「満腹感は味に飽きただけ」あなたがお腹いっぱいになる仕組み
2013.09.29 18:02
提供:マイナビウーマン
女子の食事に欠かせないのがデザート。メインディッシュで「おなかいっぱい!」と言いながら、スイーツをペロリとたいらげる姿が不思議に思えても、決して理由を聞いてはいけない。お約束の「これは別腹なの!」が返ってくるだけだから。
胃が一つしかない人間に、どうして別腹が生まれるのだろうか? 本当に満腹ならデザートが入る隙間もないし、レプチンが放出されて食欲すら失われてしまう。別腹の正体はドーパミンの報酬予測の誤差で、「この味に飽きた」をおなかいっぱいと表現しているだけなのだ。
■レプチンのいない満腹
動物としてのヒトの原点は報酬で、頑張れば良いことがある、これをしないとヒドいめに会うなど、精神や理想とかけ離れた俗っぽい欲求に成り立っている。食事はその頂点とも呼ぶべき存在で、何か食べなければ身が危ないのと同時に、食べる=生命の継続から、幸せを感じるひとときでもある。
現代では一日三食が当たり前だが、食料がコンスタントに手に入らなかった原始時代は、食事こそが命の保証であり、自分へのごほうびだった。その遠い記憶が現代人にも刻み込まれているのだ。
食後に眠くなるのは、胃袋に血が集まって頭が貧血状態になるから、と言われているものの、この説は強引すぎる。確かに消化器官は活発になるものの、貧血を起こすほど血が集まる場所もない。仮に本当なら、頭がボォーとして眠くなる前に、爪や唇が紫色になるチアノーゼが起きるはずだ。
満腹で顔面蒼白(そうはく)では不気味すぎるし、食事のたびに具合が悪くなったら本末転倒だ。
満腹になるとレプチンが放出され、食欲を抑えるのはご存じだろう。いくら生命維持とはいえ、食べ過ぎは肥満を招くからだ。ぽっちゃりぐらいならラクダのように脂肪が持久力になるかもしれないが、大幅な体重増加では活動がにぶり、次の食料を手に入れることすらできなくなる。
肥満の結果が飢えでは笑えない話なので、レプチンが食べ過ぎを防いでくれているのだ。
おなかいっぱい->レプチン放出->食欲がなくなる、が正しい図式なのだが、別腹にデザートが入るのはなぜか? まだ食べられるのはレプチンが放出されていない証拠だから、まずは「もう食べられない!」のセリフの真偽を疑わなくてはならない。
その通り。おなかいっぱいではなく「もう飽きた」が正解なのだ。
■ドーパミンのウソつき!
ウソの原因は、自分ごほうびの食事にも関わらず登場する報酬系物質・ドーパミンだ。ドーパミンは欲求の達成、苦境からの脱出の際に分泌される物質で、「頑張れば良いことあるよ!」と励ます自分応援団だ。これが食事のときにも現れ「一口食べてみなよ、きっとおいしいから」と耳元でささやく。
まるで離乳食をグズっている赤ちゃんを説き伏せるかのように。
迷わず食べろよ、食べればわかるさ。
ただしドーパミンの予測は外れることもある。おいしいから!を信じて食べたのに、口に合わない、食べ進めるうちに味に飽きてしまうと、ささやき効果もだんだんと薄れる。やがて、ドーパミンの誘惑>得られる満足の構図となると、効力を失う。
ドーパミン退場。はいごちそうさま。
このパターンでは本当に満腹になったわけではないので、レプチンは登場しない。それゆえに、おなかいっぱいと表現するのがおかしな話で、「もういらない」「飽きた」が正解なのだが、これではワガママ全開発言なので「もう食べられない」に変換されたのだろう。
かくしてデザートが登場する。満面の笑みで迎え、一口食べては至福の表情を見せる。満腹か別腹かなんてどうでも良い。この一瞬が幸せだから。
■まとめ
おなかがすいていると眠れないのはオレキシン作動性ニューロンの影響だ。つぎの食料を得るために心身ともに研ぎ澄まされた状態にしているのだから、ぐっすり眠れるはずがない。
逆手にとれば仕事や勉強に最適だ。最近うまくいかないって感じたなら、少し食事を減らしてみると良いだろう。
(関口 寿/ガリレオワークス)
胃が一つしかない人間に、どうして別腹が生まれるのだろうか? 本当に満腹ならデザートが入る隙間もないし、レプチンが放出されて食欲すら失われてしまう。別腹の正体はドーパミンの報酬予測の誤差で、「この味に飽きた」をおなかいっぱいと表現しているだけなのだ。
■レプチンのいない満腹
動物としてのヒトの原点は報酬で、頑張れば良いことがある、これをしないとヒドいめに会うなど、精神や理想とかけ離れた俗っぽい欲求に成り立っている。食事はその頂点とも呼ぶべき存在で、何か食べなければ身が危ないのと同時に、食べる=生命の継続から、幸せを感じるひとときでもある。
現代では一日三食が当たり前だが、食料がコンスタントに手に入らなかった原始時代は、食事こそが命の保証であり、自分へのごほうびだった。その遠い記憶が現代人にも刻み込まれているのだ。
食後に眠くなるのは、胃袋に血が集まって頭が貧血状態になるから、と言われているものの、この説は強引すぎる。確かに消化器官は活発になるものの、貧血を起こすほど血が集まる場所もない。仮に本当なら、頭がボォーとして眠くなる前に、爪や唇が紫色になるチアノーゼが起きるはずだ。
満腹で顔面蒼白(そうはく)では不気味すぎるし、食事のたびに具合が悪くなったら本末転倒だ。
満腹になるとレプチンが放出され、食欲を抑えるのはご存じだろう。いくら生命維持とはいえ、食べ過ぎは肥満を招くからだ。ぽっちゃりぐらいならラクダのように脂肪が持久力になるかもしれないが、大幅な体重増加では活動がにぶり、次の食料を手に入れることすらできなくなる。
肥満の結果が飢えでは笑えない話なので、レプチンが食べ過ぎを防いでくれているのだ。
おなかいっぱい->レプチン放出->食欲がなくなる、が正しい図式なのだが、別腹にデザートが入るのはなぜか? まだ食べられるのはレプチンが放出されていない証拠だから、まずは「もう食べられない!」のセリフの真偽を疑わなくてはならない。
その通り。おなかいっぱいではなく「もう飽きた」が正解なのだ。
■ドーパミンのウソつき!
ウソの原因は、自分ごほうびの食事にも関わらず登場する報酬系物質・ドーパミンだ。ドーパミンは欲求の達成、苦境からの脱出の際に分泌される物質で、「頑張れば良いことあるよ!」と励ます自分応援団だ。これが食事のときにも現れ「一口食べてみなよ、きっとおいしいから」と耳元でささやく。
まるで離乳食をグズっている赤ちゃんを説き伏せるかのように。
迷わず食べろよ、食べればわかるさ。
ただしドーパミンの予測は外れることもある。おいしいから!を信じて食べたのに、口に合わない、食べ進めるうちに味に飽きてしまうと、ささやき効果もだんだんと薄れる。やがて、ドーパミンの誘惑>得られる満足の構図となると、効力を失う。
ドーパミン退場。はいごちそうさま。
このパターンでは本当に満腹になったわけではないので、レプチンは登場しない。それゆえに、おなかいっぱいと表現するのがおかしな話で、「もういらない」「飽きた」が正解なのだが、これではワガママ全開発言なので「もう食べられない」に変換されたのだろう。
かくしてデザートが登場する。満面の笑みで迎え、一口食べては至福の表情を見せる。満腹か別腹かなんてどうでも良い。この一瞬が幸せだから。
■まとめ
おなかがすいていると眠れないのはオレキシン作動性ニューロンの影響だ。つぎの食料を得るために心身ともに研ぎ澄まされた状態にしているのだから、ぐっすり眠れるはずがない。
逆手にとれば仕事や勉強に最適だ。最近うまくいかないって感じたなら、少し食事を減らしてみると良いだろう。
(関口 寿/ガリレオワークス)
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