5%であることから、35.7%は満足している傾向にあることがわかります。

一方で、満足度が低い傾向にある「やや満足していない」が18%、「まったく満足していない」が21.6%となり、合計は39.6%であることから、拮抗しているものの全体的な満足度はやや低い傾向にあることがわかりました。

また、同じ人を対象に「今回支給されたボーナスの主な使い道を教えてください」と尋ねると、「生活費の補填」が1,580人で最多となりました。次点では「(一部を)貯金」と回答していることから、堅実な一方で、消費に消極的な様子がうかがえます。

■約半数は、ボーナスのタイミングで退職・転職を検討

夏のボーナスが支給された3,639人に対して、「これまでに、ボーナスの支給後に退職・転職を考えたことがありますか?」と質問しました。その結果、「転職を考えたことはない」と回答した人は52.8%に留まっていることから、約半数はボーナスのタイミングでの退職・転職を考えたことがある、もしくは実際に退職・転職をしていたことがわかりました。

次に、上記の質問で「ボーナス支給後に退職・転職をしたことがある」と回答した人の中から、無作為に選定した300人に対して「ボーナス支給のタイミングで、会社に退職・転職を申し出たのはいつでしたか?」と聞いたところ、32%が「ボーナス支給前」と回答。68%はボーナス支給後に退職・転職を申し出たことがわかります。

次項では、ボーナス支給後に「退職を考えたことがあるが、実際に退職・転職はしなかった」と回答した1,116人の、その理由を一部を紹介しています。

◇検討したが退職しなかった理由

・転職活動をするのが面倒くさかったから(広島県・20代・男性)

・ボーナス支給後だと退職を申し出にくかったから(北海道・20代・女性)

・転職する勇気がなかった(東京都・20代・男性)

・他に退職する人がいて業務が回らなくなると思ったから(千葉県・30代・女性)

・今の仕事が好きだから(大阪府・30代・男性)

・人間関係を含め、今の会社が好きだから(大阪府・40代・女性)・

・子どもが小さく転職後すぐに時短勤務ができないから(神奈川県・40代・女性)

・退職はしたいが引き継ぎ相手もおらず、業務内容を考えると無責任に退職できない(岐阜県・50代・女性)

・またイチから人間関係を築いたり仕事を覚えるのは辛い(東京都・50代・男性)

■2割強がボーナス支給後の退職・転職でトラブルを経験

上記の質問では、ボーナス支給後の退職を検討したものの、実際に退職はしなかった理由として「ボーナス支給後だと退職を申し出にくかったから」が挙げられていました。

実際に「ボーナス支給後に退職・転職をしたことがある」と回答した人の中から、無作為に選定した300人に対して「退職する際、ボーナス支給に関してトラブルになりましたか?」と質問したところ、22.7%が「ある」と回答しました。

およそ5人に1人がボーナス支給後の退職でトラブルを経験していますが、その内訳としては「嫌味を言われたり嫌がらせを受けた」の48.5%と、「ボーナスの分を給与から勝手に天引きされた」の41.2%が大部分を占めています。

こうした行為はハラスメントにあたる可能性があるだけではなく、悪質な侮辱や、所有物・本人へ暴力を振るうことで刑事事件に発展する可能性もあります。

また、給与の天引きについても法的措置を講じることで取り返すことができる可能性もあるため、必要に応じて労働基準監督署や弁護士への相談を検討すべきかもしれません。

◇調査結果のまとめ

ボーナスは、自分へのご褒美や、家具・家電といった高額な商品の買い替え、家族との旅行や、将来のための貯蓄・投資などさまざまな使い方ができます。

今回の調査では、ボーナス支給のタイミングで退職・転職を検討したことがある、もしくは実際にした人が約半数であることが判明し、キャリアにおける大きな選択の目安になることがわかりました。

しかしながら、人間関係や企業の文化、退職・転職後のキャリアなど、さまざまな事情から必ずしも思い描いた通りのキャリアステップを歩めるとは限りません。

ボーナス支給後に退職・転職を申し出たことによって、5人に1人以上がトラブルを経験していることから、誰しもの身にも起こり得るともいえます。

同社では、「法的措置をとることで解決できる可能性もあるため、ボーナス支給後の退職・転職を検討している人は、弁護士への相談や、労働基準監督署への相談といった選択肢も検討しておきましょう」と指摘しています。

■調査概要

調査対象:20歳〜59歳の男女5,000人

調査割合:20代(1,000人)、30代(1,500人)、40代(1,500人)、50代(1,000人)

調査方法:Freeasyを用いたインターネットリサーチ

調査日:2024年7月16日

出典元:https://roudou-pro.com/columns/661/

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