＜葬送のフリーレン＞フリーレンとアウラがついに激突魔族を欺くためにつき続けたフリーレンの“嘘”が明らかに……

2023.11.11 18:19

「週刊少年サンデー」(小学館)にて連載中の同名コミックをアニメ化した「葬送のフリーレン」(毎週金曜夜11:00-11:30、日本テレビ系／ABEMA・ディズニープラス・Huluほかにて配信)の第10話「強い魔法使い」が11月10日に放送された。ついに激突するフリーレン(CV.種崎敦美)とアウラ(CV.竹達彩奈)。その戦いの中で長年フリーレンが魔族につき続けてきたある“嘘”が明らかになる。

フリーレンとアウラ、両者の戦いは意外なほどに呆気なく……

フリーレンが幼いころ、彼女の故郷であるエルフの集落は壊滅した。魔王軍の将軍・玉座のバザルトが集落を襲い、その軍勢がエルフたちを皆殺しにしたのだ。集落一の戦闘力を誇るフリーレンはダメージを受けながらバザルトを討ちとる。そして、彼女は集落で唯一の生き残りとなった。その場を偶然通りかかった大魔法使いのフランメ(CV.田中敦子)は、生き残りであるフリーレンを発見し、弟子に迎え入れた。

フランメは弟子であるフリーレンに「体外に放出する魔力を十分の一以下に抑えてみろ」という課題を出す。これを難なくこなしたフリーレンは、この魔力制限をどの程度続けるべきかをフランメに問う。その答えは「一生だ」。フリーレンはこの言いつけを現在まで守り続けていた。そんなことを知る由もないアウラは、自身の魔力がフリーレンよりも強大であると誤認してしまう。

アウラが持つ「服従の天秤」は、対象と自身の魂を天秤にかけ、魔力が低いほうを操り人形にする道具だ。彼女がフリーレンの真の魔力に気付いたのは、その天秤に両者の魂が乗ったあとだった。フリーレンの操り人形となったアウラは、「自害しろ」との命令を受けると泣きながら自らの首を切り落とす。そして、魔力の粒子となりこの世界から姿を消した。

魔族とヒンメルが持つ相反した価値観

このエピソードで注目するべきは魔族と人間、両者の間にある“尊厳”に対しての価値観の差だ。人間の尊厳は地位や財産によって決まる。これを誇示するため、人間は見た目で自身の威厳を表現しようとし、自らを着飾る。それに対して魔族の尊厳は強さで決まる。その強さの指標は魔力量。彼らは自身の尊厳を維持するため、その魔力を積極的に体外に放出しながら生きている。

“体外に放出される魔力を制限する”というフリーレンの行動は魔族の価値観を逆手にとったものだった。体外に放出する魔力を抑えることは魔族にとって尊厳を失うことに等しく、これを実践する人間がいることを想定していない。だからこそ、多くの魔族がフリーレンを弱者だと勘違いし、慢心して勝負を挑んできた。その結果、多くの魔族がフリーレンの手によって葬られてきた。

そんな魔族たちとは相反する価値観を持っていたのが勇者ヒンメル(CV.岡本信彦)だった。彼は魔力の放出を抑えているフリーレンを見て、弱者だと見限ることはなかった。ひと目見た瞬間にフリーレンのことを「君は僕が出会ってきたどの魔法使いよりも強い」と評したのだ。フリーレンはそんなヒンメルに興味を示し、パーティの一員となったのだろう。

フリーレンのクールな一言に「ぞくっとした」との意見も

Xには多くの感想が投稿され、「フリーレン」と「アウラ様」のふたつの単語が日本のトレンド入りを果たした。なかでも多くの投稿が見られたのは、フリーレンからアウラに向けて「自害しろ」との一言が発せられた瞬間だ。あまりにクールな物言いに「鳥肌もんだっ」「カッコ良すぎて涙出てきた」「ぞくっとした」といった投稿が見られ、大きな賑わいを見せていた。

ついに決着したフリーレンとアウラ。次週ではその戦いの後始末が描かれることだろう。放送が待ち遠しい。

◆文＝はるのおと

※種崎敦美の崎は、正しくは「たつさき」