【クイズ】狼とヤギと野菜を川の向こうに無事に運ぶ方法を求めよ
2013.11.10 20:53
提供:マイナビウーマン
昔からある数学パズル。簡単そうな組み合わせの問題が、思いもよらぬ結果につながり、考えるほどに分からなくなるパターンが多い。
狼とヤギと野菜をボートで運ぶだけなのに、ちょっとした条件につまずいて解決策が見つからない。秋の夜長に最適なクイズも、先入観がジャマしてなかなか解けないのだ。
■惨事は二手目で必ず起きる?
山で暮らす猟師がいた。彼はときどき町に出かけ、獲物や野菜を売って生計を立てている。ある日猟師は狼、ヤギ、野菜を売りに町へ出かけた。途中、ボートで川を渡らなければならないが、自分と何か1つ(または1頭)しか積むことができない。
また、狼はヤギを、ヤギは野菜を食べてしまうので、猟師がいない場所にこのペアを残しておくことはできない。
すべて無事に川を渡るには、どのような順番で運べば良いか?
まず、狼、ヤギ、野菜の関係を整理しよう。運ぶもの、残されたペア、安全性をあげると、
・狼 … ヤギ+野菜 … 危険
・ヤギ … 狼+野菜 … 安全
・野菜 … 狼+ヤギ … 危険
の3パターンとなるので、ヤギを最初にボートに乗せれば安全だとわかる。残された狼は野菜に関心を示さず、おとなしくまっているはずだ。
ヤギを向こう岸に運び終えた猟師はボートで戻り、次に狼か野菜のどちらを運ぶか考える。残される方は心配無用だが、向こう岸での組み合わせが重要になる。2回目に野菜、3回目に狼を運ぶと、狼を運んでいる間にヤギが野菜を食べてしまう。
逆に狼を先に運ぶと、野菜を運んでいる間に向こう岸は狼&ヤギのコンビとなり、惨事は免れない。
最初にヤギを運んだのがマズかったのかとやり直し、狼か野菜から始めても意味がない。残されたコンビに強弱関係が生まれ、悲劇が起きるだけだからだ。問題自体が間違っているわけでもなく、橋を架けたなどの荒業もない。
猟師は数学の天才なのか?
■狼なんてコワくない!
すべて無事に運ぶためには、2つの盲点に気づかなければならない。1つは強弱関係で、食物連鎖を強弱で表すと、狼>ヤギ、ヤギ>野菜となるが、狼と野菜には強弱関係がない点だ。あまり想像したくないシーンだが、もし「野菜が狼を食べてしまう」の関係があったら、じゃんけんのように勝てる相手と勝てない相手が必ず存在する「三すくみ」の状態となり、この問題は成立しない。
そのため最初にヤギを運ぶのは正解だが、つぎは必ず強弱が生まれるため二手目が指せなくなってしまう。ポイントは狼と野菜の組み合わせだ。
二つめは、向こう岸からの「戻り」だ。ボートには必ず(猟師+何か)が乗るルールだが、戻りに何か載せてはいけないとは規定されていない。つまり、Aを運んだ帰りにBを戻すのもOKなのだ。
これらを踏まえて、運ぶもの、川を渡るのを待っているもの、向こう岸にいるもの、を時系列に記すと、一往復目は、
1.ヤギを運ぶ : 野菜と狼 … (猟師とヤギ→) … なし
2.復路 : 野菜と狼 … (←猟師) … ヤギ
で無事完了だ。
二回目に狼を運ぶと、
3.狼を運ぶ : 野菜 … (猟師と狼→) … ヤギ
4.復路 : 野菜 … (←猟師) … ヤギと狼
猟師が向こう岸にいるあいだは問題ないが、帰りのボートをこぎ始めると狼はヤギを食べてしまう。野菜を運んだとしても、ヤギが食べてしまうので同じ結果だ。
そこで4.は、
4改.復路(ヤギを戻す) : 野菜 … (←猟師とヤギ) … 狼
つまり、狼とヤギを入れ替えればOKだ。
そして三回目は、ヤギと野菜を積み替えて、
5.野菜を運ぶ : ヤギ … (猟師と野菜→) … 狼
6.復路 : ヤギ … (←猟師) … 狼と野菜
最後に、
7.ヤギを運ぶ : なし … (猟師とヤギ→) … 狼と野菜
で一件落着だ。
到着後は猟師の監視のもと、狼・ヤギ・野菜はもめ事もなく町を目指す。売られていくとも知らずに。ドナドナ。
■まとめ
数学と呼ぶよりも頭の柔軟性がポイントで、帰りのボートに気づけばなんてことのない問題だ。
一見「有り得ない」と思える話も、見方を変えると解決できることが分かった。問題に突き当たったときは、先入観を捨てて見直すのが良さそうだ。
(関口 寿/ガリレオワークス)
狼とヤギと野菜をボートで運ぶだけなのに、ちょっとした条件につまずいて解決策が見つからない。秋の夜長に最適なクイズも、先入観がジャマしてなかなか解けないのだ。
■惨事は二手目で必ず起きる?
山で暮らす猟師がいた。彼はときどき町に出かけ、獲物や野菜を売って生計を立てている。ある日猟師は狼、ヤギ、野菜を売りに町へ出かけた。途中、ボートで川を渡らなければならないが、自分と何か1つ(または1頭)しか積むことができない。
また、狼はヤギを、ヤギは野菜を食べてしまうので、猟師がいない場所にこのペアを残しておくことはできない。
すべて無事に川を渡るには、どのような順番で運べば良いか?
まず、狼、ヤギ、野菜の関係を整理しよう。運ぶもの、残されたペア、安全性をあげると、
・狼 … ヤギ+野菜 … 危険
・ヤギ … 狼+野菜 … 安全
・野菜 … 狼+ヤギ … 危険
の3パターンとなるので、ヤギを最初にボートに乗せれば安全だとわかる。残された狼は野菜に関心を示さず、おとなしくまっているはずだ。
ヤギを向こう岸に運び終えた猟師はボートで戻り、次に狼か野菜のどちらを運ぶか考える。残される方は心配無用だが、向こう岸での組み合わせが重要になる。2回目に野菜、3回目に狼を運ぶと、狼を運んでいる間にヤギが野菜を食べてしまう。
逆に狼を先に運ぶと、野菜を運んでいる間に向こう岸は狼&ヤギのコンビとなり、惨事は免れない。
最初にヤギを運んだのがマズかったのかとやり直し、狼か野菜から始めても意味がない。残されたコンビに強弱関係が生まれ、悲劇が起きるだけだからだ。問題自体が間違っているわけでもなく、橋を架けたなどの荒業もない。
猟師は数学の天才なのか?
■狼なんてコワくない!
すべて無事に運ぶためには、2つの盲点に気づかなければならない。1つは強弱関係で、食物連鎖を強弱で表すと、狼>ヤギ、ヤギ>野菜となるが、狼と野菜には強弱関係がない点だ。あまり想像したくないシーンだが、もし「野菜が狼を食べてしまう」の関係があったら、じゃんけんのように勝てる相手と勝てない相手が必ず存在する「三すくみ」の状態となり、この問題は成立しない。
そのため最初にヤギを運ぶのは正解だが、つぎは必ず強弱が生まれるため二手目が指せなくなってしまう。ポイントは狼と野菜の組み合わせだ。
二つめは、向こう岸からの「戻り」だ。ボートには必ず(猟師+何か)が乗るルールだが、戻りに何か載せてはいけないとは規定されていない。つまり、Aを運んだ帰りにBを戻すのもOKなのだ。
これらを踏まえて、運ぶもの、川を渡るのを待っているもの、向こう岸にいるもの、を時系列に記すと、一往復目は、
1.ヤギを運ぶ : 野菜と狼 … (猟師とヤギ→) … なし
2.復路 : 野菜と狼 … (←猟師) … ヤギ
で無事完了だ。
二回目に狼を運ぶと、
3.狼を運ぶ : 野菜 … (猟師と狼→) … ヤギ
4.復路 : 野菜 … (←猟師) … ヤギと狼
猟師が向こう岸にいるあいだは問題ないが、帰りのボートをこぎ始めると狼はヤギを食べてしまう。野菜を運んだとしても、ヤギが食べてしまうので同じ結果だ。
そこで4.は、
4改.復路(ヤギを戻す) : 野菜 … (←猟師とヤギ) … 狼
つまり、狼とヤギを入れ替えればOKだ。
そして三回目は、ヤギと野菜を積み替えて、
5.野菜を運ぶ : ヤギ … (猟師と野菜→) … 狼
6.復路 : ヤギ … (←猟師) … 狼と野菜
最後に、
7.ヤギを運ぶ : なし … (猟師とヤギ→) … 狼と野菜
で一件落着だ。
到着後は猟師の監視のもと、狼・ヤギ・野菜はもめ事もなく町を目指す。売られていくとも知らずに。ドナドナ。
■まとめ
数学と呼ぶよりも頭の柔軟性がポイントで、帰りのボートに気づけばなんてことのない問題だ。
一見「有り得ない」と思える話も、見方を変えると解決できることが分かった。問題に突き当たったときは、先入観を捨てて見直すのが良さそうだ。
(関口 寿/ガリレオワークス)
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