大事なのは「余白時間」。黒木アナウンサーに聞く、ご機嫌な自分の守り方
就職や転職、出会いと別れ……。大きく環境が変わることの多い春は、ワクワクすると同時に、緊張感も高まり、ストレスが増える時期でもあります。そこで、いつもハッピーオーラがあふれている、読売テレビ・黒木千晶アナウンサーに、自分を見失わず、超多忙な毎日を生き抜くヒントを伺いました。
( Index )
生活環境の変化にヘトヘトだった新人時代 コミュニケーションの基本は大きな声でのあいさつ 自分がご機嫌でいるために「余白時間」を大事に ストレスは客観的に分析。一晩置けばほぼ解決!生活環境の変化にヘトヘトだった新人時代
この春、黒木さんは何かお仕事やプライベートで変化はありますか?
黒木
今年は特にないので、いつも通りの春という感じです。ただ、読売テレビには毎年新入社員が入ってくるので、彼らの姿を見ると、大学を卒業して、横浜から大阪に引っ越してきた時のことを思い出しますね。私は生まれてから引っ越しすらしたことがなかったので、大きく生活環境が変わるのは初めてだったんです。もちろん一人暮らしも初めて。最初は何かを買いに行こうにもどこに買いに行けばいいかもわからず、大変でしたね。
知らない場所に来て、最初は寂しかった?
黒木
いえ、最初は朝ごはんを自分で用意することだけでも大変すぎて、寂しいと思う余裕すらありませんでした。疲れすぎて、頭を洗いながら寝てしまったこともあります(笑)。結局、一人暮らしに慣れるまでには2年くらいかかったかもしれません。
コミュニケーションの基本は大きな声でのあいさつ
現在『かんさい情報ネットten.』のキャスターとして出演中の黒木さん。スタジオ入りする時は大きな声であいさつ!大阪という街に慣れないということはありました?
黒木
いえ、大阪独特の親しみやすさがすぐに大好きになりました。タクシーの運転手さんがめちゃくちゃ話しかけてくるのも楽しくて。今では私の顔を知ってくださっている運転手さんも多いので「最近、よう頑張っとんな〜」とか、知り合いや親戚みたいな感じで話しかけてくれて、それもまたうれしいです。
日常のちょっとした声がけに救われること、ありますよね。職場ではいかがでしたか? 新しい環境に慣れるために心がけたことなどがあれば教えてください。
黒木
大きな声であいさつをすることですね。両親から「あいさつと礼儀はきちんとしなさい」と言われて育ったこともあって、新人研修後も報道フロア中に響きわたる声であいさつしていました。食堂ですれ違う人にも、エレベーターで乗り合わせた人にも同じ調子でしたので、迷惑だったかもしれません(笑)。今でも「黒木は新人の頃からちゃんとあいさつしてくれたよね」と言っていただくことも多いので、よかったなと思います。
自分がご機嫌でいるために「余白時間」を大事に
先ほど「一人暮らしに慣れるまで2年くらいかかった」とおっしゃっていましたが、自分のペースをつかむためにしたことや、今もしていることはありますか?
黒木
私は生活の中に“余白”が欲しいタイプ。仕事終わりの夜の時間や休みの日は、予定を入れず空けておきます。先々の予定が詰まっていると、仕事が忙しくなってフル回転した時に参ってしまいますから。そもそも家で過ごすのが大好きだし、超インドア派(笑)。学生時代も授業が終わったら直帰していたほどです。夜も8時間くらい寝ないとだめなんですよね。自分自身をご機嫌にしておくことが、人とのコミュニケーションにおいても重要だと思っています。
社内での食事や飲み会に誘われることもありますよね。そんな時はどうされていますか?
黒木
仕事をちゃんとして信頼関係を築いておけば、断っても相手も理解してくれると思っています。もちろん「この間は行けなくてごめんなさい。今度ランチに行きませんか?」と、こちらからお誘いしたりもしていますよ!
なるほど! では、黒木さんが自分をご機嫌にするためにしているルーティーンなどはありますか?
黒木さん愛用の水筒黒木
ルーティーンを決めてしまうと、それはそれで辛くなるなと思っているので、特にはないかな。ただ、朝起きたらお湯を沸かして紅茶を淹れています。一部は水筒に入れて会社に持って行くんです。といっても、紅茶にこだわりはなくて、スーパーで一番安い1箱300円くらいのティーバッグです(笑)。温かい紅茶を飲みながらほっと一息つくと、心身ともにリフレッシュできます。
ストレスは客観的に分析。一晩置けばほぼ解決!
アナウンサーとして超多忙な毎日を送る黒木さん。仕事中にストレスを感じることもあると思いますが、それはどんなことですか?
黒木
アナウンサーは人から見られる仕事なので、社内にいても私の知らない方が私のことを一方的に知っているという状況はままあります。今はだいぶ慣れましたけど、入社して何年かは「見られている」というストレスがすごくて。それが、私が社内でも「よそゆきな自分」を保っているところにつながっているかもしれません。
視聴者、スタッフ、演者……。常に“見られている”プレッシャーと上手に付き合うのもアナウンサーの仕事だという黒木さんでは、たまったストレスはどうやって解消していますか?
寝る前に落ち込んでいたら、とりあえずメモしてみる。その後は考えないようにして、さっさとお風呂に入って寝ちゃうんです。で、起きてからメモを見ると、大抵どうでもいいことなんですよ。あ、お風呂から出たら母からもらった温かい靴下を履いて、足先や足首を冷やさないようにしています。あとは、とことん何もしない1日を作ることも私にとっては大事。布団の中で、本を読んだり、韓国ドラマを観たり。そんな日は、掃除も洗濯も全くしないで過ごすんです。
家にいる時も靴下を履いて、足を冷やさないようにしているそうそうなんですね! 足が冷えるとやる気がダウンするのはよくわかります(笑)。 今ハマっているドラマや本も教えていただけますか?
黒木
ドラマは、恋愛ドラマとヒューマンドラマの間みたいなのが好き。本で今読んでいるのは、柚木麻子さんの『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)と、川上未映子さんの『深く、しっかり息をして』(マガジンハウス)、それに村井理子さんの『本を読んだら散歩に行こう』(集英社)。偶然、女性作家のエッセイばかりですね。
では最後に、これから新生活を始めたり、いろいろな転機を迎えるanna読者にアドバイスをお願いします!
黒木
そうですね、心と体には気をつけて、ということがひとつ。あとは、十分頑張りすぎるくらい頑張っているから大丈夫、その頑張りが必ず未来を作るはず!と伝えたいです。
写真/岩原大起 取材・文/山下紫陽 編集/吉村セイラ
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