『再会』プロデューサーが明かす驚きのSNS反響「ミステリードラマとしての周知は予想外」【※ネタバレあり】
2010年に発行された横関大氏の小説『再会』(講談社)が原作のドラマ『再会〜Silent Truth〜』(テレビ朝日系)。刑事・飛奈淳一(竹内涼真)が、殺人容疑者となった初恋の相手・岩本万季子(井上真央)、清原圭介(瀬戸康史)、佐久間直人(渡辺大知)の同級生と再会し、過去の事件と現在の事件が徐々に繋がる様子を描いたヒューマンラブミステリーだ。「犯人は誰なのか?」「凶器として使用された銃はどこにあるのか?」など、“考察”が捗る内容になっていることに加え、淳一と万季子の儚い恋模様も映し出され、多くの視聴者を釘づけにしている。見逃し配信回数がテレビ朝日史上最高記録を更新するなど、注目度抜群の本作のプロデューサーを務める峰島あゆみ氏に、撮影の裏側など話を聞いた。(前後編の前編)
◆再ドラマ化した背景
まず、26年前に発行された小説『再会』をドラマ化した経緯はどんなものだったのか。
「本作の脚本を担当している橋部敦子さんとは、2023年に放送された『ゆりあ先生の赤い糸』でご一緒しました。今回この放送枠でドラマを制作するにあたり『ラブミステリーにしたい』というイメージがあったんです。
そのことを橋部さんに相談すると『私もミステリーをやってみたかった』と話していたので、そこから企画を進めていきました。また、図書館に行った際、たまたま『再会』を手に取って、内容がとても面白くて、橋部さんにも読んでもらって、『再会』原作のドラマを作ることになりました」
そもそも、『再会』は2012年に2時間ドラマとしてフジテレビで放送されているが、そのことは気にならなかったのか。峰島氏は「2時間ドラマでは事件を追うことがメインで描かれていました」と説明する。
「『4人の関係性がエモいですね』と橋部さんと原作について話していて、『4人の関係をふくらませて描くことで、また違った作品になると思い、連続ドラマとして今回制作しました。また、淳一と万季子のラブストーリーを本作の縦軸に据え、最終回では事件のその先をドラマオリジナルとして描いています」
◆タップダンスは現場のアイデア
原作との大きな変更点として、峰島は南良理香子(江口のりこ)の名前を挙げる。
「原作では、南良は淳一よりも年下の男性でした。年下だけども奇妙さのあるカッコイイ設定のキャラだったのですが、『小説だと成立しやすいのかな』と感じたんです。ドラマ化した時に、『年下だけれども淳一たちを追い詰めていく』というところに説得力を持たせることは難しいと考え、淳一よりも年上にすることは決めていました。
『とにかく南良は男女問わず面白い役者さんに演じてほしい』とプロデューサー陣で話し合い、今回江口さんが演じてもらえそうになったんです。そこで、橋部さんに急遽、江口さんで南良を当て書きしてもらい、脚本を読んでもらって『面白そう』ということで引き受けてもらいました」
南良といえば常に主導権を握っていることから、主人公に見える瞬間も少なくない。それについて峰島氏は、「最初は南良を主人公にするアイデアもありましたが、南良は迷いや逡巡がある役ではありません。やはり『秘密を抱えていて葛藤のある人間を主人公にしたほうが良い』となり、そこは原作通り淳一を主人公にしました」と答えた。
また、怪演が目立つ南良ではあるが、監督の深川栄洋氏の意向が大きく影響しているという。
「バナナを食べたり、タップダンスをしたりなどは脚本にはなく、深川さんが現場で提案しました。結構、深川さんは私たちには何も言わずに現場でいきなりアイデアを出すことが多いのでびっくりします(笑)」
深川氏の作品に江口は過去に何度も出演したことがあり、勝手知る仲と言える。だからこそ、江口の魅力を引き出す演出を熟知しており、結果、南良は目が離せないキャラになったのだろう。
◆『じゃあつく』大ヒットはプレッシャー?
6話、7話で自分の過去を口にする淳一の姿に胸を打たれた視聴者は多い。竹内の表現力が随所に光るが、竹内の淳一というキャラとの向き合い方を振り返る。
「竹内さんは『淳一をカッコイイ人間にはしたくない』と最初に話していて、“平静を装いながらも、内心では心が揺れ動いている人間”という部分を意識して役作りしている印象です。また、竹内さんは『色からパワーをもらってしまうタイプだから』ということで、秘密を抱えた人物ということもあり、衣装は白と黒をベースにすることになりました」
また竹内は、2025年10月から放送された『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)の海老原勝男役で大きな注目を集めた。本作は注目度が高まった状態で放送を開始することになったが、プロデューサー目線での心境を聞くと「放送前はすごいプレッシャーでした」と苦笑いする。
「もちろん、乗りに乗っている役者さんが連続で出演してくれるのはすごくラッキーではあります。『じゃあ、あんたが作ってみろよ』は社会的な側面を持っている作品ですが、楽しく視聴できる素敵な内容でした。一方、本作は全然違う作風なので、『“勝男旋風”を止めてしまったらどうしよう』という不安はありました」
ただ、見逃し配信回数が示す通り、本作は『じゃあ、あんたが作ってみろよ』同様に話題を集めており、今では峰島氏もプレッシャーから解放されたという。
◆想定外だった“考察ブーム”
本作の反響が大きい要因として、「犯人は誰なのか?」「銃はどこにあるのか?」という考察要素も無視できない。放送中や放送終了後にはSNSで考察合戦が繰り広げられることが恒例になっているが、この反応は峰島氏にとっては意外だったそうだ。
「『銃がどこにあるのか』というのは小説よりも複雑にしていて、ここも原作との大きな変更点と言えます。ただ、『拳銃のありかはどこでしょうか?』という謎を視聴者に提示したかったわけではありません。“タイムカプセル”が本作のキーアイテムなので、これを活用したくて拳銃のありかを複雑にしました。
やはり本作は“4人の関係性を描く”ということを軸に考えていたので、1話の放送終了後に考察がSNSに溢れて驚きました。ミステリードラマとして周知されることは本当に予想外だったので、予告映像や番組PRも急遽“考察”を意識するようにしました(笑)。これだけ楽しんでもらえているので、結果的に複雑にしてよかったですね」
複雑に絡み合った過去と現在。その交差点で彼らがどんな未来を選ぶのか、最後まで見逃せない。
▼『再会〜Silent Truth〜』(テレビ朝日系) 3月17日(火)よる9時〜最終話放送
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