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SNSでの誹謗中傷はなぜなくならない?自分で自分を守るための利用方法とは!
今や世の中は「SNS全盛時代」といっても過言ではない。さまざまな情報を得られる半面、誹謗中傷などの不適切な投稿が人の心を傷つけるケースも少なくない。諸刃の剣ともいえるSNSだが、「教えて!goo」
には「ネット上での匿名の誹謗中傷は世界で日本がもっとも酷いのですか?」と、SNSのネガティブな側面に関する質問が寄せられていた。本来は人の生活を豊かにするツールとして生まれたはずだが、今度はどうなっていくのだろう。そこで今回は心理カウンセラーの小川みずきさんに、SNSは心の幸せを生むツールになれるか、SNSとのおすすめの向き合い方を伺った。
■正しいと思った投稿が誹謗中傷になることも?
なぜ人は誹謗中傷をするような投稿をしてしまうのだろうか。
「SNSでの誹謗中傷を目にしない日はないですよね。どうして投稿してしまうのか……。それは第一に、『SNSの匿名性』に原因があります。“バレなければやってもよい、どうせみんなもやっているんだし……。”そのような変な連帯意識に基づいた軽い気持ちの無責任な投稿が、誹謗中傷につながるのでしょう。投稿したら身元が判明するシステムであれば、そうはならないはずです」(小川さん)
確かにSNSの匿名性についての問題は、ニュースなどでも頻繁に指摘されている。
「動機については、ストレスフルな現代において『誰もがどこかに気持ちのはけ口を求めている』という側面があります。これはカウンセリングの中でもいろいろな場面で感じます。それをSNSで吐き出すことで、すっきりするのかもしれません」(小川さん)
自分自身のストレス解消のために誰かを傷つけることは、あってはならないことだが……。
「その視点から見ると、最初から“特定の誰かを傷つけてやろう”と目論んでの投稿は案外少ないとも考えられます。読んだ人の汲み取り方などによって悪い方へ作用してしまい、結果的に誹謗中傷になることもあるのかもしれませんね」(小川さん)
小川さんは表現の難しさも指摘する。
「自分では『至極、正しいことを投稿している』というつもりで発言しても、それが人によっては誹謗中傷に該当することもあります。SNSでもこのようなケースも少なからずあるように感じています」(小川さん)
あからさまな誹謗中傷はもちろん許されるべきではないが、読み手によって誹謗中傷になり得る表現も多数存在する。同じ言葉でも人によって受け取り方は違うのが、コミュニケーションの難しいところだ。自分自身が投稿するときにも、注意が必要だろう。
■ポイントは“幸せな投稿ばかりを見ること”
SNSを「幸せにつながるツール」として使うには、どうすればよいのだろうか。
「これは私が個人的に感じていることですが、SNSでは誹謗中傷が注目されることが少なくないものの、それ以上に『心の幸せ』につながる投稿があります。でも人は、他人の不幸が気になってしまうのですよね。だからどうしても、炎上しているような誹謗中傷ばかりに目がいってしまうのでしょう」(小川さん)
確かに「人の不幸は蜜の味」という言葉もある。
「SNSが『幸せにつながるツール』になるかどうかは、『見る人がどのような投稿を選ぶか』にかかっているでしょう。誹謗中傷など、『これは不幸せな投稿だな』と感じた瞬間に見るのをやめることがポイントです。『楽しい、うれしい、幸せ!』と思う投稿だけを見ることが大切です」(小川さん)
他人の投稿内容をコントロールするのは難しい。SNSをどのような方向性で使用するかは、投稿する側ではなく見る側次第ということだ。
「SNSは利用しなければいけないツールではありません。たくさんの投稿の中から見るものを選ぶのは、やはり見る側です。とてもシンプルなことですが、自分にとって都合のいい情報だけを選べばよいのです」(小川さん)
SNSの世界でも「自分で自分を守る」という発想は大切だという。
「今は、文章はもちろん、写真や動画などを誰でも簡単に投稿できる時代です。溢れている情報に踊らされ、一喜一憂するのは得策ではありません。『あくまで中心は自分。自分で取捨選択し、必要な情報だけを見る』といったことが実践できれば、SNSは私たちの生活や考えを豊かにしてくれるツールになるはずです」(小川さん)
小川さんは「誹謗中傷を見たい人がいても、それはそれで仕方ない」という。そのような人を許せないと思い行動に移すと、気付かないうちに自分が「誹謗中傷をする側」になってしまう可能性もゼロではない。「誹謗中傷を投稿できない仕組みづくり」が整うことも願うが、現段階では「周りの人に影響されないこと」、「自分の考えを必要以上に人に強要しないこと」がSNSの明るい未来につながるのかもしれない。
●専門家プロフィール:小川みずき
JAICO認定の産業カウンセラー。「月の森カウンセリングルーム」(埼玉県所沢市)所属。OL生活の中で職場内のメンタルヘルスケアの必要性に気付き、心理カウンセリングの勉強を始める。カウンセラー歴20年。
画像提供:AdobeStock
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)
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