西嶌暁生(提供写真)

美容クリニック医師・西嶌暁生、話題の“メンズ美容”とは?“ズルい”美容法も伝授

2022.05.13 18:00

美容クリニックの医師・西嶌暁生(にしじま・あきお)が、書籍『だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ~』を発売し、近年、注目を集めているメンズ美容について語った。


西嶌暁生、書籍「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ~」

「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ~」(4月19日発売)書影(提供写真)
「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ~」(4月19日発売)書影(提供写真)
本書は、35歳を過ぎてなんのお手入れもしていない夫は、たいがい妻に嫌われてしまう、そんな男性の毛穴の開き、シミやイボ、ニオイ、薄毛を改善し、夫婦関係や仕事関係を救う美容本となっている。

スキンケアや食事・睡眠といったセルフケアから美容医療に至るまで、すべての美容法の中から、シンプルかつ効果的な美容術を厳選して紹介。また、5つのコラムも掲載しており、たとえば、男女の皮膚の違いなどを医学的に説明している。

西嶌暁生、話題の“メンズ美容”に言及

― 男性には衝撃を与えるようなタイトルが印象的です。今回の著書を書こうと思ったきっかけを教えてください。

近年、美容業界で熱い視線を浴びているのが男性を対象とした美容であり、ひと昔前の“美容は女性のもの”という固定観念はもはや時代遅れになりつつあります。さらに、SNSやインターネットで、手軽に情報を発信したり受け取ったりすることができる現在、男性美容についての情報や知識も、あっという間に広がっています。もちろん、そのようなメンズ美容の盛り上がりは喜ばしいことですが、一方で、不安を覚える部分がありました。メディアやSNSで取り上げられるメンズ美容の情報のなかには、皮膚を専門としてきた私から見て、誤りや不正確な内容が少なくないからです。

さらに、ほとんどの場合が女性美容をベースとしたもので、全体的に“やりすぎ”の傾向があります。男性の性格や肌の特徴を考慮し、皮膚の専門知識をもつ医師が、きちんとした根拠に基づいて正しい知識と情報を発信することが必要なのではないかと思い、この本を書きました。

そしてもうひとつ、この本を書こうと決意した理由は、私の周囲で、見た目を整えることに無頓着な35歳を過ぎた男性が妻に嫌われてしまうことが多かったからです。夫婦間のことですから、もちろんさまざまな理由があるでしょうが、意外と大きいのは“見た目の急激に劣化”だと思います。35歳を過ぎると、シミやイボ、体型など、見た目にはっきりと“老化のしるし”が現れてきます。本人は気にしなくても(気づかなくても)、美容に敏感な女性である妻から見れば、明らかに怠惰に“老けた”ことがわかってしまうのです。

今回の書籍では、男性の肌の特徴や生活習慣を活かし、出来るだけ最短距離で、負担を軽く、それでいて効果は最大限な美容法(エイジングケア)をお伝えしています。

西嶌暁生、男性の美容法について語る

― メンズ美容に興味はあるものの、面倒な美容法には抵抗があるという男性も多いと思います。実際に先生のもとで美容医療を受けた方からはどんな感想が届いていますか?

その通りだと思います。男性は基本的に、面倒くさがりで、飽きっぽく、屁理屈です。ただし一方で、これまで不適切な化粧品(合成界面活性剤が豊富に含まれた化粧品など)や美容法(美顔ローラーやシートパックなど)に接することがなかったので、自然と肌断食ができており、そのことこそが、“普通の男性”のもつアドバンテージになります。“スキンケアを熱心にしない”ことが、はからずも“肌を余計な化学物質にさらさず守る”状態になっていたのです。

つまり、肌がプラスマイナスゼロのニュートラルな状態であることが多く、適切な美容介入をしてあげると、女性以上に効果が明確にでることが多いのです。

美容医療も同様で、男性の肌は、これまで不適切なスキンケアで荒れている女性の肌に比べると、短時間で治療効果がでる傾向にあります。また、男性はイボやシミがひどくなってから来ることが多いので、その分、治療による変化(Before/After)が分かりやすいです。

そして、男性は理系脳の傾向がありますので、治療の内容を理解し、効果を実感し、費用対効果に納得したら、継続して通っていただけることが多いです。

― 自発的にメンズ美容を始める男性もいるかと思いますが、パートナーや家族に連れられてきたという方も多いのでしょうか?

私のクリニックに来院される男性の患者さんは、パートナーや家族に勧められてきたり、他のクリニックの先生が当院を紹介して受診してくださる方が多いです。最近では、男性の患者さんが、友人の男性を紹介して下さることも多くなってきました。

男性の患者さんの特徴として、濃くはっきりとしたシミや、たくさんのイボができてしまった状態でようやく来院される方が多いです。もし、もっと早いうちに治療を始めたり、そもそも、もっと以前から適切なセルフケアをしていたらと、診察室で悔しく思うことも多いです。

西嶌暁生、書籍に込めた思いとは?

― 本書は女性にとっても、パートナーや家族にメンズ美容を薦めるきっかけになると思いますが、どのように活用してもらいたいと思いますか?

この書籍に書いてある美容法1つ1つは、過剰な費用はかからず、今の生活習慣の中で、「余計なことをやめるor少し変える」だけで実行できます。今の生活の時間やお金を犠牲にして、何かを「頑張ってプラス」する美容法は、男性にとっては抵抗があり、妻や彼女に反論したくなるかもしれません。

本書では、「Less is more」「シンプルイズベスト」を提唱し、かつ、肌細胞にとって最も良いと私が考えるケアを紹介しており、女性側からパートナーへお勧めしやすい内容となっています。実際、本書を執筆するにあたり、私の妻の西嶌順子(形成外科専門医)と一緒に協力しながら作成しているため、女性目線も十分に取り入れた内容になっています。

また、本書を読んだ女性にとっては、自分自身のエイジングケアを見直すきっかけになればと思います。なお、女性版の詳細は、「『無駄なケアをやめる』からはじめる スキンケアの新常識大全」で詳記しています。この本が出版された際にも、モデルプレス様には取材をして頂きました。

― 最後に本書の読みどころとともにメッセージをお願いします。

本書は、単に「感覚的」「情緒的」な内容ではなく、医学的なエビデンスをベースに考えた美容法を提唱しています。また、洗顔や日焼け止めなどによる「外側」、栄養や腸活などによる「内側」、睡眠や電子機器などの「生活習慣」、医術を用いた「美容医療」の大きく4つのアプローチからなるエイジングケアを説明しています。さらに、5つのコラムも掲載しており、例えば、男女の皮膚の違いなどを医学的に説明しています。

私が日々の診療で男性美容に取り組む中で、男性の肌はポテンシャルが高く、少しの工夫や努力で高い満足度が得られることが多いことを実感しています。本書では、出来るだけ最短距離で、負担を軽く、それでいて効果は最大限な美容法を提案し、その人に合ったカッコよさ、個性やオーラを大切にしたアンチエイジング、これまで“がんばってこなかった”人が結果を出せる“ズルい”美容法を伝授しています。

メンズ美容のコツは“がんばって何かをプラスする”のではなく“余計なことをやめる”または、今ある生活習慣を“少し変える”ことです。

(modelpress編集部)
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