

ダイオウイカはおいしくないって知ってた?
2013.05.12 10:46
提供:マイナビウーマン
今年1月の特番以来、話題の多いダイオウイカ。20mにも及ぶ巨大イカが釣れたら何人前の刺し身になるのか興味深いが、残念ながらおいしくないそうだ。
そんなダイオウイカが大好物なマッコウクジラは、古くから香料として珍重されている。深海では、不思議な連鎖が繰り広げられているのだ。
■ダイオウイカはしょっぱくて臭い?
ダイオウイカは、もとをたどれば貝やタコと同じ軟体動物ながらも、ダイオウイカ科ダイオウイカ属に分類に分類される由緒正しいイカだ。漢字で「大王イカ」、英語では巨大なイカを意味するgiant squidとベタな名前が表すように、イカ界のキングと呼ぶにふさわしい。
最大の特徴は巨大な身体で、全長20mほどにまで成長する。エンペラと呼ばれるヒレから始まる筒状の胴体だけで7m、2本の長い触腕(しょくわん)は12mほどと破格のサイズだ。
厳密には腕だが、足の吸盤にはノコギリの刃のような鋭い突起が備えられ、獲物をしっかりと捕らえることができる。宿敵・マッコウクジラの皮膚からは、直径45cmもの吸盤の跡が見つかった例もあり、これで襲われたら人間などひとたまりもない。
これまでに発見された最大のダイオウイカは全長約18m、体重は1トンだ。種類やサイズによって異なるだろうが、スーパーで売られているイカは一杯300gぐらいだろうか。
少々多い気もするがこれを一人前として計算すると、1トンのダイオウイカなら実に3,333人前のイカ刺しが頂ける。焼くと水分が蒸発し75%ほどに減るものの、これでも750kgの焼きイカだから、1日3回・200gずつ食べても約3.42年分の食糧となる。深海の恵みは素晴らしい。
肝心の味は、残念ながらおいしくないそうだ。われわれが食用にしているイカと比べ、体内に含まれる塩化アンモニウムが多いのが原因だ。
塩化アンモニウムは主に肥料として使われる物質で、そのほか火薬の原料や皮のなめしに使われ、およそ食用にはほど遠い物質だ。その塩化アンモニウムが浮輪の役目を果たし、ダイオウイカは浮力を得ているのだ。
多量に摂取すれば有害な塩化アンモニウムも、ダイオウイカに含まれる程度では問題ないという。ただし、苦い、エグい、しょっぱい、アンモニア臭いなど、個人差はあるものの美味という感想はほとんどない。
アンコウやカニのように、深海にはうまい生物が多いと思っていたが、ダイオウイカは人間の味覚には合わないようだ。残念。
■魅惑の香りの正体は?
味は酷評のダイオウイカにも、大好物にしているフリークがいる。巨大な頭を持つマッコウクジラだ。成長したオスは全長20m、体重50トンほどになり、ダイオウイカの捕食者にふさわしい体格の持ち主だ。
マッコウクジラは漢字で「抹香」と、香りにまつわる名前がつけられている。腸内から龍涎香(りゅうぜんこう)と呼ばれる香料がとれるからだ。
龍涎香が用いられ始めたのは7世紀ごろと言われ、入手が難しいため非常に高価で取引され、今でも香水として使えるクラスは1gで数万円にものぼるという。昨年イギリスの少年が偶然にも海岸で拾った龍涎香は、600gでおよそ500万円(当時)相当と報じられたほど貴重なのだ。
完全に解明されていないものの、龍涎香の正体はマッコウクジラの排せつ物で、イカのクチバシなど消化できない部分を粘り気のある分泌物でくるみ、体外に排出した物らしい。
結石という説もあるが、いずれにせよマッコウクジラにとっては不要物にすぎない。涎の字の通り、古代は「よだれ」として考えられていたようだが、真実はロマンスのかけらもなく、オシリから出た不用品にすぎない。
その昔には媚薬(びやく)や漢方薬としても使われていたようだが、クジラのオシリから出てきたとと知ったら、口にする勇気がある人は、どれほどいただろうか。
■まとめ
おいしくないダイオウイカが、マッコウクジラを介して高価な龍涎香に変わる。
その龍涎香もマッコウクジラにとっては排せつ物にすぎないのだから、雄大な自然にとって、人間の価値観などちっぽけなものに思えてきた。
(関口 寿/ガリレオワークス)
そんなダイオウイカが大好物なマッコウクジラは、古くから香料として珍重されている。深海では、不思議な連鎖が繰り広げられているのだ。
■ダイオウイカはしょっぱくて臭い?
ダイオウイカは、もとをたどれば貝やタコと同じ軟体動物ながらも、ダイオウイカ科ダイオウイカ属に分類に分類される由緒正しいイカだ。漢字で「大王イカ」、英語では巨大なイカを意味するgiant squidとベタな名前が表すように、イカ界のキングと呼ぶにふさわしい。
最大の特徴は巨大な身体で、全長20mほどにまで成長する。エンペラと呼ばれるヒレから始まる筒状の胴体だけで7m、2本の長い触腕(しょくわん)は12mほどと破格のサイズだ。
厳密には腕だが、足の吸盤にはノコギリの刃のような鋭い突起が備えられ、獲物をしっかりと捕らえることができる。宿敵・マッコウクジラの皮膚からは、直径45cmもの吸盤の跡が見つかった例もあり、これで襲われたら人間などひとたまりもない。
これまでに発見された最大のダイオウイカは全長約18m、体重は1トンだ。種類やサイズによって異なるだろうが、スーパーで売られているイカは一杯300gぐらいだろうか。
少々多い気もするがこれを一人前として計算すると、1トンのダイオウイカなら実に3,333人前のイカ刺しが頂ける。焼くと水分が蒸発し75%ほどに減るものの、これでも750kgの焼きイカだから、1日3回・200gずつ食べても約3.42年分の食糧となる。深海の恵みは素晴らしい。
肝心の味は、残念ながらおいしくないそうだ。われわれが食用にしているイカと比べ、体内に含まれる塩化アンモニウムが多いのが原因だ。
塩化アンモニウムは主に肥料として使われる物質で、そのほか火薬の原料や皮のなめしに使われ、およそ食用にはほど遠い物質だ。その塩化アンモニウムが浮輪の役目を果たし、ダイオウイカは浮力を得ているのだ。
多量に摂取すれば有害な塩化アンモニウムも、ダイオウイカに含まれる程度では問題ないという。ただし、苦い、エグい、しょっぱい、アンモニア臭いなど、個人差はあるものの美味という感想はほとんどない。
アンコウやカニのように、深海にはうまい生物が多いと思っていたが、ダイオウイカは人間の味覚には合わないようだ。残念。
■魅惑の香りの正体は?
味は酷評のダイオウイカにも、大好物にしているフリークがいる。巨大な頭を持つマッコウクジラだ。成長したオスは全長20m、体重50トンほどになり、ダイオウイカの捕食者にふさわしい体格の持ち主だ。
マッコウクジラは漢字で「抹香」と、香りにまつわる名前がつけられている。腸内から龍涎香(りゅうぜんこう)と呼ばれる香料がとれるからだ。
龍涎香が用いられ始めたのは7世紀ごろと言われ、入手が難しいため非常に高価で取引され、今でも香水として使えるクラスは1gで数万円にものぼるという。昨年イギリスの少年が偶然にも海岸で拾った龍涎香は、600gでおよそ500万円(当時)相当と報じられたほど貴重なのだ。
完全に解明されていないものの、龍涎香の正体はマッコウクジラの排せつ物で、イカのクチバシなど消化できない部分を粘り気のある分泌物でくるみ、体外に排出した物らしい。
結石という説もあるが、いずれにせよマッコウクジラにとっては不要物にすぎない。涎の字の通り、古代は「よだれ」として考えられていたようだが、真実はロマンスのかけらもなく、オシリから出た不用品にすぎない。
その昔には媚薬(びやく)や漢方薬としても使われていたようだが、クジラのオシリから出てきたとと知ったら、口にする勇気がある人は、どれほどいただろうか。
■まとめ
おいしくないダイオウイカが、マッコウクジラを介して高価な龍涎香に変わる。
その龍涎香もマッコウクジラにとっては排せつ物にすぎないのだから、雄大な自然にとって、人間の価値観などちっぽけなものに思えてきた。
(関口 寿/ガリレオワークス)
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