撮影/大野代樹

百川晴香、『ウルトラマンX』で人生激変 12歳グラビアデビュー⇒“売れない地下アイドル”扱いからの逆転劇

2026.06.05 08:03
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「小学生でもステージに立てるんだ」。小学3年生のときにフィンガー5の映像を見た衝撃が、百川晴香の芸能人生の始まりだった。12歳でグラビアデビューし、高校生で念願のアイドル活動をスタート。グループの解散やメンバーとの意識の差、厳しいレッスンを経験しながら、やがて『ウルトラマンX』出演という大きな転機を迎えた。前編では、百川が歩んできた軌跡と、アイドル時代の葛藤について聞いた。(前後編の前編)

――12歳という若さで芸能界に入られていますが、まずはその経緯から教えてください。

百川 デビューは12歳でしたが、小学3年生くらいから芸能のお仕事をしたいと思っていたんです。母がバレエの先生だったので、3歳の頃からバレエを習っていて、昔から人前で踊るのだけは好きでした。それに、発表会で踊ると父や祖父が「上手だね」って唯一褒めてくれる場所だったんです。

――踊ることが自己表現の手段だったんですね。そこからどうやって芸能界につながったんですか?

百川 年末の音楽番組で、アイドルの昔の映像が流れる企画ってあるじゃないですか。それを見ていたらフィンガー5さんが出てきて。当時小学3年生だった私と同じ年の妙子さんが、ステージで歌って踊っているのを見て「小学生でもこういうことができるんだ!」って衝撃を受けたんです。歌えないけど、踊りで表現するアイドルなら私にもできるかなって。そこから興味を持ちました。

――そして、中学生になるタイミングで芸能活動をスタートされたと。デビュー当初は演技のレッスンから始まったそうですね。

百川 1年ぐらい演技の練習をしていたんですけど、入った事務所が子どもの仕事があまりなくて……。どうしようかなと思っていたときに、事務所の方の知り合いから「中学生でも出られるグラビア雑誌(『Chu→Boh(チューボー)』)があるけど、出てみるか」という話をいただいたんです。

――それがグラビアデビューのきっかけだったんですね。当時、中学生でグラビアをやることへの抵抗はありませんでしたか?

百川 何もしないでくすぶっているよりは、仕事があるならやってみよう、まず知名度をつけなきゃ、という気持ちでした。ただ「めっちゃエッチだったら嫌だな」とは思いましたけど、実際はすごくかわいく撮ってくれていましたし、水着だけど際どいわけでもない。かわいい衣装もあったので、「これならいいかな」と思ってやってみました。

――グラビアを始めてみて、反響はありましたか?

百川 ありましたね。当時は発信の場がアメブロくらいしかなかったんですが、誰も見ていなかったブログに急にコメントが付くようになったり。雑誌に出るとイベントもできるようになって、ファンの方が「会いに来たよ」って目の前に並んでくれていることに、最初は本当にびっくりしました。

――そして高校生になって、ついに念願だったアイドル活動を始められます。小学3年生からの夢がかなったときの心境はいかがでしたか?

百川 もう、毎日が楽しかったです。高校の友達も大好きでしたけど、放課後はなるべく仕事を入れてほしいってずっと思っていました。それくらい歌って踊ることが楽しかったんです。

――活動がつらいと感じることはなかったですか?

百川 アイドルグループを始めてから「めっちゃ歌が下手なんだ」っていうことには気づきました(笑)。どうしようってなりましたけど、母に相談したら「SMAPで言ったら中居くんみたいになればいいんだよ」って言われて、「なるほど!」って。全部ポジティブに変換できていたので、苦しさはあまりなかったですね。

――その後、いくつかのグループを経験されています。最初のグループ「怪傑!トロピカル丸」での活動で、特に印象に残っていることはありますか?

百川 高校を卒業する間近になった頃、グループに同い年の子が私を含めて3人いたんですけど、みんな「高校も終わるし、そろそろ辞めようか」みたいな雰囲気になったんです。「え、アイドルって仕事じゃなくて部活みたいな感覚だったの?」って、価値観の違いに衝撃を受けました。みんなで売れたいと思って頑張っている仲間だと思っていたら、そうじゃなかったんだって。仲間作りの難しさを、そのとき初めて知りました。

――メンバーとの意識の差に直面したと。その後のグループ活動で、何か大変なことはありましたか?

百川 その後は「Ru:Run(ルーラン)」という卓球がコンセプトのグループを始めたんですけど、グループが変わると曲も変わるので、ついてきてくれるファンが3分の1くらいに減っちゃって……。ステージに立っていれば誰でも応援してくれるわけじゃないんだっていう衝撃も受けましたね。

――そして「Ru:Run」は、福岡のグループ「流星群少女」と合体して「全力少女R」になります。これもかなり異例の展開ですよ。

百川 私も大好きだったグループなんですけど、お互いのグループのメンバーが減っているからって、会長が「合体することになったから」って突然。「え、グループ同士が合体することってあるの!?」みたいな(笑)。でも「どっちの曲もやれるんだからいいじゃん」と言われて、合体して「全力少女R」が生まれました。

――「全力少女R」での活動は、かなりハードだったそうですね。

百川 本当にきつかったです。振付の先生がすごく厳しい方で、レッスンが朝の10時から夜の10時まであるんですよ。

――12時間も……。

百川 それだけじゃなくて、夜10時に終わったら「明日の10時までにこれができてないと、どうなるか分かってるんだろうな」みたいに言われるんです。だから、みんなで始発で来て朝から練習して、夜10時に終わってもすぐには帰れなくて、家に着くのは終電。また次の日は始発で、みたいな生活でした。その先生が福岡から来るのが月に1週間あったので、その期間はずっとそんな感じです。筋トレしなくても腹筋がバキバキに割れるくらい厳しかったです。

――その厳しい先生から言われて、今でも心に残っている言葉はありますか?

百川 私がリーダーだったんですけど、あるとき、自分だけは完ぺきに練習してレッスンに臨んだことがあったんです。そしたら先生に「リーダーだよね?自分だけができていればいいんだ。周りはどうでもいいわけ?それでリーダーなの?」ってすごく怒られて。自分はできているのにメンバーができていないと怒られるなんて理不尽だって思いましたけど、上に立つ者としての厳しい指導は、すごく勉強になりました。立ち位置が決まっても、次の日にダメだと端っこに行かされたり、一瞬たりとも気が抜けないグループでしたね。

――アイドル活動と並行して、女優業も経験されました。特に『ウルトラマンX』への出演は大きな転機になったのではないですか?

百川 周りからの見方がすごく変わりました。それまではグラビアをやっていたこともあって、地元の意地悪な人からは「売れない地下アイドルの子でしょ」みたいに言われていたこともあったんです。でも『ウルトラマンX』に出たことで、「テレビに出てるちゃんとした子」っていうふうに、ちゃんと芸能人として扱ってもらえるようになりました。父も喜んでくれましたし、初めて親戚含めてみんなに認められた仕事ができた気がして、うれしかったです。

▽百川晴香(ももかわ・はるか)1995年11月1日生まれ、神奈川県出身。アイドル、女優、タレント。12歳でグラビアデビューし、その後アイドル活動を本格化。「怪傑!トロピカル丸」「Ru:Run」「全力少女R」「Bety」などで活動し、リーダーも務めた。女優としては『ウルトラマンX』などに出演。2025年には所属事務所・シャイニングウィルの代表取締役に就任し、タレント活動と並行して経営にも携わっている。

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