

間違って使ってない? 「留意」と「注意」の違い
「留意」と「注意」。パッと見た限りではそれほど大きな違いはないように感じるこの言葉。日常生活で意識して比較することは少ないかもしれません。
どちらも「気を付ける」という意味では同じですが、微妙な違いがあるようです。
今回は、「留意」という言葉の意味や使い方の注意点、「注意」との違いについて解説します。
■「留意」という言葉の意味
まずは、「留意」という言葉の意味から見ていきましょう。
辞書で「留意」を引くと、次のように書かれています。
りゅうい【留意】
ある物事に心を留めること。気をつけること。注意。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)
■「留意」の使い方
それでは、留意の使い方を以下に紹介します。
◇長く心に留め置いてほしいことを表す時に使う
「留」の文字には、「保留」「滞留」「駐留」などの使われ方からも分かるように「同じところにとめておく。とどめる。とめる」(『例解新漢和辞典』三省堂)という意味があります。
同じ注意でも、その時だけ気を付けるのではなく、しばらくの間心に留め置いてほしいことを伝えたい時にぴったりです。
言い換えれば、「留意」は、「スリップ注意!」のような瞬発的な注意を促す張り紙には向いていないということです。
一方、次のように「この点に気を付けましょう」というポイントをあらかじめ箇条書きで示す時にはよく使われる言葉です。
・外貨預金に関する留意点
・申告書の書き方と留意点
・本制度を利用する際の留意事項
・出願に際しての留意事項
◇「留意」を丁寧に言うと?
では、メールや文書などで「留意」を使う場合には、どうすればいいでしょうか。
漢語の頭に付ける接頭語「ご」を加えて「ご留意」とすることで、尊敬の意を表すことができます。
「ご留意」を使った文には、以下のようなものがあります。
・「ご留意ください」
・「ご留意くださいますようお願いいたします」
・「ご留意願います」
・「ご留意のほどお願い申し上げます」
次の項目で「留意」を使った例文を挙げます。
■「留意」はどんな時に使えるのか?(例文付き)
「留意」はどんな時に使えるのか、例文と共に紹介します。
◇「気を付けてほしい」とシンプルに伝えたい時
☆例文
・「以下の点に、ご留意願います」
◇「気を付けてほしい」とより丁寧に伝えたい時
☆例文
・「風邪がはやっておりますのでご留意ください」
・「その際には改めてご案内いたしますので、ご留意くださいますようお願いいたします」
◇今後気を付けたいという意思を表す時
☆例文
・「今後は、留意いたします」
「留意」を使用する際の注意点
以上のように、「留意」という言葉は「今後しばらく(あるいはずっと)」「〜の際は」「〜中は」気を付けてほしいと伝えたい時に使うものです。
持続的で落ち着いた呼び掛けが中心です。
そのため、スリや道路での飛び出しなど、危険な時に強い注意や警戒を促す場合には「留意」という言葉は使いませんので、使い方には気を付けましょう。
■「留意」と「注意」の違いは?
では、強い注意を促す場合には、どんな言葉がふさわしいでしょうか。それが、次に解説する「注意」です。
◇「注意」という言葉の意味
辞書で「注意」を引くと、次のように書かれています。
ちゅうい【注意】
・気をつけること。気を配ること。留意。
・危険などに遭わないように用心すること。警戒。
・相手に向かって、気をつけるように言うこと。
・(心理学の用語)心の動きを高めるため、特定の対象に選択的・持続的に意識を集中させる状態。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)
つまり「注意」は「留意」と同じように、「気を付ける」という意味で使います。
◇「注意」は危険なことや悪いことに対して用心する場合にも使う
「注意」は、より危険なことや悪いことに気を付ける場合にも使います。
・スリに注意!
・飛び出し注意!
・不審者に注意!
「スリが出没しているので、注意してください」とも書けますが、少ない文字数の方がインパクトがあり、視認性が高まります。
分かりやすいイラストの横に大きく、目立つように書かれた「注意」の文字は、見る人をハッさせて踏みとどまらせる効果がありますね。
◇「注意」の「注」は、「集中する」という意味
また、「注」の字には「気持ちや視線を一点に集中させる」、つまりじっと見つめるという意味があります。
☆例文
・「最後の部分をよく注意してご覧ください」
◇「注意」は呼び掛ける言葉そのものも指す
さらに、不適切な行為や悪いことなど注意を呼び掛ける言葉そのものも「注意」です。「留意」にはこうした働きはありません。
☆例文
・「上司に注意を受けた」
・「廊下を走らないよう先生から注意された」
■意味の違いを知るということ
人と人が協働する社会では、全ての仕事が言葉を通して伝達されます。特に、テレワーク化が進むこれからは、具体的に述べることが一層大切になってくるでしょう。
例えば、上司からミスを注意されたとしましょう。
「今後は同じミスをしないよう気を付けます」と言いたいなら、「はい、注意いたします」より「今後、留意いたします」の方が、しっかり決意が伝わります。
言葉の意味を正確に知ることは、このようにさまざまな場面で意思を表現する助けとなります。
(前田めぐる)
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